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勇者と魔王

「大変です!勇者が攻めてきました!」


えええええ。

勇者が旅立ってから1日と半日しかたってないのよ!?そんなにはやいとは・・。

もう泣き寝入りね。私が死にますから部下は殺さないで下さいと勇者と聖女に泣きつくしかないわ。

あ、でも、光魔法で倒せるかな。


ゲームで魔王が使っていたのは闇魔法。闇魔法は光に弱くて、闇魔法は、光魔法以外の全属性に強い。

だから、互角の光魔法で戦えば・・。もしかしたら。

どっちみちもう逃げる道はない。覚悟を決めて倒すしか、、。

殺さないで、少し倒れてもらうだけでいい、風魔法と、光魔法を合わせて、眠らせる魔法を使う。

それでも精神防御が強くて、眠らなかった場合は四天王様にお任せと。


「エルナ。四天王と、直属の部下を集めて頂戴。」


「はい。」


できるかしら。できなくて、もし死んでも、仕事はすべて終えてある。


◇  ◇  ◇  ◇


「全員揃いました。」


「勇者と真っ向から戦う。私が眠りの魔法をかけるから、それで眠ったものは動けなく拘束してほしい。眠らなかったものは、殺さない程度に倒してほしい。」


「「「「「「「「「はっ」」」」」」」」」


「ここでは狭い。このメンバー以外のものを地下室に避難させろ。」


「ではわたくしが。」

最弱の四天王の部下が手を上げる。


「ありがとう。

一番広い廊下に出よう。

魔王、エルシア・ディーアの名に懸けて敗北は許さん!」


「「「「「「「「「はっ」」」」」」」」」


「魔王様、そしてエルナ様はこの部屋に残ってください。これは譲れません。」


「わかった。」


「ありがとうございます」


7人が出ていき、2人になる。


「何があっても必ずおまもりします。」


「ありがとう。頼もしいわ。」


5分後


「バンッ!」


「!」


なんで勇者がここに!思っても声を出してはいけない。四天王たちは?

かわりにエルナが聞いてくれる。


「なぜ勇者たちがここにいるんですか。ほかの四天王は。」


「魔王を倒すためだ。かなり強かったが、四天王だったのか。無駄な残虐はしない。殺してはいないさ」


よかった。


「早速だが死んでもらおう。」


「そうはさせません!」


「っ!」


エルナと叫んでしまいたい。

でもさけじゃいけない。

そうするときは死ぬとき。


無詠唱で眠りの魔法をかける。


「眠りの魔法か。どっちが使ったんだろうなあ?」


冷めた視線が痛い。

勇者以外は眠ってくれたみたいだ。


「ふっ!」


「!!」


エルナ!!エルナが吹き飛ばされる。いくら魔王の部屋だから広いとは言って、部屋は部屋だ。

壁にぶつかる。


「うっ!」


さらに斬撃を飛ばし、エルナの腕に大きな傷ができる。

やっぱり私じゃかなわない。泣きつくしかないのか。

あまりの恐怖に声すらも出ない。


「っ!~~」


「じゃあな。魔王様。」

冷たく勇者が告げる。


胸に斬撃を飛ばそうとするが、何かを思いついたように近寄ってくる。

勇者が近寄り、魔王が下がる。エルナはやめてくださいと小さい声で叫ぶ。


しまった。壁についてしまった。逃げ場がない。

まさか、いたぶりながら殺そうとか、そういうのだろうか。

自分が死んだらエルナがどうなるかわからない。

でも怖くて声が出ない。


思わずぎゅっと目をつぶったその時。


「魔王の顔くらいはみといてやるよ。」

仮面が取れる

「いやっ!」


「女?・・」


足は遅いけど、全力で走って、顔をそむける。エルナのもとに行く。


「エルナ。ごめんごめんなさい。

どうかエルナだけは殺さないでください。こんなことを頼める立場ではないのはわかっています。」


「エルナにどうか癒しを。キュアヒール。」


「でも、でもどうかエルナだけは!!」


涙をためながらも顔を上げて勇者と目を合わせる。


「っ~~~!」


何を思ったのか、勇者の顔が真っ赤になる


そして近寄ってくる。潔く殺されなかった私に怒ってるんだろう。


ひそかにしまっておいた小さなナイフを取り出し自分の首にあてる。








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