表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

18/42

第五章 来たる「災厄」・〈異世界の神の下部〉 第一話

俺は最悪のタイミングで最悪の敵と遭遇してしまった。


「まぁまぁ、そう躍起になるなよ?

 どうせお前は、僕に嬲り殺しにされる運命なんだからさ?」

「お前が…ハテナか…?」


俺は頭をフル回転させてこの状況をどう打破するか必死で考えた。

しかし、どう考えを巡らせてもロクな未来にしかならない。

どうする…アッチは俺の事も知っているし、

ここにスズとリンを呼び出す訳にもいかないし、

そもそも、ここが何処なのか分からない以上、下手に暴れる訳にもいかない…

クソッ…万事休すか!


「あぁ、ここは僕の家だ。

周りは森だから大きな音を出しても何ら影響はない。

 好きに暴れても良いけど、君が僕に勝つ未来は見えないから、

 暴れる前に死んじゃうかもしれないね?」


なるほど…ここで大暴れしても誰かに迷惑が掛かる可能性はない、という訳か。

だったら…


「その言葉…俺も返させてもらうぞ…?」

「ん~?

 何々ぃ~、もしかして僕を倒す気で居るのかにゃ~?」

「『倒す気で居る』んじゃない、『倒す』んだ!

 もうこれ以上、お前等の好き勝手で関係のない人達が死ぬのは耐えられないんだ!」

「『倒す』……ねぇ…

 いやぁ~…あまりにも可哀想だよ、君?

 実力の差は歴然としているのに…!?」


俺は会話に夢中になっているハテナの顔面目掛けて拳を叩き込む!


「悪いがお喋りに付き合っている時間はないんだ、早くくたばってくれ!」

「ぐふぉぉっ!?」


完全に油断した瞬間を狙われたとはいえ、俺が放った攻撃は奴に相当大きなダメージを与える事に成功した!

そして、奴は廊下の壁に勢い良く突っ込み壁を貫通し、家の外へ弾き飛ばされた。


「ぐふぅぅっ!?」


奴は内臓にダメージが出たのか、多量の血を吐く。


「フッ…フフフッ…」


俺も外に出て飛んで行った奴の元へ駆けつけた。


「アーッハッハッハッハッハ!!

 油断した所を狙ったとはいえ、良いパンチだったよ!

 内臓が破裂しちゃったよ…で・も・ね・?」


奴がそう言い終えると、奴の体が激しく光り出した。

そして、全身に溜まっていた傷が癒えたのか、俺に勢いよく突っ込んで来た!


「僕達『神』の力を持つ者は、傷を勝手に治す事が出来る!

 だ・か・ら・?内臓破裂なんか軽い怪我に過ぎない!

 君が僕を攻撃しても、その傷はすぐに癒える!

 だ・か・ら・?君が僕に勝つ未来もなぁ~い!」


次の瞬間、奴が俺の腹部に激しい蹴りを入れた!


「さっきのお返し、受け取ってくれぇっ!!」

「ぐふぅぅっ!?」


俺はその蹴りを思い切り喰らい、勢いそのまま岩の壁に勢いよくぶつけられる!


「かはぁっ…!?」

『マズい…全身の骨が折れた…!』


俺の体から完全に力が抜け落ち、俺は約20mの高さから力を失ったまま落ちた。


「かふっ…!?」


俺が力を失くして倒れている所にハテナが現れ、俺の頭を踏みつけながら話し始めた。


「そうだ…いつもそうだ…

 人間は…力がない癖に生意気だ…

僕の大事な人を殺したアイツ等も、僕の仲間を殺した上に僕を倒すと宣言した君も、

結局は人間だからすぐに力を失って僕に殺される…」

「な…何を言って…いるんだ…!」


俺がそう答えると、奴は俺の首を勢いよく踏みつける!


「がぁぁっ!?」

「黙り給え、僕の独り言の邪魔をするな…

 はぁ…でも、君も僕と同じだ…」

「かふっ…かふっ…!?」

『「君も僕と同じ」…?

 急に何を言ってるんだコイツは…!?』


俺が心の中でそう考えていると、ハテナは俺にこう勧誘して来た。


「なぁ?君も僕の力を得て、『神様』にならないかい?

 君も大事なものを人間に奪われたんだろう?」

「な…何で…その事を…!?」

「君の目を見れば一目瞭然…

いいや、僕の『万里眼』で君の記憶を読み取り、頭の中にインプットしただけさ?」

「お前は…何で…神様に…なったんだ…?」

「あぁ、それは至って簡単な理由さ?

 僕は人間に復讐したくて、神様になったんだ。

 神様になって、この世界の覇権を最高神様から奪えば…」


すると、奴は更に狂気的な笑い声を出してこう叫ぶ!


「僕達が夢見て描いた新世界を創設する事が出来るんだ!

 アーッハッハッハッハ!!僕から大事なものを奪ったアイツ等も、

 僕を人間扱いして来なかった人間と僕を助けてくれなかった『神』の名を騙る神共も、

 全員殺せるんだ…フフフフフ…アーッハッハッハッハ!!

 全員殺して、全部一からリセットする!

 そして、生まれ変わった新世界で僕は新たな神様として君臨し、

 低劣な愚民の人間達を支配する、それが…僕が神様になった理由さ?」

「そんな…身勝手な…理由で…」

「ん~?なにぃ~、全然聞こえないよぉ~?」


その言葉を聞いた俺は、奴の身勝手な理由に憤ったのと、少し憐れみを感じた。

そして、全身粉々になるまで砕かれた体に鞭を打って立ち上がる。


「お前は…俺と同じな訳ないだろ…

 この糞野郎!」

「何だと…?」

「お前は俺と違って…過去の苦しみを乗り越えていない!

 お前は自分の過去に甘えて人殺しをしようとしているだけだ!

 それに、皆それぞれ辛い過去や思いを持っている、

それを乗り越えて今を生きているんだ!

 自身の過去も乗り越えられなくて、その上他人を不幸に陥れようとするお前に…

 『苦しみ』を語る資格はない!」


俺は全身ボロボロの体に鞭を打って剣を構える!

そして、こう言葉を続ける!


「掛かって来い、卑怯者!

 お前は俺が…ここで終わらせてやる!」

「上等だよ…人間…!

 僕を本気で怒らせた罪を…命を以って償ってもらうぞ!」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ