表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界でダンジョンマスター始めます。  作者: お蕎麦屋さんのカレーうどん
4/8

ダンジョンでは死体は付き物だ。

 ダンジョン作成により造り出された俺のボス部屋を開くと沢山の死体が散乱しているクレーターの出来てるボロボロの部屋だった。


「…………とりあえず、説明ヨロシク」



『マスターに報告します。この部屋に存在する死体は前マスター、及びその部下達。そして前マスターを殺害した侵入者の物です。』


 わ~お!何でそんなものが残っているの!



「侵入者達ってその前マスターを倒した後にダンジョンから逃げなかったの?」



『侵入者達と前マスターはほぼ相討ちの形になりました。前マスターを倒した後にダンジョンから脱出できた侵入者はおりません。本来ならば前マスターの死亡により私と共にダンジョンが消滅するはずだったのですが私は消滅せず、私と共にマスタールーム内に残された遺体は保存されました。』



「このボロボロの部屋も当時のままなのかな?」



『はい。なお、この部屋にある武具と遺体は現マスターの所有物となります。』



「…………俺の物ね………」



 嬉しくない死体から追い剥ぎするとか向こうの世界では考え……あーでも、良さそうな武器とかあるし、戦国時代とかなら普通にやってたろうし、それに侵入者の死体とかをDPに出来るなら得なのか?

 

 でもグロいよ。死体がグロいよ。潰れたのとか千切れてるのとか普通に吐くから。ってか、



「うげあぇぇぇぇぇ~~~~~」




うん……………ちょっと吐いて落ち着いた。



「なぁ」



『なんでしょうか?』



「この死体って使い道があるのか?」



『はい。DPへの返還、召喚するモンスターの食糧、マスターの所有するスキル死霊魔法の材料。モンスターの死体からは更に素材の剥ぎ取りも可能です。とても有益な資源だと思いますが』



 完全に資源扱いだが、前マスターの死体もあるのに良いのか?それはそれとして死霊魔法か、あったな。そういうスキル。確認するか。



『死霊魔法』――死体を素材としてアンデットモンスターを生み出す魔法。死体の質と使用者の魔力により産み出されるモンスターの強さが異なる。



 アンデットか。最初の部下はゾンビとかになるのか。だけどゾンビって言うこと聞くのかな?それ以前に



「スキルの使い方が分からんのだが」



『お望みならば私がサポート致しますが』



「御願いする。それと素材の剥ぎ取りかたとかも教えて。」



『了解しました。ではまず、素材を剥ぎ取るための道具を侵入者の遺体より回収して下さい。』



 ああ、うん、追い剥ぎするんですね。死体相手に。覚悟はしましたよ!

 はぁ……なんか、普通に人の道を踏み外してるよな。魔人になってるから人間じゃ無いけど。



 侵入者の死体は20体あった。人間が12体、耳や尻尾の生えた獣人の者が6体、耳の長いエルフらしき者が2体。格好も10人くらいは同じ鎧の兵隊の物に2人は隊長格なのか少し立派な鎧の騎士。



 追い剥ぎしていて正直、女性はもったいないと思った。エルフの人と獣人の人に女の人がいたけど美人な人とか可愛らしい人とか装備品を剥ぎ取る時にドキドキしたよ。鎧の騎士さんも女性いたし。



 この人達は国の騎士団らしい。前マスターとの戦いの前に騎士団の人間だと名乗っていたとのこと。回収した武具も普通に質が高いらしい。コアに鑑定してもらったが2本程魔法剣が手に入るし、槍やら鎧やらにも特殊な効果の付いた物があった。それ以外にも回復薬や魔法道具が幾つか。


 いや、得したな本当に。死体から追い剥ぎしたという事実から目をそらせばだが。



『では、次に素材の剥ぎ取りについてですが。』



 剥ぎ取りか~正直、死体を切り刻むとか嫌だね。まぁ、やるけど。



『現在、このフロアにあるモンスターはゴブリンが40体、ハウンドが10体、巨鬼トロールが5体、大鬼オーガが2体、そして前マスターである大鬼オーガ亜種が1体です。この中で素材として価値が高いのは巨鬼の魔石と大鬼と大鬼亜種の鬼珠と角のみとなりますのでそれのみを剥ぎ取り、残りの遺体は死体の質を保つためにはそのまま利用することを提案します。』


 コアの提案はありがたい。死体の剥ぎ取りとかしたくなかったし。でも確認はするか。



「剥ぎ取りとかすると死霊魔法で生み出すモンスターが弱くなるってことかな?」



『はい。死体を切り刻むことにより生み出されるモンスターが弱体化される恐れがあります。価値の低い素材を得るために無理にリスクを上げる必要は無いかと』


 リスクか。正直、そんなものが本当にあるのか?


「それさ、前マスター達の死体を傷つけたくないってこと?」


『否定はしません。ですが死体を傷つける意味はありません。』



「確かに。じゃあ剥ぎ取りは角とその鬼珠ってやつだけにするかな。」



『…………では、まず角の剥ぎ取り方々から説明します』



 コアの声に従い、頭に生えた角は根元から抉りとり、胸にある鬼珠は周りの肉ごと無事に剥ぎ取れた。魔石を取るためには胸を開く必要がありこれは苦労した。短剣で胸を刺したり、手で肉を掻き分ける感触が何とも………


 取れた鬼珠は大鬼亜種のものは黒く、普通の大鬼のものは赤かった。やはり亜種とかになると特別なのかな?拳大で淡く光るそれは真珠のように見える。これの価値が高いのは納得だ。魔石は本当に宝石みたいだし。



「これはどんな使い道があるんだ?」


 魔石も鬼珠もキラキラと綺麗だが、ただ綺麗なだけなら必要性がないからな。



『鬼の角は武具の素材として使えます。また、DPに還元することも可能です。魔石や鬼珠も武具や魔法道具の素材として使えますが魔族であるマスターならば自らに取り込むことでステータスやスキルを得ることができます。』


鬼の角が武具の材料になるのは解るとしてだ。



「ステータスを上げることが出来るのか?」



『はい。制限がありますが魔石等のモンスターや魔族の生命の結晶と呼ぶべきアイテムには魔族であるマスターの力を上げる力があります。』



 ステータスアップのアイテム扱いなんだ。だけど魔石で魔族の力が増えるならこの世界の魔族は際限なく強くなるんじゃないか?ゴブリンを大量に殺せば魔石を集められるだろうし……あ、



「制限?」



『はい。魔石等のアイテムで上がるステータスはその魔石の元となったモンスターにより上限があります。魔石一つ一つで上昇する能力値は多くありませし、魔石の元となるモンスター以上の力を得ることは出来ません。力が100のモンスターから得た魔石を使用して力が100以上になることは出来ません。』




「弱いモンスターの魔石を集めても無意味ってことか。」



『はい。一般的に魔石で得られる力の上限はその魔石の元となるモンスターの6割程度です。使用した魔石がステータス100のモンスターの魔石の場合、使用した者のステータスが60~70以上にはなりません。』



「自分よりよほど強い相手の魔石でなければ意味がないということか。ゴブリン達を大量に倒して魔石を集めてもその6割程度の強さにしかなれないんじゃな。」


『はい。その通りですが安心して下さい。今回得た五つの魔石と鬼珠ならばマスターの力を上げることが可能です。』



 それって俺が弱いってことだよな。それともこの大鬼達が強いのか。

まぁいいや。そんなことよりもパワーアップに興味がある。



「これはどう使えばいいんだ?」


コアは簡潔に答えた。



『食べて下さい。』



「…………食べるのか、これを?」


 これってモンスターの肢体から取り出した物で物凄く汚いんだぞ。モンスターの肉片とかだって着いていたし。それに見た目が宝石だから固そうだ。食べたら口に刺さるぞこれ。



『安心して下さい。食べると言っても魔力的な意味で実際に食す訳ではありません。魔石や鬼珠の中にあるモンスターの魔力や生命力を吸収するという意味です。魔石や鬼珠を握り潰すつもりで強く掴んで下さい。』



 言われた通りにするか。魔石と鬼珠を掴み両手で握り潰すとグニャリ、と固かった魔石が手のなかで潰れる。


『スキル〈再生〉〈怪力〉を修得しました。体力値が上昇しました。腕力値が上昇しました。耐久力が上昇しました。』



「おお!」



 あっさりと手の内で握り潰れた魔石が俺の体の中に溶け込んでじんわりと体が暖かくなる。吸収ってこんな感じなんだ。

 

 劇的なものを創造していたので少し拍子抜けだがちゃんとステータスが上昇した上にスキルも増えた。



『次は魔法の説明になりますがよろしいでしょうか?』



「ああ、頼む」


 『魔法』ファンタジーの定番であるそれに対して俺は胸を高鳴らせた。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ