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枯渇聖女は婚約破棄され結婚絶対無理ランキング1位の辺境伯に言い寄られる  作者: はるくうきなこ


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40/46

40忙しいフレイシア


 クリス殿下に本当のことを暴露したその日、帝都の聖教会に異変が起きた。

 帝都の聖教会は大陸で一番の大聖堂を誇っていて、もちろんここが竜神とキアーナ様が降臨したとされるそれはもう有難い場所だと聞かされた。

 聖教会の壁面には竜神様の彫像が祀られ、祭壇には金色の竜神様の竜鱗の一片が入っていると言う竜水晶と言われる大きな水晶玉があった。

 最初にこれを見せられマクリート大神官が自慢げに話を聞かせてくれた。が。

 よく見ると水晶の中心に金色のキラキラした物体が?これは‥水晶が出来上がるときの自然に出来たもの‥?

 あっ、余計な事は黙っておくほうがいい。

 私はきゅっと唇を閉じた事を思い出す。


 その日、フレイシアも一緒に信者たちと祈りを捧げていると天井から眩い光が差し込んで来たらしい。


 【我は竜神レオン。我が分身ともいえる人間たち良く聞くがいい。我がこの地に降り立った時からキアラルダ帝国のみならずこの大陸全土に竜神と月の女神の加護を授けていたが、人間は己の欲に溺れこのような醜い醜態に陥った。だが、我は再び大陸全土に竜神と月の女神の加護を授ける事とする。人間よ、よく覚えておけ。加護だけに頼るべからず人の力を合わせ助け合って行かねば加護も薄れると理解すべし‥】


 そう告げられると天井から金銀の光が降り注いだ。

 そしてその光が収束すると竜水晶の中で金色と銀色の結晶が舞っていた。まるで幻想的な世界がその中に閉じ込められたようで美しく神々しくもあった。

 みんなが圧巻としている頃。


 えっ、私の手には30センチ程の杖が‥

 これは!なに?

 杖の先には3センチくらいの水晶球がある。色は竜神の水晶と同じ金色と銀色の結晶が混ざり合って水晶球の中で舞っている。

 突然声が聞こえた。

 【フレイシア、あなたにはその杖をプレゼントするわ。もう、レオンったら大陸すべてに加護を送るって聞かないの。でも、あまり守られ過ぎると人間は堕落しちゃうでしょう?だから、ほどほどにって事で。その杖はミニ竜神水晶と思っていいわ。大抵のことはその杖があれば出来ちゃうからあなたは安心して治癒や浄化、土地の再生。何でも出来るから。でも、使えるのは月の精霊の加護を受けた聖女のみだからねぇ~。じゃあ、よろしく~】

 (キアーナ様?ちょっと待って。私にそんな事言われても困ります~)

 【‥‥‥】

 (キアーナ様~返事して下さいよ。もう、いつだって一方通行なんだから!まあ、出来ることはするつもりですけど。けどですよ~)

 ほんとに勝手な神様だ。

 【フレイシアとか言ったな。この度はすまん。最大限の詫びはしたつもりだ。この先の事はよろしく頼む。だが、力はいつまでもとは限らん。それだけは忘れるでないぞ。では‥】

 (あっ、あなたは竜神様?もう、ふたりとも勝手ですよ~。こんなの私一人でやれって本気です?)

 【‥‥‥】

 (もう!二人して勝手すぎます~!!)

 この会話は、他の人には聞こえていなかったみたい。私だけがあたふたと騒いでいて歓喜にわく人たちから白い目で見られた。

 なんでよ~!


 (フレイシアごめんね。でも二人もすごく反省してるの。それにあなたには私が付いているから、杖の使い方とか何でも聞いて)

 (まあ、キアがそう言うなら安心だね。もう、どうしようかって思ちゃったよ)

 (ごめんね)

 (ううん、そばにいてくれてありがとう)

 (わたしこそありがとう)

 何だかやっと心が落ち着いた。


 *~*~*


 それから異変はすぐに起きた。

 あちこちの枯れ果てていた土地が蘇ったのだ。作物は枯れ果てた大地から新たな芽が芽吹き新しい命が蘇った。

 干からびていた土地に水脈が蘇った。

 人々は歓喜して生きる気力を取り戻したらしくあちこちの領地で起こっていた暴動や略奪なども収まり街や村は平穏を取り戻して行っているらしい。

 後は疫病を何とかしなくてはならないとマクリート大神官が教えてくれた。


 (キア、竜神様ってすごいんだね。だったら疫病も何とかしてくれれば良かったのに) 

 私は竜神様の力がすごいと思いながらも不平を漏らす。

 (まあ、あれでも精いっぱいお詫びしたと思うわ。キアーナ様相当怒ってたから‥でも、きっと竜神様もみんなが生きる気力を取り戻すことが一番だって思ったんじゃないかな?大事なのは気持ち。なんてね)

 (まあ、確かにそうかも‥気持ちかぁ‥)

 なぜか胸の奥で急にエバン様の顔が浮かんだ。

 辺境に送られる馬車の中で、辺境で誤解が解けて、彼はどんな形であれいつも私を気にかけてくれた。

 ううん、あんな人もう関係ないから!さあ、仕事仕事!

 (そうかもね)

 (うん、応援してるよ)


 それからの私はものすごく忙しかった。

 とにかく帝都の診療所を回って疫病患者の治癒にあたった。

 朝早くから日の暮れるまで。夜には貴族の屋敷に出向いて貴族の罹患患者の治癒に出向いたり。

 今までみたいに手の平をかざすなんてことはしなくて良くなった。苦しんでいる人たちをまとめて治癒できるようになった。

 杖に祈りを込めて杖を振ると部屋中が光で包まれ疫病患者の治癒が完結する。だからと言って疫病患者の数は多いのでかなりきつい。

 これ1人1人だったらきっと死んでる。


 はぁ、正直疲れる。身体が辛いなぁ。

 でも、苦しんでいる人を放ってはおけないよぉ。

 (がんばってフレイシア。少し休んだ方がいいよ)

 キアはそう言うと私にキラキラ光る光を振りまいてくれる。すると気だるい身体がしゃんとして気持ちまで前向きになれた。

 (キア、ありがとう。私も頑張るから)



 







 

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