プロローグ
かなり書くの遅いけど書き続けること出来たらいいな~。
―――俺やクラスメイト達を含めた学校の生徒達が召喚されたのは文化祭の前日、文化祭の準備の為に夜遅くまで居残りをしていた時だった。
一瞬で世界が光に包まれた。目がー目がーとリアクションをとったが周りが俺の相手をしてくれなかった。一人芝居って寂しいよね。
リアクションを止めて目を開いて辺りに視線を巡らすと生徒達がざわざわと騒ぎ立てていた。
ここはどこだ―――何故こんなところに―――誰か説明しろ―――帰せよ―――
『聞け、世界の狭間に落ちた人間ども』
脳内に声が響いた。念話とかテレパシーってやつかな。電波とか始めて受信したよ♪
高圧的でこちらを見下すような響きのある威圧的な声。支配者の命令。絶対に神とか天使とかで自分は偉いとか思っているよな。
その声はこの場の者達全てに届きざわめきを収めた。
『お前達は召喚されることになった』
召喚?さっきもだが聞いたことのない言葉で話されているのに不思議とその言葉と意味が理解できた。ほにゃららら~で言葉が通じるのはすごいよな~
しっかし、召喚か~やべぇ、ガチで嬉しいんだけど。
『ここではない別の世界で世界間召喚が行われ、それによりお前達は異世界へと渡ることになった』
「ふざけるな!俺達を元の世界に返せ!」「異世界なんざ行きたかねえよ!!」「そうだ!何で俺達が異世界なんかに行かなきゃならないんだよ!」
生徒の一人が怒鳴り声をあげ、それを皮切りに次々と生徒達が声を上げる。
『黙れ。文句は召喚を行った奴に言え。本来ならばお前達がどうなろうと俺の知ったことではないのだ』
その冷たい声に生徒達は息をのむ。うんうん♪考えると小説とかでは何で、神様とかがわざわざ人間のことを気にするんだろう?こういうどうでも良さそうな対応の方が納得だね♪
しかし静かになったな。やっぱ怖いのかね?普通は優しい女神様とかが優しく労るものだと思うけどこれだもんな。
『これからお前達が行く世界はこちらのように平和ではない。魔法や魔物というものが存在し、人間、獣人、魔人、エルフ、ドワーフ等の様々な異種族で戦争が行われている』
魔法や魔物、異種族での戦争。生徒達の間で不安が広がる。リアルファンタジーか。興味津々だ。
『安心しろ。お前達の大半は世界間召喚の影響で力を得る。彼方で『勇者』と呼ばれる者に与えられる力をな。』
その言葉に一部の生徒達が安堵する。この声の主は冷たいが嘘をついているようには思えない。
イヤイヤ『勇者』とかどう考えても厄介ごとに捲き込まれるよね。
それに大半はということは一部の生徒は力を得られないのだろうか?今の状態で魔物とかと戦うことになったら瞬殺されるよね。
『だが、お前達全員が向こうに勇者として召喚される訳ではない』
勇者とし召喚されない……ならこちらの世界に残れるのか。その事に気づいた生徒達が希望をもつ。
えー、俺としては異世界とか行ってみたいんだけど。この世界にある未練なんて好きなマンガやアニメの続きが気になるくらいだし。
『お前達の一部は人ではなく魔物、魔人と呼ばれる存在として転生する。』
衝撃が走る。魔物や魔人として転生。人ではなくなるのか……魔物転生とかワクワクするぞ。スライムとかゴブリンの弱々モンスターに転生しつつ最強のモンスターに成り上がるとか。
「ふざけるな!何で……」
『お前達全員が勇者として召喚されれば彼方の世界でのバランスが崩れるからだ。勇者とは光の神の加護を得る存在。相対する闇の神の力が減少することになりかねない。だからこそ、魔物や魔人として闇の神の加護を受けて転生するものが必要となる』
そういえば明らかに勇者召喚って人間を贔屓しているよな。魔族が『悪』とも限らんのに勇者と人間が『善』っておかしい。一方的に片方に味方する神様とかはおかしいだろう。
「そんな………」
『お前達には勇者として人々に希望を与える者と魔物や魔族として人々に絶望を与える者になることを期待している』
淡々と語る声が恐ろしいね♪俺的には魔族かな~。まぁ、龍人とかエルフとかにもなれるならそっちになりたいけど。
『安心しろ。多少の選択肢は与えてやる。人として召喚されるか魔物、魔人として転生するかを選べ。ただし、定員がある。先着順だ。好きな方を選べ。』
俺達全員の前にパソコンのウインドウに似た半透明な板が浮かぶ。
板には選択肢が表示されている。
①人として召喚される。召喚者の前。
②人として召喚される。世界のどこかにランダム転移。
③魔物として転生する。種族はランダム。
④魔人として転生する。魔王の配下である七種族のいずれか。
⑤魔人として転生する。世界のどこかで誕生。種族はランダム。
⑥死ね。あちらの世界で適当に転生しろ。
どれにするかな?
①は絶対に厄介事に捲き込まれるけど当面の生活は保証されるはずだよな。奴隷とか兵器扱いされる可能性も高いけど。
②はランダムってのが恐いな。いきなりモンスターに襲われたら死ぬし。それに砂漠とか火山、雪山、海の中とかに飛んだら普通に死ぬし。
③は産まれ代わる種族次第か。んーでも産まれ代わる種族で食事とかで苦労しそうだよな。鼠とかゴキブリを食べるようなモンスターに産まれ代わることになったら洒落にならないか。でも興味深いんだよな~。
選択肢を見て考えているとあっという間に①②の選択肢が無くなり周りにいた生徒達が消えて行く。あらら、選択を済ますと消えるのか。うわ~周りと相談していた奴等が騒いでるよ。
定員があるって言ってたし。まぁ、魔物とかに転生したくはないか普通は。彼らはどうするのかね?30~40人くらいはまだ残っている訳だし。
俺としては人間の選択肢が無くなるのは歓迎だけど。④⑤の魔人ってのも気になるな♪
うん、決めた。
選択を済ませた生徒達が消えて行く中で………俺は⑤を選択した。
『⑤番の選択を確認。魔人として転生します。………『闇神アンガス』の加護を得ました。我々は新しき魔人の誕生を祝福します。』
眩い光に包まれて俺はこの場所から消えた………
この日、地球から百人を越える高校生が八人の教師と共に姿を消した。