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異世界でダンジョンマスター始めます。  作者: お蕎麦屋さんのカレーうどん
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死霊魔法を覚えよう。

 死霊魔法ね。うん。死霊魔法。別に忘れた訳じゃないよ。うん。


「ああ、そうだね。うん。俺もそろそろそっちの練習しようと思ったんだ。」



『………では、死霊魔法について簡単な説明をします。』



 コアの声が若干呆れているように聞こえるのは気のせいだと思いたい。


「ああ、頼む」



『死霊魔法とは生物の死体を媒体にアンデットモンスターを生み出す魔法です。アンデットモンスターは主にゾンビ系、スケルトン系、ゴースト系の3つの種族があります。

 どの系統のモンスターが生み出されるかは基本的に素体となる生物によって左右され、素体がモンスターであったり、肉体的に頑強であればゾンビ系、肉体的に脆弱であればスケルトン系となりますが、強い怨みや意志があればゴースト系になることがあります。

 これは素体の種族や能力によっても左右されますのであくまでも目安ですが。』



「なるほど。ってことはゴブリンや大鬼はゾンビ系で兵士達はスケルトン系かな。」



『その可能性が高いかと。』


 まぁ、実際にやってみるか。とりあえず近くに転がっている死体に手をかざす。……………どうやれば死霊魔法は発動するんだ?石魔法と土魔法はもう何となく使い方がわかるが、他は………。



「あー、悪いが死霊魔法の使い方を教えてくれ。」



『はい。まずはゴブリン、または人間の兵士の死体に使用いたしますのでそちらの死体へ。』


 コアの指示に従いゴブリンと兵士の死体が集めた場所へいく。



「最初にゴブリンや兵士達に死霊魔法を使うのは何でだ?」



『マスターは死霊魔法に慣れていませんので失敗しても困らない物に使用するべきです。まずはゴブリンや兵士達に、次はそれ以外のモンスターや獣人達。大鬼や巨鬼、特にエルフは最後にするべきです。』



 大鬼とかは練習してからの方がいいってことか。まぁストーンウェポンの魔法を使った時みたいに変な風になったら困るし。



「んー、エルフを最後にする理由は?」



『エルフ族は高い魔力と知性を持って産まれる種族ですので産まれるモンスターにも期待が持てます。また、アンデットモンスターは放置するとより強いアンデットが発生する確立が上がると言われていますので質の高い死体は後にするべきかと。』



「納得っと。じゃあ始めるかな。」



『では、細かな調整は此方で担当しますので『死霊創造アンデットクリエイト』と唱えて死体に向け魔力を放って下さい。』



 魔法名を唱えるだけでいいのは楽だよな。


「死霊創造」


 俺の手から黒い煙が発生し、それがゴブリンの死体を包む。煙がゴブリンの口や目から中へと入っていくとびくびくとかゴブリンの体が跳ね回る。


なにこれ、エクソシスト。………しばらく跳ね回っていた死体が動きを止めるとゆっくりと起き上がる。



『成功のようです。ゴブリンはゴブリンゾンビに成りました』


 成功したのか。起き上がったゴブリンはその場を動かずあー、とかうー、とか唸っている。


「ステータスとかは見れないのか?」


 出来れば能力を知りたいのだが。ウインドウを開いてもステータスらしきものは見当たらない。


『基本的に見れるステータスは自分のものだけです。鑑定系のスキルの中に他人のステータスを覗けるものもあるとは聞いていますが。私の場合でも、ダンジョン内にいる人間やモンスター達の種族や大まかな強さは解りますがLVやスキル、ステータス等は把握できません。』


 なるほど。しかし、呼び出した者の強さがわからないのは結構怖いことだぞ。


「襲ってきたりはしないよな」


『大丈夫です。使役されるアンデットモンスターは創造者を『親』として認識し、その意思に従います。マスターを害することはありません。』


 ならいっか。とりあえず死霊創造を続けるとする。2、3回同じようにゴブリンに魔法を使うと同じゾンビモンスターが誕生した。



「代わり映えがしないし人間の方も試すかな?」


兵士の死体の元に向かい死霊魔法を発動。



「うわ、」


 俺の手から黒い煙が兵士の死体に入ると肉がドロドロと溶け落ちながら死体が立ち上がり一体のスケルトンモンスターが生まれる。


 死霊魔法って無駄にグロくないか?他の死体にも試したが同じようにスケルトンが生まれる。足下にあるグロい肉汁はどうにかしたい。生まれたスケルトンの回りにある死体が肉汁にまみれているのはちと嫌な感じ。


うん。死霊使い(ネクロマンサー)が嫌われる理由がよくわかるよ。こんなの従えていたらそりゃ嫌われる。


『なかなか良い感じです。このまま配下を増やせばダンジョン内にいるモンスターに対抗できるかもしれません。』


「ん、いま変なことを言わなかったか?」



『?変なことですか?』



「ああ。ダンジョン内のモンスターに対抗って。まだ俺はダンジョン内にモンスターを召喚してないだろ。それにダンジョン内のモンスターって俺の味方じゃないのか?」


『なるほど。勘違いされているようですがマスターの味方となるモンスターはマスターが召喚した魔物のみです。それ以外のモンスターは侵入者と変わりません。また、現状でこのダンジョンには1000を越えるモンスターが生息しておりマスターがダンジョン内を歩けば高い確率で殺されます。』



つまり、ダンジョンマスターなのにダンジョンに閉じ込められた?



「対処方とかある?」



『現在、ダンジョン内にはかつての元マスターの支配下にいた5000を越えるモンスター達が順次湧き出ていますが、ダンジョンのフロアが一つだけで有るため狭い場所ではモンスター同士の争いが始まっています。』


映し出されたモニターには大勢のモンスターが映っている。その足下で潰されているモンスター達の姿も。


「5000を越えるモンスターを受け入れるとかこのダンジョンじゃ無理あるよね」


『はい。湧き出た巨体のモンスターに潰されるモンスターも多々存在します。………湧き出たモンスターは侵入者であり、大勢の侵入者が死亡していることで大量のDPが入手できています。また、死亡したモンスターがダンジョンに吸収され多くの素材が入手されています。』


「………ありがたいことだね。………ありがたいことだけどさ、その状況をどうにかして死亡するモンスターを減らす手段はあるかな?」



『入手したDPを使いダンジョンのフロアを増やし、そちらにモンスターを湧き出るようにするかもしくはダンジョンを開放し、モンスターを外に出す。等の手段がありますがDPを容易に入手できる現状でそれをするメリットがありません。』



「メリットはなくて良いよ。とりあえずやって。購入するフロアとか湧き出るモンスターの調整とかも全部。好きにダンジョンを作って良いよ。」



『…………了解しました。ダンジョンを開放します。また、入手したDPを使用してフロアの購入をします。』



《ダンジョンの開放を確認しました。特殊条件【早期ダンジョン開放】【早期ダンジョン形成】【百鬼夜行】【四面楚歌】【蠱毒の檻】を満たしました。》


《達成者であるダンジョンマスターには【DP:10000P】が付与されます。【儀式魔法:眷属の召喚陣】が与えられました。【希少スキル:魔物の主】が付与されます。ダンジョン内施設【限定召喚陣:魔法生物】が開放されます。【儀式魔法:蠱毒の陣】が与えられました。》



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