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第十章 暴走族〈江熊〉 第三話

ルールが俺の頭を撫でてきた。

その手の温もりは、全く感じなかった。

ルールも元・人間の生き物だというのに、

その体からは命の温もりも、重さも感じ取れなかった。

まるで、大きな鉄の人形に頭を撫でられる感覚に近かった。

少し動揺する俺に、ルールは言葉を続ける。


「君からも…悲しい雰囲気を感じるにゃ。

もしかして、大事なものを奪われ壊されたのかにゃ?」

「…まぁ、だいたい正解ですよ。

でも、俺は過去を悪い意味で振り返らない

俺がいつまでも泣き苦しんでいる様をあっちに行った皆に見せたくないので…」

「……強いね、君は…

僕なんかより数倍も強くて真っ直ぐな心を持っているにゃ…君を仲間に出来て、僕は嬉しいにゃ♡」


そう言うルールの顔は、

放つ言葉と相反して悲しげに見えた。

まるで、俺の生き様を見て羨ましがっているみたいに…


ルール達と出会った次の日からルール達の情報を少しずつ収集して行った。

まぁ、テキトーに理由を並べて幹部の戦いに参加したりしただけだけど。

だが、長居するのは色々とリスキーゲームだ。

坂田の記憶改竄を使えば幹部の記憶からは俺達の存在は消えるが、ルールにそのスキルが通用するかは分からない。

早い所、情報をまとめてこの組織から足抜けするぞ!

まずまず、分かった事が一つある。

ルールを除く幹部の奴等は一塊になって行動する事が多い。

まぁ、先頭の猛者と言えど裏社会に入って間も無い元ヤンのプー太郎だ。

バラバラに動けば〈志熊〉に撃破される可能性が高いからな。妥当的で優良な判断だと言える。

しかし、坂田は幹部を一人でも多く削りたいと言っていたが、一塊になって動いているとなれば総力戦にしか持ち込めないだろう。

まぁ、〈八帝〉の皆が味方になってくれるから不安を抱える必要はないが…だが、ルールという神騙りの女…

頭を撫でられただけで絶大な狂気を感じた。

本当にハテナと同じ〈異世界の神の下部〉なのか?

放つオーラと狂気の密度は本物の神クラスなんだけど?


「そうだよ、僕は下っ端とは言えど…

エリュピス様から賜った神の力を持つ神様の一員だにゃん…あーむっ!」

「あだだだだ!?

挨拶もなしにいきなり噛み付かないでください!

今年で幾つになるんですか!?」

「128歳だにゃ、人生の大先輩だよ?

もっと尊敬するにゃ☆」


ヤバい、ヤバかった、やばたにえんだった!

いきなり声を掛けられたから心の声がそっくりそのまま出てしまう所だった…危ない危ない☆

すると、ルールは声色を変えて俺にこう質問をする。


「ねぇ、君は僕を倒しに来た…そうだよな?」

「…!?」

「あぁ、別に君を責めた訳じゃないんだにゃ。

ただ、ターゲットを見誤るな、そう言いたいだけだにゃん」


俺の目的がバレちまってるだと!?

何故一日も経たないうちにその真実に辿り着けたんだ?

しかし、俺の疑問は直ぐに解消されることになる。


「僕の力で生み出した『真実の眼』で君の頭を見させてもらったにゃ。

僕達〈江熊〉の内部調査に来た所かにゃ?」

「そ…それを知ってどうする?

その事実を以て俺を公開処刑にもするのか?」


今の俺は、もうこの場でルールを倒さないとゲームオーバーになって死ぬ。

そう思い、一か八か勝負に持ち込もうとしたが…

ルールは戦う意思も、俺を脅す意志も持っていなかった。


「いいや、僕はもう…弟を殺したくない。

僕はあの日からずっと…リユース君…あの子に…

操られたままなんだにゃ…」

「リユース…貴方の家族か何かか?」

「うん。血は繋がっていないけど…本物の弟の様に可愛がったドラゴンハーフの男の子だにゃ」

「血は繋がっていない…

つまり、貴方が無関係な罪なき家族の幸せをぶち壊し続けてる理由は…」


俺が思った事をルールにぶつけた瞬間、ルールは涙を流しながら俺にこう要求して来た。


「僕はリユース君に心を操られてる…

最初は最高神に与する奴等だけを狙ってたけど…

途中からリユース君の波動が暴走して…無差別に…

沢山の人を殺し過ぎた…だから、お願い…

君でも菊斗君でも良いから、僕を助けて…」

「な…何を言ってるんだ?

貴方は今の生き方に満足している訳じゃないのか?」

「満足してる訳ないにゃん!

僕は…ただ普通に幸せに生きたかっただけなのに…

ただ…最高神に復讐したかっただけなのに…

僕は…リユース君の代わりを作りたかっただけなのに…」

「…呆れた。

貴方の身勝手な思いで何十人もの罪なき人が死んで行ったんですよ?

なのに、今更被害者気取りですか?

ふざけないでくださいよ…」


俺は返す言葉を見失っていた。

しかし、次に放つ言葉に俺は戦慄する!


「僕の弟になってくれた子達はね…

皆、家族から虐待を受けていたんだ…」

「なっ…何だと!?」

「だから、せめてものお節介で…

我が子の幸せを奪い、踏み躙る外道の手から解放してあげてたんだにゃ」

「…なら、何故自分を悪く見せる言い方をしたんだ?」

「僕は人間を辞めた存在だにゃ。

だから、人間に嫌われても構わないのにゃ」

「そうか…」


そして、ルールは言葉を続ける。


「今まで助けて来た弟達の数は両手でも数えられないにゃ…

でも、誰もハッピーエンドを迎えられなかったにゃん。

だって、皆、最高神の呪いの犠牲になったからにゃ…」

「何だと…その話は本当にあった話なのか?」

「うん…僕は…皆を不幸から解放しただけだと言うのに…

何で皆、リユース君と同じ死に方をしないといけないんだよ…

アイツは神なんかじゃない、神の皮を被った悪魔だ!

僕は何度生まれ変わってもアイツだけは死んでも許さない!」


そう言うルールの顔には修羅が宿っていた。

そして、今の俺には

ルールを倒すべき敵とは認識出来なくなってしまったのだった。


皆さんこんにちはー、かつらぎです!

PCが欲しいよぉ(´・ω・`)

スマホでポチポチ小説書くのも良いけど、

やっぱ色んな編集が出来るのはPCだよね。

もしくはタブレットかな?

でも、低所得者の僕には夢のような存在なので

この作品が書籍化する事を切に願ってます。

では最後に、

ブックマーク、高評価、コメント、レビュー

お待ちしてます!

ではではまた次回お会いしましょう!

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