55/63
19
『メメの魔法』はいつも、次に目を開けたときに起こる。
メメが「雨が降ってほしい」と願ったある日、メメは朝ではなく、夜中に目を覚ましてしまった。用を済ましてベッドに戻ると、水の音が聞こえてくる。メメはカーテンをめくって窓に張り付いた。眠る前まで雲ひとつない満天の星空だったはずなのに、そこには月さえも隠された大雨が降り注いでいた。
メメはそこで「願いは朝に叶う」のではなく「次に目を開けたときに願いが叶う」魔法の法則を知った。自由に叶えられると思っていた魔法には、制約があったのだ。
それからメメは、どんなに眠りから覚めようとも、決して目を開けることはしなかった。
メメは願いが叶った朝、目の前の光景に驚いては、幸せそうに笑った。
人を驚かせることが好きだったメメは、自分さえも驚かせたかったに違いない。




