砕身

入谷狛狼《イリヤ・コバロウ》は,小さな道場の気球界と呼ばれる武術協会から派生する一支部
で空象道を学んでいた。

簡単に分かりやすく空象道とは何かを説明すると,体の動きで生まれる風圧や力のベクトルを
制御して,本来なら出し得ない力を単純に攻撃を受け流しつつ自分の力を加えて返すだけの武術
じゃ辿り着けない力を発揮する武術だ。

狛狼は直立不動で相手の攻撃を受けて,力の散逸を最小限に抑える練習を繰り返す,初めはうまく制御できず何度も倒れるが,少しずつ攻撃を吸収して返す感覚を掴んでいく。

道場では仲間や先輩と組手を重ね,勝敗は筋力や体格ではなく,力の伝え方と反応の精度で決まる,始まりの前提,化勁の習得には遠く及ばない。

だがしかし狛狼は,日々の稽古で体と感覚を鍛え続け,道場の片隅で,彼の身体は静かに,しかし確実に力を伝える術を身に刻みつけていく。

※スターシステム的にアストラリティグマと繋がりを持ちますが実際には別世界の話しでありユニバース形式最後,つまり喧嘩/格闘系の私の全作品の総集結一段。

名前とかは出ると思いますが崩壊前のやつらの
登場は許して。