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クラス丸ごと異世界召喚~無人島から始まる異世界冒険譚~  作者: 久遠
第三章・獣人国編

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90・まずは魔王国を目指します

ブックマークにて応援して下さった方々に感謝ですm(_ _)m

 取り敢えずの目的地として『妖精国アルフヘルム』を目指す事に決定した俺達は、あれから数日の間少々慌ただしく動いていた。


 一応、一月以上滞在していた事もあり、それなりに交遊関係も出来ていた為に移動する旨の連絡を各自で入れたり、ギルドの方にも移動の手続きをしたり、道中で受けられそうな依頼を探したりと事ももちろんそうなのだが、それと同時に保存の効きやすい食料を買い込んだり(俺の様に遭難した時用の非常食として)、テント等の夜営用の道具の点検や買い替え等の物資的な方面での調達にも動いていた為、ほぼ全員掛かりでの大騒動となってしまっていた。


 そんなバタバタとした諸々の準備や手続きも終わり、ネメアーさんに獣王陛下への挨拶を頼んだら、本人が別れ際に登場してモフり倒す事になったり。

 俺達の出立を聞き付けたフォリオさんが見送りに来てくれて、そのモフモフの尻尾と中々にセクシーなボディによる引き留め戦術に打って出るも、アストさんを始めとした女性陣による俺へのセックスアピールにより、俺と共に精神に多大なダメージを負い半泣きになりながら逃走されたりと、立つ鳥跡を濁さずなんて知ったことか!とでも言わんばかりな騒々しい出立となったが、それでも様々な人に見送られてレオルティアを出発する事となった。


 その時に、俺が何処(普通に馬車かもしくはサーラさんの背中か)に乗るのか、と言う下らないやり取りの結末として、今後は基本的にリルの背中に乗せて貰うことになったりだとか、リルに怯えて馬(のような謎のモフモフ)が歩かなくなってしまったので、結局サーラさんが牽く羽目になり、リルは尻尾をパタパタと振って上機嫌なのと正反対に、サーラさんが凄まじく不本意そうにしていたけど、極力気にしない。


『ワフワッフ♪』


 背中に俺を乗せているからか、希に見るレベルで上機嫌なリルだとか


「……くっ!何故……!何故なのですか、主様!某にだって……某にだって耳も尻尾も付いているし、何より某に乗っている時の方が愉しそうな表情をしていたと言うのに、何故!?……でも、お預けされている上に、某一人だけ重労働状態だと思うとこれはこれで……!これが、噂に聞く『放置プレイ』!?……た、堪らん!……ハァハァ!」


 親の仇でも見るかの様な目付きリルを睨みながら血涙を流したかと思えば、一変して頬を赤らめながら興奮したらかのように息を荒げているサーラさんだとかが視界の隅にチラチラと写り込んだりしているが、それは多分気のせいだろう。うん。気のせい気のせい。

 ……前者はともかく、後者に関しては『気のせい』ってことにしておかないと、俺の精神が持たない。


 だが、そうやってサーラさんに荷馬の役割をしてもらったからか、もしくはリルのスピードに合わせて街道を爆走(日本であれば、下手をすれば捕まる程度の速度は出ていたと思われる)した結果として、行きの様に途中で野営をする事も無いままに関所に到着し、取り敢えず一泊して行く事にした。


 ……そして、ここに来たのならば当然……



「……あっ!撫で撫でするの上手い人だ!」



「「「「わーい♪」」」」



 そう、当然、彼らと再会し、あの時約束していた『またここに来て皆をモフモフする』と言う約束を果たす……いや、果たさせて『もらう』事となる。


「元気にしてた~?」


「次!次は僕ね!」


「ふぁ~♪この人のテクニックしゅごいのぉ~♪」


「はへ♥️はへはへ♥️もぅらめぇ~♥️」


 前回に居た人達も、そうでない……と思われる人達(流石に全員分の顔を覚えている、とは言えない為に確証が無い)も、コボルト族の人達は皆毛玉状態で俺へと群がってくるし、ケットシー族の人達は逆に俺の身体をよじ登ったりして遊んでいる。


 そんな彼ら彼女らを、ある時は掬い上げる様に抱き上げてモフり倒し、またある時は引っぺがしてから『降参』の声が挙がるまでモフり倒した。


 そして、しばしそうやっていると、今度は



「こら、お前ら!またそんな羨ま……けしからん事をしておるのか!本日の業務は……もう終わっているから良いが、その方が来られておるのなら、何故私達も誘わなかった!?

 これより私達も参加させてもらうが、文句は言わせんぞ!

 貴方も、良いですかな?」



 以前の様に、彼らの行動を見咎めて……と言う訳ではなく、単純にまだ仕事が残っていた為に直ぐには来なかった、と言うだけだったみたいである、リーダー格の大型種(ハスキーっぽい外見)の人を筆頭とした、大型種の方々も参加を表明された。


 大型種と言っても、別段そう言う括りが彼らの中に有る訳ではなく、俺が外見から元居た『地球』世界での分類を元に勝手にそう識別しているだけなのだが、当然のようにそれが適応されるのはコボルト族だけでなく、ケットシー族にも当て嵌めて識別する事が出来る。

 ……そう、長毛で体格の良いメインクーンの様なケットシー族の人や、どちらか言うと長毛でスラッとしているノルジャンの様な人。他のケットシー族やコボルト族に群がられても、嫌な顔一つしないラグドールの様な人も居るのである。


 今の今まで、基本的にモフモフしている相手が『犬系』であった事もあり、この『猫系』のモフモフを堪能する機会を逃す訳も無く、ケットシー族の人たちコボルト族と同じ様に手加減無しで全力でモフり倒させてもらう。



「さぁ!噂に聞く貴方の手技、存分に味わわせて貰お(モフモフモフモフ)…………ゴロゴロゴロゴロ♪」


「ふつ、先程の雑魚と一緒にしてもらっては困る(モフりモフりぬモフモフり)…………ゴロニャン♥️」


「…………あ、あへ……♥️♥️♥️」



 ……させて貰った結果、途中から参入された大型種の人達も敢えなく撃沈され、ちょっと他の人には見せられない様な顔を晒しながら、正しく『死屍累々』と言った感じで地面に転がる衛兵の方々だったが、その状態でもなお追加で俺のモフりを求めてくる豪傑もいれば、何やら真剣に俺達に着いてくる事を検討しているらしき人達も居たりと、割りと後遺症の類いもなくて大丈夫そうな雰囲気だったので、この惨劇(蕩けきった衛兵さん達が地面に広がっている図)を作り出した張本人としては『ホッ』と胸を撫で下ろす。

 ……まぁ、だからと言って何も解決してはいないのだけどもね?


 すっかり蕩けてしまっていたコボルト族とケットシー族の衛兵さん達をどうにか再起動させ、まだ残っているらしいお仕事へと送り出してから宿へと戻ると、普段は馬(の様な生き物)等を宿泊期間中入れておく為の厩舎からリルがのそりと起き出してきて俺に近寄ってくると、そのまま鼻先を俺の胸元へと突っ込んでフガフガしたり、後ろに回り込んで尻の辺りの匂いを嗅いだりと、矢鱈と俺の匂いを確認する様な行動を取って来る。


 そして、一通り嗅ぎ終わると


「……ウゥ~、ガァウ!」


 と、何やら不機嫌さを滲み出させた様な顔と鳴き声を出しながら俺へと覆い被さる様にのし掛かって来ると、そのまま俺の身体に自分の身体を擦り付けようとするかの様な動きを取り始める。


「……?……リル、何してるんだ……??」


 その行動に戸惑いながらも、彼(または彼女?)を放置して他の処で一人楽しんで(モフモフして)いた事もあり、まぁ、少し位は好きにさせておくか、と時折リルの身体を撫でる以外は特に身動きもせずに、リルのやりたい様にさせておく。


「(フンフン)……ワフン!」


 そして、しばらく俺の身体へと自分の身体を擦り付けていたリルだったが、最後に俺の服にまで鼻先を突っ込んで全身の匂いを嗅ぎ、何やら納得の行く結果を得られたらしく満足そうに一声鳴くと、擦り付けられた過程で付着したリルの抜け毛まみれになっている俺を放置してさっさと割り当てられた厩舎へと入って行く。


 ……多分、俺が他のモフモフの匂いをプンプンさせながら帰ってきた事に嫉妬して、自分の匂いで上書きしようとしたのだろうけど、ちょっとやり過ぎでないのかね?


 そんな思いも込めて、少々ジットリとした視線を向けてやると、どうやら自分が嫉妬によって多少行き過ぎた行動に出た事を自覚してはいるらしく、厩舎から頭を覗かせて『怒ってる?』とでも言いたげな上目遣いな視線にてこちらを窺っている。


 だが、リルがそう振る舞う様に俺が誘導した様なモノである上に、された事自体は俺的には『ご褒美』以外の何物でもない以上は俺が怒るハズも無いので、その巨体を小さくしているリルの頭を軽く撫でて、怒っていないとアピールしておく。


 ……それに、俺個人としてはハイテンションでワッフワッフやってるワンコが一番可愛いとおもうけど、こうやって反省しながらションボリしているワンコも大変可愛らしくてとってもグッドだと思います!異論は認める。


 そんな考えが漏れていたのか、それとも予想外にテンションが上がってしまったのかは不明だが、再度押し倒されてスリスリされ、またもや毛まみれにされる事になってしまったが、まぁ、別に良かろう。可愛いは正義である。





 ******





 リルに存分に毛まみれにされてから宿泊予定だった部屋へと移動し、何故か俺一人なのにダブルベッドが置かれていた事に嫌な予感を覚え、緊急避難用に窓を開けた処であられもない姿の女性陣(詳しくは描写出来ない(・・・・)が、全員揃ってケモミミを装着していた。案外と似合っていて可愛らしかった)が部屋へと突入してきた為に即座に脱出し、リルが寝ていた厩舎へと飛び込んで熱烈に歓迎されながらリルをお布団に一夜を明かした今日。


 開幕から目の下に隈を作った女性陣からの謝罪によって始まった為、お世辞にも『爽やかな』とは言い難いがそれでもよく晴れた旅日和な陽気の元、昨日の様に身体能力にモノを言わせて全力でブッ飛ばす様な事はせず、普通の馬車でも出せる程度の速度で、サーラさんの蹄鉄を履いた蹄が『ポックリポックリ』と奏でる音に耳を傾けながらの、些かノンビリとした旅路となっている。


「……ね、ねぇ、小鳥遊君?今日は、何でこんなにゆっくり進んでいるの?昨日は、割りと急いで飛ばしていたみたいだったけど?」


「……そ、そうそう。昨日みたいにリル君の事を焚き付けてまで飛ばしていたってことは、何かしらの急ぐ理由が有った、って事なんじゃ無いのかな?だったら、こんなにゆっくりしていて良いの?急ぐんじゃないの?」


 昨晩、俺を探して同じく飛び出し、どうやったのかは不明だが厩舎までの足取りを追跡した女性陣は、俺の夜間守護者(兼モフモフお布団)たるリルによって結構本気での睨み付け(&殺気)をもらい、俺が起き出してくるまでずっと厩舎の前で正座させられていた為か、相変わらずリルに騎乗している状態の俺に対しても若干の固さが見てとれた。


「いや?別段急いではいないけど?昨日のアレは、リルのストレス解消の為の運動みたいなモノだけど?あと、ちょっとした実験?」


「「実験?」」


 俺からの返答にて、気になるポイントが有ったらしく、思わず、と言った感じで聞き返して来る二人。


 そんな二人に対して俺は、音澄さんに教えていた、『飛鷹流』に於ける長物の扱い方の基本と、長物で『突く』のでは無く『斬る』際に注意するべき事柄の講義を一旦中止してから返答する。


「そう、実験。俺達が魔物を倒すと何故か身体能力が高くなるけど、アレってこの世界の人達にも普通に起きる事柄なんだってさ。だから、あの『迷宮』でどのくらい強化されたのかを確かめる為の実験、って訳さね」


 あの無人島を脱出し、魔王国にてアストさんとバアルに聞いてみた処、あの『魔物を倒すと倒したり食べたりすると身体能力が上がる……らしい』現象は、どうやらこの世界では当たり前の事柄であるらしいのだが、どの程度倒したり食べたりするとどのくらい上昇するのか、と言ったデータがまるっきり欠落しているらしく、ただそうなっていると言う事しか分かっていないのだそうな。


 だから、そのデータを集める為に……と言うとあまり心証がよろしくないだろうが、それでも無いよりはマシ、と言う事で実験的にサーラさんに荷馬役をしてもらっている、と言う訳である。

 ……まぁ、あんまり長々と彼女に乗っていたく無かった、と言う事情が無くもないけど、ね……?


 ちなみに、俺達も彼女と同等かそれ以上に強化されていると思われる為、あの手合わせの時に測ってみる、と言う事はデキナカッタリする。基準が代わっちゃっているからね。



 そんな事を話しつつ、行きでは特に危険な事は身内による夜這い騒ぎ以外には無かった道を長閑に進んでいると、唐突にそれらは起こった。



「……ん?」


「……なんだ……?」


「人……かなぁ~?」


 それは道の途中で木々の梢が張り出し、ちょっとした屋根の様になっていた所に通り掛かった時の事であった。


 その時俺達三人は、ほぼ同時にその梢の部分に大きめの気配が隠れている事を察知したのだが、それぞれ各自の得物が不調であった事と、他にも仲間が居た事。そして、何かあったとしても起こってから対処すれば良い、とのそれまでの経験から来る『油断』によって脅威を甘く見積もっており、特に何をする事も無いままにそこへと差し掛かったのである。


 そして、リルに跨がっている俺と、天気が良いから、と幌を外してオープン状態にしていた馬車に乗っていたタツとレオがその梢の影に入った瞬間、何かが俺達の胴体部分に『シュルン!』と巻き付いたのである。


「……はい?」


「……む?」


「……あれ~?」


 そして、その巻き付いた物体を、取り敢えず攻撃しておくか、との反射的思考と行動によって斬り付けようとした瞬間、いきなり縦方向に急激なGが掛かり、思わず「ぐぇっ!?」と呻き声が漏れ出てしまう。


 僅かな間の浮遊感と、その直後に襲い掛かってきた梢の枝によるものと思われる抵抗。そして、それらが終わった次の瞬間には何やら柔らかくて良い匂いのする物体によって視界を塞がれ、反射的に抵抗しようとした手足を何かでぐるぐる巻きにされてしまう。



 ……え?え??何ごて……???



 半ばパニックに陥りながらも、それでもなにもしないよりかはマシだろう、との考えの元に、簀巻きにされている全身を使ってジタバタと暴れてみるが、余程特殊な素材による縄で縛られているのか、一向に弛む気配も(ほど)ける気配も感じられないままに、複数組(・・・)の手、最低でも四ヶ所に接触を感じる以上、二人掛かり以上で押さえ込まれてしまう。



「思ったヨリ生きが良いラシイね。それが三つもミツカッタのは良いけど、少しゲンキスギルと運び辛いカラ、スコシ大人しくしていてもらうヨ?」



 そう、今までならば、素直に翻訳されていたハズの言葉が、やけにつっかえつっかえと言うか片言と言うか、とにかく初めて聞くような独特の発音ではあったが、声の感じからして女性なのか?と予想した処で首もとにブスリ!と何かが射し込まれ、痺れる様な寒気がする様な、嫌な感触がカラダに侵入してくる様に感じると共に、ジンワリと思考に(もや)が掛かって来るのが微かに感じられる。



 ……これは、不味い……!?



 そう、思考するのと同時に、リンドヴルムやリルの聞いているだけで胸が張り裂けそうに感じられる程に切羽詰まった声や、女性陣の半ば悲鳴と化した叫びを聞きつつ、横方向への急激な加速が行われた事を認識した処で、俺の意識は闇へと呑まれて行くのであった。

主人公達、果たしてどうなる!?


取り敢えず、第三章はここまで、次回から第四章が始まる予定です


面白い、かも?と思って頂けたのでしたら、ブックマークや評価、感想等にて応援して頂けると大変有難いですm(_ _)m

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新作始めてみました 『血塗れの殺し合いはもうお腹いっぱいだったので、テンプレ展開を期待して追放される為にわざと非戦闘系スキルばかり選んだら、何故か戦闘系スキルの連中を差し置いて『救世主』扱いされる様になりました』 珍しく戦闘少なめなコメディよりの作品になってます ……なってるハズです 良かったら読んでみて下さいm(_ _)m
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