半透明
掲載日:2021/09/10
名前がひどく半透明なせいで
私は日常世界を浮いている
なけなしの名刺は腐っていて
半人前なくせにそれを憂いている
存在を憂いている
今日も
人脈と連絡網にぐるぐると巻かれたあの人を見て
嫌な憧れ
誤魔化そうとして悪口を言う
後ろめたくなる
もう泣けない
どれほど社会の隅へ追いやられようが
お気に入りの空を壊されようが
感情は残酷に
殺しておかなきゃいけない
本当は泣けないんじゃなく
泣かないだけなのか
私はもう私を捨てたいのかもしれない
流線形の墓所に埋葬されるのは素敵だ
ぶつかってもそんなに痛くはない場所に居たい
自分を結んでおくための出っ張りが
どこを探しても見つからないから
浮遊はもう、止まらない
宇宙まで飛んでいってそこで破裂するか
それともカラスにつつかれて弾けるか
それか自分に針を刺して自殺でもするか
そうでもしない限り
私は世界一汚い透明になる
無意味な現状と
底辺の未来
その二択を迫られて
私の眼は回って、
いきおい、両方が潰れた
そして、真っ白に何も見えなくなった




