第1話 最初のお願いは切実に!
夏休みは終わるけど(僕に夏休みはなかった)始まります。
感動的な中学の卒業式を終え、季節は春になった。
今日は高校の入学式、中学からの友達は1人しかいない。
新しい友達ができるか不安しかなかった。
同じ中学から来たもう一人の奴はかなり変わった奴だ、昔からの腐れ縁だが、アイツと居ると何が起こるかわからない。早く他の友達を作らないといけない。
そう思ってると奴が来た。
「卒業式以来だな、我が友よ。修司も我と同じクラスのようだな。」
どうだこの喋り出し。既に厨二感を溢れ出して居る。そして振り向くと更に痛い。心が。
「よう、久しぶりだな竜司。相変わらず凄い包帯だな、説明会の時先生に注意されてなかったか?」
そう、手と左目を覆うように顔半分を包帯で覆っているのだ。
「あー、あの女教師か、奴にはこの包帯の下に隠された、魔眼と左手の紋章を見せて洗脳しといた」
「そうですか」
何が魔眼と紋章だ。そんなもの少し前まではなかったじゃないか。包帯巻き出したの中ニの時じゃん。中二で厨二になるとか厨二のプロかよ。
と心の中で思った。
俺は基本心の中で思うのだ。
だが竜司は違う。
「なんだ、思ってることがあるなら口に出せ。思ってるだけでは伝わらないぞ!」
そう、厨二で陽気でよく喋るのだ。
声がでかい。その分こっちが恥ずかしくなる。
竜司が厨二で根暗ならもう少し生活しやすかったかも知れない。
根暗なら関わらないがな。
「修司は考え込む癖があるな。まぁ気に病むことはない、貴様の考えなど我にはお見通しだからな!」
「はいはい。凄いなお前は、早く教室に行こう」
適当に会話しながら教室に向かう。
教室に入ると殆どのクラスメイトが揃っていた、そして皆が同じ反応をした。
ざわめき、笑い、驚き笑った。
そう結局笑われてるのだ。
竜司は気にせず黒板に書かれた席に座った。
「窓際後方2列目かなかなかいい席ではないか。修司は我の後ろだぞ」
「そうだろうな、周りの反応は気にならないのか?」
「やはり、普通の人間には我の存在は耐え難いか。これでも力を抑えて居るのだがな」
全く気にしてなかった。いつも通り平常運転だった。
そこのお前、コッチを見ろ!話しかけてくれ!空気を変えてくれ!
そこの君!俺は違うからそんな目で見ないで!
こうして、気まずい空気を満喫した。竜司に話しかけても、いま風と会話してる少し待ってくれと言われた。
少し悲しい。
いつも話聞いてやってるのに。無視すんなよ。
さっきからチラチラこっち見てる女の子が、俺の事友達がお前しかいない悲しい奴みたいな目になってんじゃん。
チャイムがなった。救われた。開始のチャイムがこんなに嬉しいのは初めてかもしれない。
「私が皆さんのクラス担任のです。今日はこの後自己紹介、教科書配布、終礼で午前中で終わりです」
みんなが午前中終了と聞いて喜んでいる。
だが俺はそれどころではない。自己紹介だ、しかもインパクトのある竜司の後だ、嫌だ。
すごく嫌だ。
だが自己紹介は始まってしまった。
竜司の前4人の挨拶が終わる。
すまない緊張しすぎて名前覚えれなかった。
竜司の番だ。
「上中から来た神木竜司だ。我はこの通り呪われている、だが安心してほしい、何があってもこの封印を守り抜き、皆には危害を加えないと誓おう。また何か異質な物と出会ってしまった時は我を頼ってくれ。それと我の力に恐れて直接話せない奴もいるだろう、そんな時は後ろのコイツ修司に話しかけてくれ、修司は我の同志だ。よろしく頼む」
こうして長い竜司の挨拶が終わった。
教師はオロオロし、クラスメイトは唖然、ここまで拗らせているとは思わなかったのだろう。これでも抑えてる方だ。
「えっと、個性的な自己紹介でしたね。次の人お願いします。」
俺の番だ。竜司が俺の名前を言ったからする必要はないと思う。
てかしたくない。
「上中から来た神谷修司です、前の奴が言ったことは気にしないでください、僕はノーマルです。お願いだから忘れてください」
俺のクラスでの第一声はお願いから始まったのだった。
「修司は相変わらずシャイだな、もっとガツンといかないとダメだぞ」
お前には言われたくない。
お前のせいだ、ガツンと行き過ぎだ。
帰りたい。
その後、の事は思えてない。勝手に自己紹介は終わっていた、全く聞いてなかった、唯一覚えた名前が俺を可哀想な子を見る目で見てた女の子。木下さんだけだった。
別に可愛いから覚えたわけじゃないぞこれだけは言っておく。
続きます。
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