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少年のマーリン  作者: 相澤カナデ
幕間

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71/72

それぞれのー1



 広々とした荘厳なる間にて、長方形の卓に相対する十二人の魔術師。

 そして同じ卓に着き、奥の席に腰をおろす国王ゼノ・エルドラ。

 計十三人。自身以外の各隊長の業務連絡が終わり、魔導教団エルドラの最高戦力が集う会議の場にて、この場にいる者全員に渡した報告書を手に取りながら説明するは十二番隊隊長アッシュ・クロフォード。


「え、マーリン様来てるの!?」


 席を立っていたアッシュの説明を遮り、興奮した様子で立ち上がったのは七番隊隊長ナナ・カルマ。桃色のおさげ、幼い顔立ちに低い背丈。場に似つかわしくないように思える彼女の齢はアッシュよりも上である。


「ええ。紙に記載されている通り、彼はエルドラに来ています」


 ヒバナを通して、彼が自身の情報を伏せたのは教団と関わりたくないからだと知っていたアッシュ。いまここで彼のことを公にするのは恩を仇で返すようなものだと苦い気持ちになる。だが、森での戦闘、現地にいた教団員への説明、オリヴィエの保護。全てが彼なくしては説明がつかない。

 何か一つでも個人の情報を隠したかったアッシュだが、それは今後の為にならないことも知っている。人死にが出ている今、求められているのは精密な情報のみ。

 すまない、マーリン。

 内心で謝罪をするアッシュの表情と対比してるかのように、興奮が冷めないのか、嬉しそうにはしゃぐナナ。


「え? どこにいるの? 教えて教えて! ていうか、アラディアで待ってれば会えるじゃん! 信じらんなーい!」


「いい加減にしろ、ババア」


「あ?」


 笑顔から、無表情に。豹変したナナが視線を向けるは四番隊隊長レオ・アルトラ。

 銀に統一された髪、首飾り、腕輪、指輪。

 金色の瞳で、彼はナナ・カルマを睨む。


「話が進まねえ、座れ」


「それはごめん」


 素直に謝り、座るナナ。


「でも後で殺すから」


 しんと静まり返った場で「はっ」と鼻で笑うレオ。


「できもしねえことを。歳を食いすぎて自分の実力も分からなくなったか?」


「貴方程度、力を測るまでもないの。折角の名前が台無しね、レオ。もっとキャンキャン吠えてれば? ばうわう」


「テメェ」


「少し静かにしてくれ」


 短い金髪に青い瞳と端正な顔立ち。そして透き通る声でそう発したのは国王の息子であり、エルドラ魔導教団一番隊隊長クリス・エルドラ。


「いまは仲間内で争ってる場合じゃないだろ二人とも。ほら、ごめんなさいして、レオもナナも」


「……」


「……」


「まったく」


 無反応な二人に対し呆れたようにため息をこぼすクリス。


「アッシュ隊長」


 十番隊隊長アイザック・ギガンテスが手を挙げる。刈り上げられた黒の短髪、ブラウンの丸眼鏡、服の上からでも分かるほどの屈強な肉体。彼は真面目な面持ちでアッシュの目を真っ直ぐに見る。


「この取り逃した二人の、その後の行方は?」


「掴めていません。現在捜索中です」


「……そうか」


 僅かに下を向くアイザック。その顔からは悔しさや怒りが見てとれる。副隊長を殺されたのだ、当然の反応だろうとアッシュは気持ちを慮る。


「判っているのは顔と名前、あと目的か」


 三番隊隊長ロイド・アルドールが手に取っていた報告書を手前に置く。青みがかった髪、虚ろな目。表情の動きが少ない彼に向けてアッシュは口を開く。


「はい。飛竜や馬車を使われないよう各所に情報は共有させ、調査班にも情報は回しています」


「若いのに手が回る」


 それだけ言ってロイドは口を閉じる。

 もしかしたら褒めてくれたのだろうかとアッシュが考えていると「オリヴィエはいまどこに?」とアイザックが質問をする。



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