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UN DREAM  作者: βカロテン
1/1

夢に呑まれる儚き定め

夢って全然覚えてないよね。

夢物語

まだ続く



ー僕は激しい爆撃で目が覚めた。辺りは煙たく、空からは灰のような物が降っている。

何処からか女性の声が聞こえた。声の方を向くとデカイ銃のような物を構え、全身をマントに包んだ人影があった。人影のマントには大量の赤い染みができていた。

この時やっと、自分がどういう状況に置かれているかがわかった。

緊張が全身を走る。尋常じゃない程の汗が全身から吹き出ているのを自覚する。『逃げろ』そう誰かに囁かれた気がした。

走った。ひたすらに走った。さっきの人影から逃げないと、安全な場所へ逃げないとー




これももう十年前の話。夢だというのに未だに鮮明に覚えている。

[集団成人消失事件]

この事件が起こったのもちょうど十年前。

この事件では成人した大人達が一夜にして姿を消した。この事件で全国から5000人ほどの成人が犠牲となった。

原因は未だに解明されておらず、歴史に名を残す未解決事件となった。ただわかっているのは、犠牲者は皆が寝ていた、ということ。ただこれになんの意味があるかは不明。


十年経った今、俺もすっかり大学生。俺の家族はこの事件の犠牲にはならなかった。そのせいか、まだ子供だった俺にはあまり強い印象が無い。




ピピピピッピピピピッピピピピッピピピピッ

一「ん、んー、うるさってもう朝か」

今日もいつも通り目覚しがなった。朝日が眩しい。

一「あれ?なんで俺泣いてんだろ?」

目からは涙が流れていた。まぁただ眠いから泣いていた的な感じのやつだろう。こういうのはたまにあるし。


俺は時間通りに学校へ向かっていた。道中の家でパトカーが止まっていた。周りは生徒や住民で野次馬ができていた。気にしたことは無かったが最近パトカーが多い気がする。治安はいいはずなのに不思議だ。


いろいろ考えているとふと、記憶が下りてきた。

一「思い出した。そうか、あれは夢のせいだったのかも。いやでも、なんだったか?何か怖い夢だったんだが...」

どうやら走馬燈はよぎりきらなかったようだ...夢という物は不思議でほとんど思い出せない。登校中もずっと考えていたがやっぱり思い出せない。


一「いや~、思い出せないもんだなぁ、全く」

和「なんだよいきなり、どうしたんだよ?」

俊「そうだ、どうした?一郎よ。...まさか、また彼女との戯れ言か!」


そう、俺には彼女がいる。まだ日は浅いがとても仲良くさせてもらってる。そんな俺らに和彦と俊平は嫉妬している。まぁこんな風に言われても悪い気はしないからほっとくことにしている。


一「違うわ!戯れ言言うな!夢だよ!夢!」

和「はぁー、彼女と夢でいちゃいちゃってか、」

俊「現実だけでは飽きたらず、夢でも...か、」

こいつらはどんだけ俺が溺愛してると思ってるんだ...!俺の思考回路はあいつのことでいっぱいってわけじゃない!


一「...いや、でも好きなのは確かだし、いつも考えてたりするのはするけど...ブツブツ」

こういうのってなんか難しく考えなくてもいい気がする。っていうか考えてて恥ずかしくなってきた。

一「えーーい!!やめやめ!もういいよこの話は!」

和「ちぇっ、つまんねーの」

俊「だな、さっ、授業が始まるぞ」


今日は多くの先生が休みで午後からは休み。原因は詳しく聞いていないが噂によると、夜寝たはずの場所から忽然と姿を消したらしい。この話は昔どこかで聞いたことがある気がしてならない。なんだったか、まるで今朝の夢のようだ。



(彼女《李実》との通話)

一「って、ことがあってな、参ったよー全く」

李「それは大変だったねw」

一「おい李実、何ワロてんねん。」

李「ごめんごめん!wなんかおもしろくって!w」

一「はぁもう疲れた!今日は寝て、夢の中の李実に癒してもらう

ことにした!」

李「むー、じゃあ一郎の夢に行ってわ!た!し!が癒してやるぅ

ぅーーー!!」

一「へへへできるもんならやってみなー」

李「わかった!じゃあ寝るね!おやすみ!」

一「え、あ!お、おやすみ!」


さてと、俺も寝るとしよう。李実が夢で待ってるだろうからな。



ー...ん、んー。ここはどこだ?なんだか色の無い景色だ、でも見たことがある気がする。

一「あ、あれ?ここはまさか夢か...?」


寝る前にあんな話をしていたから本当に夢を見たらしい。

でもなんだろうか、夢ってもっと楽しいイメージだったが、こんな物なのだろうか?何か味気ないようなそんな気分になる。



キコキコキコキコキコキコキコキコキコキコキコキコキコ



しばらく彷徨っていると何かが聞こえた。自転車をこぐような、そんな音。恐る恐る興味本位で音の方へ向かった。


一「な...なんだ、あいつ...」

俺の視線の先にはハロウィンパーティでも行くかのような、おまわりさん呼んだほうがいいレベルで怪しい奴がいた。

頭はスキンヘッドにデカイパーティーキャップ、顔はよく見えないが白塗りに赤鼻だと思う。首から下は全身タイツであれは...ウサギか?尻尾が生えているウサギみたいなちょこんとしたやつ。加えて両手に出刃包丁、一輪車に乗っている。


ほんとになんなんだよ!もうわけがわからんぞ!一体俺の夢はどうなってるんだ!し、しかしまぁあれは絶対関わったらダメなやつだよな。

てかバランスすげぇな、色々と。


あれ、ん?...あそこにいるのは先生か?


俺の目線、そしておそらくピエロの目線の先に担任の先生がいた。先生は今日も休みだったから俺の心配した気持ちが先生を夢に出したんだろうか...?先生もきっとあのピエロを見て混乱してるだろな。大丈夫だろうか...


先「き、貴様!まだ追って来ていたのか!」

ピ「ようやく見つけました」


ん?どういうことだろう。追って来ていた?ということは先生はピエロから逃げていたのか?

でもどうs...まぁあの容姿なら普通逃げる

しかしなぜピエロは追って...


先「っっ...!!」

ピ「夢人に逆らうからです、しかたありません」


な!先生の首が...空を...飛んで...る


はあぁ!?

ちょ、ちょっと待て、落ち着かないと!

え、えっと先生が殺されてーえーとっえっとー。

あ、そうだ!夢人...とか言ってたな。夢人ってなんだ?夢の人?

逆ったって先生は何をしたんだ...


全く状況を把握できていないが、とにかく夢人というのはヤバイようだ。俺も早く逃げないと、あのピエロは本気でヤバイ。


ピ「ほぉ、十年ぶりですが私もまだまだ現役のようですね」


逃げ出そうとした時に聞こえたピエロの話がとても気になった。

十年ぶり...俺があの夢を見たのと同じか。

十年...夢...

ま、まさかとは思うが十年前のあの事件!集団成人消失事件は夢で起きた?

いや、まさかそんなはずは...しかし、ある程度説明はできてしまうな。

先生は寝ていてどこかへ消えた。でも夢にいた。もしこの夢が事件に巻き込まれた人達の共通の夢だとしたら...あり得る。


とすれば俺以外の誰かがこの中にいるかもしれない。


李実...!そうだ李実が巻き込まれていたら大変だ。早いとこ探さないと李実の命危ないかもしれん。


どうにかこの悪夢から覚めなくては...



お読みいたただき感謝します。

次回投稿日不明故暫しお待ちを。

貴重なお時間ありがとうございました。

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