51ここはどこ?
気が付くと私の身体は横になっていた。
真っ暗で何も見えないし手首と足首を縛られていて身体は自由にならなかった。
身体を動かすとギシッと音がした。ベッドの上にいるのかも下手に動くと危険かもしれない。
何だかかび臭い匂いと埃っぽい感触。
わたし‥それにしてもここはどこなんだろう?
冷汗が出て思考がまとまらない。
聖教会の部屋から連れ出されたことを思い出す。
ああ、誰かが私を攫ったって事?
私、殺されるのかな?
どうして?必死でみんなの為にって頑張って来たのにそんなの!
そうだ。キアがどこ?
(キア?聞こえる?)
(フレイシア?良かった。やっと気が付いたのね。もう、私ひやひやしてたのよ)
(ごめん。でも、ここは真っ暗で何も見えないの。私がどこにいるかわかる?)
(ちょっと待って)
そう言うとキアが姿を現した。
光を纏ったキラキラした女の子が。おかげで周りが見える。
(もう、キアったらいつ見ても可愛い)
(ありがとう。これで明るくなるはずよ)
キアの手の平から光の玉が現れて一つ、また一つと空中に浮かぶ。
あっという間に空間にいくつもの光の玉が浮かんで部屋の中がはっきり見えるようになった。
(凄い‥ってここはどこなんだろう?)
(ごめんねフレイシア。私も貴族の名前とかよくわからないから‥でも、聖教会の近くの貴族の屋敷に入ったのは間違いないわ。屋敷と言っても別邸って感じだったと思う。そしてここは多分使用人部屋。もう、何年も使われてないみたいだけど)
(そう、でもそれだけ分かればきっと‥そう言えばラヴァード副隊長は捕まらなかったはずだわ。キア、ラヴァード副隊長と話が出来る?)
(多分。コンタクトを取るのは誰でも出来るの。ただ、それを受け取れるかは相手の心が良心的な人じゃないと‥)
(あっ‥でも、エバン様と一緒に私に会いに来てくれたんだから‥ううん、きっと彼はいい人に決まっている。そうでなかったら魔物討伐なんかするはずがないわよ)
(そうね。じゃあ、行って来る。フレイシアはここで静かにしててね。今は夜中だからここに連れて来た奴らも動かないと思うから)
(うん、でも、急いで欲しいって言って。それにエバン様も心配だし)
(もう、フレイシアあなたの方が心配よ。まったくあなたっていつも人を優先するんだから!でも、好きよそんなあなたが。もう少しの我慢だから待ってて)
(うん、キアありがとう)
キアは光の粒子になって消えた。
私はキアを送り出すと光で見えるようになった部屋の中を見渡した。
キアが言ったようにきっと使用人が使うための部屋らしい。
大きさはベッドに小さなテーブルとイスを置くと人が一人寝れるくらいのスペースしかないほどの広さだ。
見えるようになると家具や床には埃がたくさんあった。かび臭いのは地かなので湿気のせいだろう。
縛られて自由が利かないせいでひどく恐怖が募る。
朝までに助が来なかったら‥
私、ほんとに殺されるのかな?
あっ!、キアーナ様から貰った杖がない。あれは肌身離さず持っていて‥でも、エバン様にもらった髪飾りを見ようとしてベッドに置いたままだったかしら?
あれを取られていたら。もしかして悪いことに使われるかも。どうしよう。
とにかく、早くキア帰って来て。
私は何度も心の中でそう願った。




