表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/1

プロローグ 20年後

 寒い。


今日は10月だというのに、12月並みの寒さだという。


暖かい我が家まで、まだ20分ほど歩かなくてはいけない。



 

 コンビニで、何か暖かいものでも買おうか。

そうだ、おでんにしよう。私も妻も息子も、みんな味の染みた大根が好きだから。



コンビニならこの町に点在している。

ほら、あそこにもあった。









 コンビニに入ろうとしたとき、何かに呼び止められた気がした。

後ろを向いても、誰もいない。


人ではない、生き物ではない。




 音だ。小さいころ毎日聞いたラッパの音。

音のするほうを見れば、コンビニの建つ道路の反対側を、豆腐の引き売りがのろのろと歩いている。


ラッパの音が、引き売りの足の動きが、幼い頃の、豆腐売りとの思い出を蘇えらせる。


かなり色褪せて、細かいところはあいまいになっているが、

私の体を引き止めるには十分な力があった。



 どうして今まで忘れていたんだろう。

豆腐売りの思い出は、終わりがとても、哀しくて哀しくて、

昔は忘れたくても忘れられなかったのに……




 記憶の中の豆腐売り……今、思い出せるだろうか。

当時は幼すぎて、何も理解できなかった。


 





 今なら、全て分かるかもしれない。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ