表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
おやすみ、メメ  作者: ようひ
16/63

15


 私たちはなんてことのない話をして日々を過ごしている。その時間は楽しく、あっという間に過ぎ去っていく。アイリ曰く、それは「相対性理論」という法則が作用しているらしい。熱いストーブに触ると一分が一時間になり、可愛い女の子といると一時間が一分になることと同じだとたとえた。リタが「つまりタイムスリップができるってこと?」と訊くと、「違うかな」とアイリは苦笑していた。私もリタと同じことを思っていたので、「なるほどね」と言葉を濁しておいた。

 とにかく、楽しい時間は短くなり、逆に苦しい時間は長くなるという、時間の不平等さを私は感じることになる。楽しい時間はどんなに待っていてほしいと願っても過ぎ去ってしまい、嫌な時間は早く終わってほしいと願ってもなかなか終わらない。

 私はなおさら、アイリに「真実」を話すことをためらった。暗い話なんて一秒たりともしたくない。この先の為にならない、一時的な快楽に過ぎないとわかっていても、こうやってみんなで過ごす時間を味わっていたい。楽しい時間だけを過ごしていたい。

 だから、いつ「真実」を話し出せば良いのか分からなくなる。初めて会った時からアイリはそのことに興味を持ち、可能であれば今すぐにでも話したい、といった様子だった。

 リタの好奇心。

 アイリの興味。

 二人の気持ちは理解できる。気になることへ答えを求めるのは当然だ。そうやって人は知識を得て、進歩を遂げてきたのだと分かっている。それでも、その根底では私と同じことを思っていてほしかった。

 私は自分たちの現状なんて語りたくないし、嫌な時間は過ごしたくない。ただ、こうして楽しい時間だけを過ごしたい。リタとアイリとは、普通の友達で居たいのだ。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ