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異世界生活の目的

噂に聞く異世界生活を始めたばかりの、初々しいおじさんの心情です。

※お知らせです。近日の更新分で完結予定です! もう少しお付き合いください。

※新作の投稿を予定しています。第一章は連日三話更新予定です。お楽しみに

「いいな。その死神だけは俺の獲物だ!」

「おいおい止めろよ」

 ボットとのイシャララ討伐の話し合いで出た言葉だ。

 冥界へはメンバーはボット、ミフ、ジョーで乗り込む。アオは、ブノと共にノシン村に移動し、こちらへイシャララが逃げ込んできた時に備える。

 イーゼといった者達は何か他のことで協力を得られないらしい。後日、会う機会を設けてくれるらしいから、その時に聞くことにする。

 そうして作戦を立てて行く内に、やたら大きな声で場が一瞬凍ったミフのモノマネでジョーはからかっていた。

「それに、殿下に入れ知恵しただろ」

「バレたか。好きだろ? 誰かのために敵を討つやつに協力する任侠系の話。」

 こういった形で、このジョーって男は良いように話を進めようとする。

 思い返せば、ブノになんやかんや最後まで一緒に付き合ったのは、このお人好しの性格だろう。

「……すまなかったな。前の世界で、助けれなかった。」

「止めだ。止めだ。俺はこうしてピンピンしてるし、今回のでチャラだ!」

 そして、自分に非を感じたら、とことん謝るタイプの人間だ。



「ミフ。その死神。マルンっていうのは、何か隠していないのか?」

「ソリアに似ていた。全く関係ないと思う。他人の空似レベルでは無い」

「そうか。ミフは正直良いな。」

「何だ? 突然気持ち悪い」

「動機の健全さは置いておいて、この異世界で生きていくうえで大きな目標を持っている。話を聞くと、異世界生活すぐに終わりそうだが……。それ程ロリ死神少女にゾッコンという訳か」

「なんでロリって決めつけるんだ! そうだけど……どうした。異世界ハーレム作るのでは無かったのか?」

「定番だからな。これを言っておけば何とかなるという。」

「それだけか?」

「ふふふ。正直、前の世界で全力を尽くしきって、死んだものと思っていたんだ。このホイシャルワールドというところは、思っていた以上にハードな世界観だな。ネット小説に投稿したら、ランキングに載らない。」

「俺は、異世界に来たけど途中の冥界で出会った死神に恋をした。とかの題名にするか」

「俺はスローライフものにするか。追放されるほど仲間は多くない」

「それか、誰かSUGEEEE人に弟子入りするとか」

「大変だ。三十路の身体のままだと絶対詰む時がくるぞ!」

 あははははと二人は、大笑いした。

「知っている友人がいるだけ愚痴の相手には困らないな。これからもよろしく頼む。」

「ああ」

 二人は握手をした。



「なあ。フーム知らないか?」

 ブノは突然二人に問いかけてきた。

 ボットは、転移魔法を使って城へと帰った。気を利かせてアオをブノと一緒にさせた。

 そう言えば話し合いが終わってからは、フームとトカゲが見かけない。

聖女なのにほったらかしては罰が当たる。

「そう言えば見かけないな」

「アオには一応付近を探しに出て行ってもらっている。一番バイチークの土地勘があるからな」

「分かった。ここは宿屋だから、どこかに隠れているんだろう。」



「どうしたフーム。その格好は?」

 一番最初にフームとムフーを見つけたのはジョーだった。


 調理室の中に、二人の前に刃物で引っかかれていたり、トマトっぽい野菜か果物で服が汚れていた。

 辺りを見渡すと、調理台の上に冷蔵室に保管されている筈の魚の切り身がべろんと横たわり、包丁や野菜。果物が散乱している。

 何となく魔法も使われた形跡が分かった。

「どうした? その格好。料理じゃないよな」

「ふふふん。お刺身泥棒をやっつけたんだよ」

 後ろには、グルグルと巻かれた男の子が、床に散らばった食材を犬食いしていた。

 フームと同年代ぐらいか。容姿はみすぼらしい。

 バイチークの隅に住んでいるストリートチルドレンだった。

「ねえ。拾い食いはいけないよ」

 フームがそういったが、関係なしに食べ続ける。

「おい。名前は?」

 ジョーの怒声に

 懐から小さなナイフを取り出し、布を切っていく。

 フームは後ろから心配そうに見守り、トカゲはウーウー唸っていた

「お前、ここにナイフがある。どうやって使う?」

 少年は与えられたナイフを手に取り、机にあった刺身をぎこちなく四つに分けた。

「良し。いいだろう」

 ぽんと一つ少年に与えた。ナイフを置いて、そのまま裏口から駆けだしていった。


 そうだな。

 こういった存在を、弟子にして育て上げる生き方をするのも良いかもしれない。

 異世界で生きていく上で、指針となることがすぐに見つかりそうだ。


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