表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
少年のマーリン  作者: 相澤カナデ
第5話 少年と過去

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

66/66

5ー9



「わ、私はカナメって言います」


 声は震えていないだろうか。緊張を隠せているだろうか。何かあった時に直ぐ対応できるよう、警戒するカナメ。

 

「カナメね。キャメロットでは見なかった顔だけど、マーリンとどういう関係?」


 そんなカナメの気持ちを知ってか知らずか、淡々とした声で話を進めるリア。


「私とマーリンは」


 身構えていることが悟られないよう、適当でもいいから相槌を打てばいい。


「私と、マーリンは…………」


 頭ではそう分かっていても、返事が上手にできないカナメ。気まずい空気が流れる前に、少年が口を開く。


「相棒だ。俺には勿体ないほど出来の良い、な」


「……へえ?」


 リアが不思議そうな表情でマーリンに目を向けてから、カナメをじっと見る。値踏みしているのか、何か疑いを持っているのか、俯いたままのカナメにはリアの真意が読めない。


「いきなり何? いままで部下を持ったことなんてないのに」


「必要なかったからな、全て俺一人で事足りてた」


「いちいち憎たらしいな。けど、事実か」


「それとリア、部下とは少し違う。カナメとは対等な関係のつもりだ」


「対等?」


 マーリンの言葉を聞いて馬鹿にしたように吐き捨てるリア。口元に手をあてる仕種は笑みを隠しているように見えた。


「あんたと対等な人間なんているの? ははっ……ーー笑わせないで、化物。分かり合える人間なんて誰一人としていない癖に。だから殺せたんでしょ」


「…………」


 カナメが顔をあげる。

 口を噤む少年の顔を見てーー初めて見たその表情で、カナメはリアに敵意を向ける。


「あの」


「……びっくりした。急に声あげないでよ」


「決めつけないでください、分かり合えないなんて」


「はい?」


「それと化物じゃないです、マーリンはマーリンです」


「…………な、る、ほ、ど。確かに出来の良い」


 マーリンを横目で見るリア。


「詳しいんだ? マーリンのこと」


「それ、は」


「別に貴女と口喧嘩するつもりはない。でも忠告はしておく。もしマーリンが元の姿に戻れたら、貴女、()()()だよ?」


 沈黙が訪れる。

 カナメを黙らせるには充分なほどの、核心を突いた言葉。

 それはここ数日間ずっと、カナメの頭の片隅にあったどうしようもない不安で、考えたくもない未来のことだった。


「都合良いように使われてるだけ、って、まあいいや、貴女が決めることだし。誰かに仕えることを私は否定はしたくないから。ーー最後に。聞いておきたいことがあるの、マーリン」



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ