70とにかく頼んでみるしかない
私は転移して部屋に戻るとイリが待っていた。
「フレイシア様どちらに?」
むっとしたイリの顔。
「ごめんイリ。ちょっとエバン様の所に。プリンを届けて来たのよ。そうだ。みんなは?プリンが出来たからみんなで食べようと思ってたの。ミルクココアもすぐに用意するわよ」
あれ?イリうれしそうな顔しない。うわぁ、そんなにおこらせたのかな。
「ごめんなさい。イリ、心配かけた事謝るから‥」
「いえ、違うんです。怒ってなんかいません。まあ、ちょっと心配しましたけど‥それよりエバン様の処刑が議会で決まったって聞いて」
「処刑?それってどういう事?エバン様はニルス国の正式な‥」
イリがしまったって顔をした。
「イリ、いいから教えて。どうせすぐに情報は漏れるのよ。だったらあなたから聞きたい!大丈夫だから、取り乱したりしないって誓うわ」
私はイリを安心させるように。
「仕方がありません。私が口を滑らせたんですから…ニルス国から来た書簡は効果がなかったようです。王妃がそんな事は関係ないって。クリス殿下を襲ったから、だからラヴァード様は二人がニルス国で婚約しているって言ったんですが、それも無視されて」
「ニルス国で婚約?‥ああ、確かにそんな事もあったわ」
「それだけじゃないんです。議会に集まった貴族たちの様子がおかしかったらしくて皆が同じ言葉を繰り返していたと」
「まさか、王妃は貴族たちを洗脳させて操っていたって事?それじゃエバン様はどうなるの?」
「落ち着いて下さい。メイズ辺境伯が取りあえず処刑は延期するようにしたので今すぐは心配ありませんから」
「でも、いつかは処刑されるって事でしょう?私、王妃にあって来る。あの人がエバン様を解放するって言えばみんな言うことを聞くって事よね?」
「でも、そんな無茶は行けません。今、ラヴァード様を呼んできますから」
「‥そうね。じゃあ、お兄様を呼んで来て!」
これじゃエバン様を助けれない。どうすれば‥私の脳内は失望で真っ白になる。
「フレイシア様、絶対に無茶はしないって約束してもらえます?ここでじっと待っていると?」
「ええ、約束するから」
ラヴァード兄様なら何とかしてくれる。だって兄様は王にもなれる人だし。そうよ。大丈夫。きっと。
イリはすぐにラヴァード兄様に知らせに行った。
そしてラヴァード兄様からそれが事実だと聞かされた。
今は無茶はするなと言われた。
そんな。そんなの待ってられない!!
私は怒りに任せて部屋を出て王妃に会いに行こうとしたが止められる。
が、途中で考えが変わった。
クリス殿下に頼んだらどうだろう?ふとそんな考えが。
エバン様の命がかかっているんだから。
クリス殿下は自室で静養していると聞いていた。
私はラヴァード兄様にお願いする。
「エバンを助けるためにはクリス殿下を頼るしかありません」
「フレイシア待て。俺たちが何とかするから」
「でも、王妃の考えが変わったら?エバン様の命がかかっているのです。今できることはクリス殿下を頼る事くらいしか思いつきません。それとも私がエバン様を連れて他国にでも逃げますか?」
「それこそ無謀だ」
「では、私の思うようにさせて下さい。何もせずにエバン様を殺されては私は後悔してもしきれません!」
「‥‥とにかく一刻も早く天狼の尻尾を掴む。それまでの辛抱だ。フレイシアくれぐれも無理はするな。クリスの言いなりになんかならなくていいからな」
「ええ、わかっています。兄様。取りあえずクリス殿下の機嫌を取ってエバン様を助けるように頼んでみます」
「ああ、でも無理はするな」
「はい」
私が何とかしなくちゃ‥




