表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
枯渇聖女は婚約破棄され結婚絶対無理ランキング1位の辺境伯に言い寄られる  作者: はるくうきなこ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

22/49

22どこまでも腹の立つラヴァード


 エバンが出かけた後で騎士の一人が体調不良になり急きょ私が見回りに同行する事になった。いいよね。だってラヴァード副隊長が一緒なんだし‥

 彼と会うのはあの怪我を治して以来初めてだ。

 「ラヴァード副隊長、今日はよろしくお願いします」

 毛嫌いしているであろう副隊長にあえて挨拶をする。彼は苦虫をかみつぶしたような顔で会釈をする。

 「ああ、ったく、お前のようなものを同行させるなんて俺もどうかしている。だが、あの時は世話になった。一応例は言っておく」

 以外。こんなお礼も言えるんだ。

 「いえ、大事に至らず良かったです」

 「だが、これからは二度と俺に構うな!俺は知っていると思うがキアラルダ人だから魔法が使える。だから怪我も自分で治癒することが出来たんだ。なのにお前はそんな事を知らなくて慌てて俺の治療をしたんだろうが不要な事だった」


 上から目線の偉そうな物言い。人目もはばかることなく。悪かったわね。

 ブチブチ!!

 「まあ、そうとは知らずに余計な事をしました。もう二度とあなたに手は貸しませんのでご安心を。副隊長!」

 「ああ、やっと忠告出来て良かった。それからお前は少し隊長と距離を置いた方がいい。他の騎士の影響も少しは考えろ。今はいつ戦争になってもおかしくない状況なんだ。バカップルを見せつけられている騎士の身にもなって見ろ。迷惑だろ!」

 辛辣な物言いでそう言うとすっと顔を反らされた。

 「では、隊長にもそうお伝えください。私一人ではどうしようも出来ない事もありますので」

 「すでに忠告してある」



 それ以上の会話は続かなかった。

 そのまま見回りを終えるころだった。

 魔物が3頭現れる。

 「うごぉぉぉぉ~。ぐがぁぁぁ~。はあ”ぅぉぉぉ~」

 どれも熊ほどの大きさで大きな牙と爪を持っている。

 騎士隊員は6名ほど。ラヴァードが先陣を切って真ん中の魔物に飛び掛かる。


 他の騎士も後に続き二手に分かれてすぐ横の魔物に切りかかった。

 「おりゃぁぁぁ~」

 「ぶしゅっ!ばすっ!」ラヴァードの剣が魔物めがけて振り下ろされる。剣が魔力を帯びて赤色の光が魔物の腹を切り裂いていく。

 「怯むな。いいか、魔物に背を向けるんじゃない。剣先を突きつけて大きく振り払え!」ラヴァードが指示を飛ばす。騎士がそれに従い剣を魔物に振り被る。

 一瞬魔物が下がった隙をついてラヴァードが横から剣を薙ぎ払う。剣が赤い光を帯びて魔力が魔物に押し込まれて行くみたいだ。

 「ざびゅ!ずさっ!」鈍い音に続いて魔物の血しぶきが上がり魔物が倒れる。

 「フレイシア魔法を!」

 私は向かって魔物にハッとして手をかざす。

 荷馬車で魔物を倒した時のように一心に魔力を手の平に込めると迫る魔物に向かって手のひらを押し出した。

 光の帯が魔物を捕らえると縛り上げるように魔物に絡みつく。

 「う”ぎゃぁぁぁぁぁ~」断末魔のような声を上げて魔物が倒れる。



 3頭の魔物は見事に倒れた。

 いきなりラヴァード副隊長が近寄って来る。

 「良くやった。おい、お前の魔力は俺の魔力と同じ気がする。お前もキアラルダ人だろう?」

 「はい、母がキアラルダ人です」

 そうは言ったが私の魔力は月の加護なのだが。

 「やっぱりそうか。傷を治した時気づいた」

 「でも、私の魔力は月の‥いえ、あの、キアラルダ人ってみんな魔法が使えるんです?」

 「いや、多分貴族くらいの身分の者が魔力を持っているはずだ。ということはお前も貴族か?」

 「とんでもありません。母は平民の出身でしたから」

 「そうか。まあ、元貴族かもしれんからな。まあ、ここでそんな事は関係ないからな。実力があれば出世する。まっ、お前は女の武器を使ったんだろうがそれでも同じ同郷と分かったんだ。お前を騎士団で働かせてやろう。何しろお前の魔力は威力がでかいから即戦力で使えそうだしな」

 ということはラヴァード副隊長も貴族出身なの?幼い時に捨てられ孤児をたり元は盗賊集団に入っていたと聞いたけど。


 「なんだ?俺が貴族かもって思ったのか」

 ギクッ。

 「はっ、俺が貴族のはずがないだろう。平民の中にもたまに魔力を持っているものが生まれるんだ。俺は強くならなきゃ生きていけなかった。だから魔力が強くなっただけだ。ったく。すぐ余計な勘繰りを‥だから女は」

 「すみません」


 チッ。と舌打ちが聞こえたと思ったらラヴァードが手を差し出して来た。

 「ほら」

 「はい?」

 なに?握手しろって事?こんな最低な奴と?でも、これを拒否したらさらに最低な態度を取られる可能性大きいよね。

 私は仕方なく手を差し出し彼の手の上に乗せる。

 「プッ!お手か」

 彼はすかさず今度は片方の手で頭をポンポンと撫ぜられて「これでどっちが上かわかったな」と言って笑った。

 なによそれ?失礼な。腹立つ!!

 まあ、あなたは副隊長様ですからわかってますけど!

 銀色の髪。緋色の瞳。同じ色の私達。同じキアラルダ人。なのに何だか嫌だった。

 それに副隊長、あなたと私の魔法そもそも色違いますけど!!同じじゃないし。

 だが、笑うと意外とかわいい顔になるとも思った。ちょっと意外。







評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ