「祭事の戦士への挑戦」 後編 最終回
「ついたわ!ここがマカカオヤ王国よ」
「王女さま! 王女様が戦士を連れてお戻りになりました。」
高い石の城壁があり 大きな門から中に入ると そこは華やかな洋服を着て行きかう人々。
子供たちと一緒に賭けて遊ぶ 恐竜族の子供たち。
そしてずっと奥には 石造りの大きなお城があった。
祭壇は・・・見渡しても 見当たらないようだ。王国とは別の場所にあるのかもしれない。
俺たちがトトッポから降りてお城の兵士と話をすると
兵士たちは王女様のお帰りに驚いて 急いで城のほうへ駆けて行った。
しばらくして ちょっと偉そうな兵士たちと一緒に俺たちは城のほうへ通された。
そこで待っていたのは 第2王女と第4第5王子だった。
「まあ なんと 素晴らしい日なのでしょう~ 今日は 第5王子のゼルノスが帰ってきたと思ったらアーラルまで帰って来てくれたわ。神に感謝をしなくてはいけません。」
話し出したのは第2王女だった。
王族で次の王様になれる権利があるのは第4位までで生まれた順番に順位が決まっていく。
でも この順位というのは功績を上げたり失態をしたりすると王家の決まりにのっとって
上がったり下がったりするらしい。
4位以降の 王族たちがなぜ 「祭事の戦士」を探していたかというと
この順位を上げることが出来るからだ。
でも アーラルは13位なのでどう頑張っても難しそうだ。
「お姉さま! 葡萄酒におかしなものを入れるなんてひどいわ!!」
「あら 素敵な殿方を見つけたじゃない。アーラル、あなたは奥手だから幸せになってほしかったのよ。ほっほほ」
第2王女とアーラルが葡萄酒の事でもめていたけどさすが
第2王女だけあって話がうまく、あのアーラルをはぐらかしてしまった。
「お初にお目にかかります プラリムと申します。・・・・実は最近巷ではゴーレムが現れるのでございます」
ゴーレムの話は 誰も知らないようだった。
そして 今日は城に泊まって俺たちおゲストとしてのんびりさせてくれるような
話になっていたのだけど アーラルがそれを断った。
自分は 戦士を連れてきたのでライトたちを参加させるために街へ泊ると
そしてなんと! 自分もライトと一緒のパーティーで「祭事の戦士」の試練を受けるといいだした。
第2王女が アーラルに惚れ薬を渡したのには
どこかで幸せになってほしいという思いでもあったのだろうか?
アーラルのように王女さまが直々に参加するなんて 前代未聞らしいく
第4王子たちは 大笑いして「お前 頭がおかしくなったんじゃないのか?」と言っていた。
今のままでも十分にヌクヌクと暮らしていけるし この世界には祭壇という力があるので
基本的には人生で無理をする必要はない世界なのだ。
「やるわよ。私は がはは」
俺たちは 戦士候補たちが多く宿泊している宿に泊まることになった。
色々な国から色々な人たちが来ている。
さすがに 時代的にフルアーマーの騎士なんて言うのはいないが岩のアーマーに
身を包んだ騎士が 壁にもたれかかって休んでいた。
岩のアーマーってなんだか ロボットみたいだ。ちゃんと 動くのだろうか?
中には人が入っているだろうから動くだろうけど まあ 変にちょっかいをかけて
問題を起こしてもアレだからそっとしておくことにした。
宿屋の料理は いろんな種族に対応した料理のメニューがあったけど
基本的には 野菜か肉のどちらかを選択するようになっている。
俺たちは迷わず 骨付き肉を注文した。
骨付き肉は 村で食べたものとは違って確りと香辛料で下味が付けれてていて
辛みと酸味がある味付けだった。
アーラルに言わせれば まだまだらしいけど大笑いをしながら骨付き肉を食いちぎっていたので
実は自分の香辛料よりも美味しくて強がっているのだろう??
数日が経って試練予選当日になった。
「今より 予選を始める。しかし 試練に参加できるものの人数は限られている。よってこの城の壁を一周してみろ!そして城の城壁の好きなところから侵入してお城の1階にある「青の石」を手に入れたものだけが「祭事の戦士」への試練へ挑戦することが出来る。」
「城壁のどこからでも侵入できると言っていたが その門から入ってもいいのか?」
挑戦者のなかにバカな質問をする人がいた。
もちろん構わないと兵士入っていたが 自信ありげな兵士の態度に質問した人も気づいたようだ。
「さあ 私たちも行くわよ」
出来るだけ早く、侵入しやすくて警備が手薄なところを見つけなくちゃいけない。
でも 侵入しやすい場所には兵士が待ち構えているだろうから その辺も考えてだな・・・。
「おい バカなのか!お前は!!」
岩のアーマーを着た騎士が正面の門から突っ込んでいく。
当然 兵士たちに囲まれて 門の上から障害物を落とされたり、めった打ちにあってしまった。
そう 戦争で敵から攻め込まれる可能性の高い門はワナもあるし兵士も門を守る訓練を受けているので
侵入が難しい場所の一つだ。
あ~あ、あれは死んだかもしれない・・。
「おい 居ないぞ!ただの 石の塊じゃないか?」
兵士たちは ざわざわと騒ぎ出している。
何かあったのだろうか?
でも そんなことを確認している暇はない、城壁伝いに走っていくと早速洗礼を受けている挑戦者たちがいた。
この壁と 壁の周辺にはトラップがある。
何も考えずに登った人は 兵士に見つかって城壁の上から障害物を落とされてやられたり、
壁が飛び出してやられたり、落とし穴に落ちていたり、
壁を壊した挑戦者は兵士に捕まって壁を修理させられたりしている。
まだ 試験中なのに修理って・・。
もはや 子供と大人のような力さだった。
さて 俺とプラリムはいいとして 戦闘を走っているアーラル王女様はどうなったかというと
壁には目もくれずに城壁の周りを駆け抜けていく。
迷いがない分ほかの挑戦者よりも進めていると思うけど大丈夫か?
案の定 前の挑戦者が落ちた大きな落とし穴があるけど 迂回するつもりなのだろうか?
それはそれで 危ないと思うけど・・・
でも 飛んだ!!
リングを数個投げて リングを踏み台にしながら大きな穴を ホップ!ステップ!ジャンプ!した。
どうなっているんだ? ここに出場している挑戦者だってどこぞの村の勇者なんだけど
この御姫様は規格外だ ありえない!!
「ライト様」
プラリムがツルを伸ばしてくれたので 俺たちはツルの上を走って大穴を超えた。
「先頭が見えてきたわ。そろそろ越えるわよ。がはは」
この世界ではラドンよりも大型の魔物もいるので城壁は 日差しを遮らない程度に高めに作られている。
プラリムが ツタをライトに渡すと ライトは石のつなぎ目に足をかけて城壁を駆け上がり反対側に飛び降りた。
ライトの握っているツタの反対側には アーラルがいてライトが下りる反動を利用して城壁を超えることが出来た。
プラリムは ツルをバネのように使って飛び上がり、アーラルの後から降りてきた。
その後は 兵士と追いかけっこをして壁と壁の間に隠れたり屋根に上がったりしながら逃げて、
途中で茂みに隠れたときに
「ライト 茂みに隠れて何する気???ブッ チュー!! チューチュー!!」
アーラルにチューをされそうになったりしたが何とか 城の入り口付近まで行くと
岩のアーマーを着た騎士が 入口の前でほかの挑戦者たちと戦っている。
入口の周辺には 数人の挑戦者が倒されて気絶していた。
「はて? なぜそのようなことをなさるのでしょうか?」
数減らしなのかわからないけど 楽しそうだ。
兵士たちも いったん中に入って「青の石」を手に入れた者の行動は黙認していた。
「弱すぎる ネド! ぼくと祭事の戦士の試練を受けるには役不足ドア!ははは」
ライトがそこに立ちはだかった。
「ここを通してもらうぞ」
「ネド?」
二人の戦いになった。
何度か 剣を打ち付け合っているとその隙に アーラルが入り、続いてプラリムも
城の中へ入ってしまった。
「やる ネドね。じゃぁ 少しだけ本気を見せてやるネド!ストーンマン!!」
岩のアーマーを着た騎士は石のゴーレムになって襲い掛かった。
「やる ネドね。じゃぁ 少しだけ本気を見せてやるネド!ストーンマン!!」
岩のアーマーを着た騎士は石のゴーレムになって襲い掛かった。
ライトに大きな拳が迫ってきたが、マターソードを巧みに操って石のゴーレムを
切ってしまった。
「キュー」
砕けたゴーレムからは なんと 目を回したウサギが出てきた。
「ボクは 動物の王を目指すもの。 ネードラというドア。お前強い仲間にしてほしいドア」
こうしてネードラが仲間になった。
「アーラル おめでとう!! パチパチパチ」
第2王女たちが お城の一階まで降りてきて挑戦者たちにねぎらいの言葉を送り
そして アーラルをほめたたえた。
アーラルは 惚れ薬を盛られた相手なのに ちょっと照れ臭そうにしているな。
「なあ アーラルよ。「青の石」とやらを 私にも見せてくれぬか?」
第5王子が 「青の石」を見たいとか言い出して石を受け取ると眺め始めた。
天井にすかして眺めて、 そして窓際へもっていってはすかして眺めていた。
「さすが 妹よ 石を返すぞ」
別に 大会が終わってから 兵士に頼んで見せてもらえばいいような気もするけど
単にシャイな兄貴なのかもしれない。
「では 城の外へでろ! 第二試練は「青の石」を掲げてフィガンデ!!と叫んでもらう。
ただし その前に装備は整えておけ。 時間は無制限だが醜態をさらすな!では始めろ!!」
「フィガンデ!!」
挑戦者たちは 次々とフィガンデと唱えては光の中へ消えていった。
どうやら どこかへ転送されているようだ。
「私たちもいくわよ。がははは」
アーラルが呪文を唱えた。
大きな声で高らかと、掲げた腕にある宝石は、青白い光を放ち
大きく、、大きく、、、大きく?、、、おおおお大きくなり過ぎた!!
「何これ がはは」
「ぎゃらぁぁ」
俺たちの「青の石」も共鳴をして光を放ち、挑戦者たちを巻き込んで転移した
叫ぶ挑戦者たち。
さっき転送していた人たちとは 光の色が違うというか、まがまがしいというか、
真っ青な光の渦が「青の石」を持ったものを、周囲の挑戦者たちを巻き込んでいった。
気が付くと、なんどろう?
山が一つあるだけのだだっ広い草原だった。
「ドスン ドスン」
空気を揺らす音がリズムを刻んでいる。
「ドスン ドスン」
キョロキョロする 挑戦者たち。
兵士もいないし だだっ広い草原、何をすればいいのだろう?
剣を抜いても何も起きない、魔法を出しても普通に出せる。
ここはどこなんだろう?
何もないところに 音だけが聞こえていた。
イヤ でも何かの気配というか、沢山のものに見られているような。
そんな ざわざわとした、視線を感じていた。
「あの山 大きくなってないか?」
はて?俺たちは移動しただろうか?
「ドアドアドアあぁぁ 感じるドア」
ウサギのネードラがブルりと震えると 硬直して動かなくなってしまった。
ネードラは 剥製のようになって動かなくなってしまった。
お尻がブルブル震えているように見える。
「ドスン ドスン ドスン!」
音が大きくなり 数人の人たちが気付いた。
そして ライトは声を発した。
「ガーディアンだ。また現れたのか!」
あの山みたいなのは ガーディアンという巨大ゴーレムだ。
全部倒したと思ていたけど 全部壊したと思っていたけど、まだ残っていたのか?
それとも 新しく出来たものなのか。神のみぞ知るといったところだろうか。
さて また みんなとお別れしなくちゃ、だな。
アーラルの「ブッチュ ブッチュ(*´ε`*)」は嫌いじゃなかったよ。
まあ 惚れ薬の力の影響なんだけど お兄さんのハートには響いたよ。
「おい 何か知っているなら、俺たちにも説明してくれよ」
「ドアドアドア・・・ ポロン・・・」
俺は 説明した。
動かないでくれと。
この世界には不思議がある。
それは 地球外生命体が神様をやっているということ。
そして 地球から来た俺は 彼らの絶好のターゲットになってしまった。
「みんなは ここで 大人しくしているんだ。アーラル・ネードラ二人ともここから動くんじゃないぞ
プラリム、あいつはデカいほうだ。手伝ってくれ」
「御意にございます。」
ライトは 剣を自分の前に掲げると刀身に左手を乗せ深く息を吸う。
そして左手に身に着けているリングに話しかけた
「セレス、力を貸してくれ・・。行くぞ!!プラリム!」
マターソードに光が宿った。
「いけー! アークイーリス!!!」
ライトが剣を空高く掲げると 剣の光は空に放たれた。
すると 空の上の何かから大きな光の塊が降り注ぎ
ガーディアンに直撃した。
ガーディアンは動きを止めた。
「よし 乗り込むぞ」
プラリムはドラゴンに姿を変えた。
「ドラゴーレム!!!」
そして ライトを乗せて山のようなガーディアンに突進した。
得でまた あの光の塊が現れて再び ガーディアンに直撃をする。
侵入できたのだろうか?
アーラルは心配そうにライトとプラリムを見送った。
「できた ドア」
アーラルがネードラを見ると 丸いコアが二つ地面の上に置かれていた。
普段ならツッコミを入れるところだけど よく見ているとそのコアが
地面に沈み込んでいき。
そして 地面が盛り上がってゴーレムが出てきた。
移動式 ゴーレム??
「行かないのかドア??」
ウサギに アーラル様が負けるわけにはいかない。
だって ずっと 頑張ってきたのだから、今は大切な仲間が出来たのだから。
「行くに決まっているじゃない がははは」
俺は ガーディアンに潜入した。
要塞になっているのでいくつか障害がある。
「プラリム 二手に分かれよう。この大きさならコアは3つくらいだろう」
俺が異世界に引っ越してきたとき。
畑を作ってのどかに 暮らそうとしていたら。
その日の夜に UFOにキャトルミューティレーション(拉致)された。
俺が進んでいくと 特殊扉が現れた。
「これが 最初の扉か?なになに 知恵を示せか。」
目の前の扉は ブロック状になっていて 扉の形に組み替えればおそらっくあげられる。
でも 失敗すればレーザー砲か何かの形になって 命を奪いに来るだろう。
「地球人の俺に パズルゲームとかナンセンスだから!!」
パズルを解いた。
すると・・ 扉は レーザー砲の形に変形した。
説いても レーザー砲でしたってどっきりね。
「マターソード!!!」
俺はレーザー砲を切り裂いて 無理やり扉に入った。
・・・・
「これが あのでっかい山の正体ドア?」
「王国よりも 大きいわ。なんとか 潜入できないかしら?」
「任せろ ドア」
・・・・
俺は通路のような トンネルを進んでいった。
金属か粘土かわからない物質で出来ていて、多分 マターソードでもすぐには壊せない。
また 扉があった
「ミッション!姫を助け出せ」
扉が開くと 丸い雪だるまのような お姫様役の人形が逃げていった
そして レーザー砲が飛んできた。
だけど レーザーがライトに届くほんの40cmくらい手前で光がライトの周りを
グルグルと回り始めた。
「マターソード!!」
ライトは ガラスのような剣をグルグルと回してレーザー光線が剣に吸い込まれて
黒い剣は 蛍光灯のような光を放った剣になった。
ハリのワナ・天井が落ちてくるワナ・ロボット型のゴーレムとの戦闘などなどの
色々な仕掛けがあったが ライトは潜り抜けて、逃げる雪だるまのお姫様を両手で抱きしめた。
「ドッカン!!!」
お姫様は 爆発した。
ライトは 気絶してしまった・・。
・・・・
「やったは ゴーレムを倒したわ がははは」
「ボクと同じ・・」
ネードラは 壊れたゴーレムをあさり始めると コアを見つけた。
「何しているの?ネードラ??」
「多分 食べられるドア」
大丈夫なのだろうか?
お腹は壊さないのだろうか?
ネードラは ゴーレムのコアを食べてしまった。
そして しばらく経つと お尻からコアを生み出した
「できたドア!」
さっき倒したゴーレムが ネードラのゴーレムになった。
「すごいじゃない。がははは」
「これなら 勝てるドア!!」
・・・・
「はぁ・・」
ここは
どこだ? セレス・・・
そうか あの人形が爆発したんだったな。
体は動くか
手は動く
足は?
ん・・ まだ 行ける!
俺は再び走り出した。
すると また扉が現れた。最後の扉だろう。
なんで わかるか。
それは 俺がガーディアンと戦うのは 初めてじゃないから。
突然 扉の前の床が抜けて落とし穴に変わった。
「ドサ・・」
体が叩きつけられて 鈍い音がした。
暗い。
なんだここは・
すると 明かりがついた。
そして 目の前に現れたのは ゴーレムの山。
俺の周りを取り囲むようにゴーレムが配置されていて 一斉に目を覚まして襲い掛かってきた。
スパ、スパ、とゴールドを切り倒していく、レーザー光線は吸収させてもらう。
剣が カカオドリンクを飲んだ時のように光が強くなってきた。
そして 何とかゴーレムの山を倒すことが出来た。
だいぶ ダメージを受けてしまった。
なんせ 数が多いのにこちらの腕は二本しかない。
俺は 落とし穴にぶら下がっている電気のコードをよじ登って落とし穴から上がり
扉を開けた。
そこには コアがあった。
「ガーディアンのコアか」
コアを破壊した。
「グシャ バリン!」
すると 建物の照明が点滅してコアが破壊されたことを知らせているように光った。
・・・・
「キャー 落とされたわ がはは」
「笑いごとじゃない ドア」
・・。
・。
「あれ ここは? ゴーレムの墓場かしら?」
「残骸がいっぱい ドア。ゴーレムを味方にするドア」
・・・・
照明が点滅している。
プラリムが コアを破壊してくれたのか。
残りはあと一つだろうか?
まあ 間違えていたとしても中枢部の指令室に行けば コアの数がわかるはずだ。
だいぶ 出血しているみたいだ・・
アイツらきっと 笑っているんだろうな。
指令室にたどり着くと でっかいゴリラをイメージしたようなゴーレムがいた。
俺が ゴーレムの前に立つとゴーレムは起動する。
そして 暴れ始めた。
・・・・
「いけ! ゴーレム がははは」
「それ ボクのセリフドア」
アーラル達は 扉の前に現れた無数のゴーレムたちを倒していった。
数で 圧倒的に勝っていたアーラル達の敵ではなかった。
そして・・・コアにたどり着く」
「これもコア? ドア?」
「食べなさいよ ネードラ!がははは」
「大きすぎるドア」
「入るわよ はい あーん」
「ドアドアドア・・・」
・・・・
つっ強い・・・
マターソードが効かない。
ゴーレムに使われている装甲は 最新式のようでマターソードがはじかれてしまう。
やっぱり コアを破壊してから挑めばよかっただろうか。。。
照明が点滅した。
誰かが コアを破壊したのか?でも 誰が??
「コアが すべて破壊されました。ゴーレムの装甲を解除します!解除します!」
ゴーレムの装甲が バラバラと音を立てて崩れ落ちた。
すると ゴーレムのコアの中に 見覚えのある顔があった。
「あれは 第5王子か」
第5王子が コアの中に囚われている。
これでは 破壊できない。
マターソードもレーザー光線を吸っているから 輝きなら殺すことはできるかもしれない・・
でも 俺には殺せない・・
セレス、俺は 自分だけが助かるために、コアに囚われた君を・・・
「ドッカン!!!!」
ゴーレムのパンチがライトを捕らえた。
その後も 何発もゴーレムの攻撃がヒットする。
装甲が外れて 素早くなったゴーレムのパンチ。持ち上げて叩きつける攻撃。
のしかかる攻撃。
まさに ぼろきれで遊ぶ ゴリラのようだった。
「ぐはぁ・・・」
周りが暗くなり始めたぞ。
音も聞こえなくなってきた。
意識が・・ 気絶するのか俺・・・ 結局アイツらのおもちゃになってしまうのか チクショー。
「何やってるのよ ライト がははは」
アーラル?
「ライトは まだ 戦えるはずドア!」
ネードラ?
「ライト様 信じております」
プラリム?
そうだ 俺にはみんながいる。
「ライト! カカオドリンクよ!」
ライトは カカオドリンクを受け取ると 一気に飲み干した。
ダメージが全回復した。
体力が向上した。
力が向上した。
魔力がマックスを超えた。
なんだ このカカオドリンクは?
「愛しているわ ライト!!」
アーラル!!
「これなら 奇跡が届くはず!!」
「エナジーソード!!」
ゴーレムに剣が届くと、閃光に辺りが包まれて真っ白になった。
・・・・・
「どうして みんな 俺を認めてくれないんだ。みんな壊してやる。
この魔道具で みんなを壊して俺が王になってやる」
目の前に 子供のころのアーラルが現れた。
「はい お兄ちゃん」
「そんなことをしても 無駄だ。お前は13番目。俺に媚びたって何も変わらないさ。」
「うんん。 私はお兄ちゃんを元気にしたいの・・どうしたらいい?あんまり無理しちゃダメ」
「そうだな じゃぁ 笑え!俺は楽しいことが好きなんだ」
それから アーラルは大きな声で笑うようになった。
いつも笑う。いつも 前向きだ。 本当は俺の心にいつも突き刺さっていた。
・・・・・
エナジーソードがゴーレムを貫いたとき、ゴーレムから悲しい音が響いた。
ゼルノス様に心が届いた。
そしてゴーレムを撃破した!!
俺たちはゼルノスを抱きかかえると いったん ガーディアンから脱出した。
そして セレスを使って ガーディアンを破壊した。
これでまた ガーディアンを作り直さなければいけなくなっただろう。
数か月後
意識を失っていた村の子供は目を覚ました。
健康で ピンピンしている。
「結局 あのガーディアンって何だったのかしら がははは」
「今回の件で めちゃめちゃ 強くなったドア」
「あれは 神様の娯楽だよ。祭壇の試練で与えられる試練も神様がそれを見て娯楽として楽しんでいる。
願いをかなえることと引き換えにね」
宇宙人は 祭壇を作った。
そして 願いをかなえる代わりに娯楽番組にヒューマンたちを参加させていたのだった。
「なあ ほんとに俺についてくるつもりなのか?だって 惚れ薬の影響かもしれないんだぞ」
「いいのよ 惚れ薬でもなんでも、13番目の王女は気にしないのよ。がははは」
俺・ネードラ・プラリム・そしてアーラルは 新しく暮らせる村を目指して旅立つのでした。
めでたしめでたし