表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

19/42

第五章 来たる「災厄」・〈異世界の神の下部〉 第二話

さて、悠々と宣戦布告したは良いが…はっきり言って俺の体は絶望的な状態だ。

今、剣を握っているのも限界なくらいだ。

クソッ…どうすれば…!


「アタシの力でアンタの傷、治してあげるね?」

「え、その声は…!?」


俺の目の前に現れたのは、〈剣の妖精〉のホワイティングだったのだ!

そして、俺が彼女に隠れる様に指南した頃には…


「う…嘘だろ…!?

 傷が完全に治ってる…!?」


全身バキバキに折れた骨が全て綺麗にくっ付いていた上にダメージもなくなってる…

どういう力の賜物かは分からんが、運が俺に味方してくれた!

俺は再度ハテナを見て、正面から壮絶な斬り合いにもつれ込んだ!


「何だよ莉音、お前も体の傷が回復する力を持ってたのかよ!

 楽しい戦いになりそうだな、おい?」

「うるさい、お前は自分勝手に生き過ぎだ。

 お前の私怨で死んで逝った者の為にもここでお前を終わらせてやる!」


両者ほぼ互角、このまま持久戦に持ち込む、そうハテナは読んでいたのだろう。

だがな、お前の傷が回復する特殊スキル…一つ大きな穴があるぜ?


「ぜぇっ…ぜぇっ…」

「どうした、もう疲れたのか?」

「いいや、僕はまだバテテないぞ!」


お前が持つ回復スキルと、俺が持つ回復スキルとでは、

大きく違う点があるんだよ。


「何で…何で…体力が…ぜぇっ…ぜぇっ…

 こんなに早く…ぜぇっ…なくなるんだ…!?」

「俺のスキル『千里眼』でよぉ~く分かったぜ?

 お前が使うスキルは傷は幾らでも回復出来る。

だがな、ダメージや体力までは回復できない!」

「ぜぇっ…何を言うかと…思えば…僕は神だぞ…

 愚民の人間の様に…そうそうバテルはずが…ない…!」

「いい加減現状を理解しろ、今のお前は…立って居るだけで限界じゃないか?

 まるで生まれたての馬の様だぞ?」

「だ…黙れ…下賤な敗北者の分際で…

 僕に意見するなぁー!!」

「はぁ…口で言っても通じないか…だったら、体に刻み付けてやる!」


俺は両手に装備している白い剣にそれぞれ別の技の力を宿らせる!


「『氷の剣・三の技〈アイス・スピア〉』、『風の剣・一の技〈鎌居達〉』…!

『合技・〈殺戮の氷刃〉』!」


俺は坂田から伝授された属性剣の二つの技を合体させ、一つの技として

ハテナの体に叩き込んだ!


「がはぁぁぁぁっ!?」

「これが…お前の限界だ…」


俺の技を受けたハテナは全身から力が抜け落ち、大の字になって倒れ込んだ。


「何で…だ…?

 僕は…神様だ…人間なんかに…負けるはずが…ない…」

「お前は神様でも人間でもない、ただの頭固い野郎だ」

「フフッ…でも、君になら…僕の最終奥義…

ぶつけちゃっても…良いよね?」

「何っ!?」


大の字になって倒れていたハテナは最後の力を振り絞り、右腕を空に掲げる!

まさか、第二段階に進化するのか!?ゲーム系の物語ではあるあるな王道展開だけども!


「さぁ、君の未来はもう決まった!

 僕に殺され、この世界の崩壊を止められない、最高のハッピーエンドの未来だけだよ!」


そうハテナが叫ぶと、奴の体に無数の濁った光が集まって来る…

光と言っていたが、この禍々しいオーラを見れば「光」ではなく「マガツヒ」と言った方が正しいのだろうか?

そして、無数のマガツヒの力を集めた奴の体はみるみる大きくなっていき、

最終的には昔のテレビの主役だった怪獣の様な巨体となってしまった。


「フハハハハハ!!

 どうだ、これが僕の正真正銘のフルパワーだ!

 ただの人間の一人に過ぎない君なんかに、この状態の僕は殺せない!

 このままこの世界を僕が掌握する、少し予定が狂ったが問題はない!」

「おいおい…これからこのデカブツと対峙しなきゃいけないのかよ…?

 これは…想定の数倍、いいや数千倍苦労しそうだな…?」


俺の予想はこうだ。

さっきまでの状態のハテナには普通の攻撃でも充分ダメージと傷が入る。

だが、今のサイズになれば傷を作るのも難しい上にダメージも与えられる自信がない。

だが、ここで考えていても何も生まれない!

俺は考え付く策をぶっつけ本番で奴の体にぶつける!


「奴を止めるにはこの技しかない!

 『氷の剣・最終奥義・七の技〈氷の女神降臨〉』!!」

「ん~?これはまた大きな女性が現れたな?

 でも、僕を止める事は出来ない!」

「さぁ、それはどうかな?」


正直、この技で奴を止める事が出来なかったら俺の完全敗北だ。

そして、〈妖界〉の歴史が終わる事になる。

そんな最悪なベリーバッドエンドは俺も皆も望んでいない!

俺は氷の女神と共にハテナに斬り掛かる!


「これで…お前を終わらせてやる!」

「……フフッ、今の僕は誰にも止められない!」

「『氷の剣・一の技〈アイス・キラー〉』!!」


俺の斬撃は確かに奴を捉え、確実にダメージは与える事が出来たはず…

だが、奴はそのダメージを受けても全然怯む様子はなかった!


「痛いなぁ…と~っても、痛かったなぁ…♡」

「ま…まさか、ダメージも瞬時に治る様になったのか!?」


俺がそう問うと、ハテナは笑いながらこう答える。


「違うなぁ…僕は(異世界の準・神)のミリオン様に沢山虐められた事があってね?

 痛みに耐性が…いいや、痛みに快楽を覚えちゃったんだ?

 だからね、君がどんなに攻撃を続けても…僕は怯む事はない!

 それこそ、僕の息の根を止めない限りは…ね?」

「う…嘘だろ…?

 コイツ…天性のドМか…」

「『ドМ』ではない、『痛みを愛する者』と呼びたまえ!」


という事は、女神様が攻撃を続けて奴を足止めしてても…

ジリ貧で俺の体力とMPがなくなるのが先だ!

クソッ…どうしたものか…

何か…ハテナの痛覚耐性を無視出来る技がないか…

早くしないと、この世界が壊れて…俺を幸せにしてくれた皆が全員死んでしまう!

どうする…どうする…

その時、俺の脳内にある記憶が蘇る…

その記憶は、まだ父さんが生きていた頃のものだ。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ