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クラス丸ごと異世界召喚~無人島から始まる異世界冒険譚~  作者: 久遠
第三章・獣人国編

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72・『迷宮』攻略開始します

迷宮攻略開始です!

フォリアさんから依頼の内容を聞き出した俺達は、それを受けざるを得ない状況を作り出したのが自分であった事と、受けずにトンズラすれば何だかんだで世話になった人達に被害が出る事。そして、仲間であるシンシアさんの実家であるレオンハルト家も無くなりかねない事から、今回の『迷宮』攻略依頼を『俺は』受ける事にしたのであった。


そして、それらの情報を女性陣や、ある意味当事者である『獣人族(ベスタ)』組の三人に伝達した上でこう切り出した。


「ーーーって訳で、俺達……と言うか、完璧に俺が撒いた種っぽいから、俺は受けざるを得ない状況にあるけど、皆はどうする?」


「……えーっと、小鳥遊(たかなし)君?『どうする』って言うのは、どう言う意味か教えて貰っても良い?」


俺の言葉を受け、戸惑った様な声を挙げる乾に対して、少々言葉足らずだったか、と反省しながら言葉を繋げる。


「何、意味合いとしてはそのままさね。

このままここに残るも良し。

危険だから、と『魔王国』へと脱出するも良し。

残るにしても、街の防衛戦力として残るのでも良いし、住人の安全を優先して、避難を促すのも一つの手と言って良いだろう。

俺は、どの道『迷宮』には入らなきゃならないだろうけど、『俺以外』に関しては幾らレイドパーティー宛ての依頼だったとしても、全員で同じことをしなきゃならない、何てルールは無いのだから、無理に付き合う必要性は無いしね。

まぁ、要するに『お好きにどうぞ?』って事さ。何せ、これから行く先は『迷宮』だ。何が起こったとしても、俺は不思議には思わない自信が有るし、下手をすれば俺達でも死にかねない場所なんだから、むしろ着いてくる事はお薦めしかねるけどね?」


視線と声色に、一切ふざけた様子を混ぜずにそう伝えると、この場にいる面子の顔を一人一人眺めながら、視線にて『どうする?』と問い掛けて行く。

……しかし、各自で考えてから返答するであろう、と言う俺の予想を裏切る程の速度で、それぞれが答えを返して来る。


「……まぁ、今更別行動は詰まらん。俺達の同行は確定事項だ。諦めろ」


「これから行く『迷宮』がどんな造りになっているかは不明だけど~、確実に外程に間合いを確保出来はしないだろうから~、ゼロ距離戦闘ならタツの出番だし~、どうせ仕掛けられている罠の類いを処理するのは僕の仕事だからね~。

確実にタカといる方が『面白い』事になるのに~、今更別行動は出来ないよねぇ~?」


「私は当然同行しますよ?陛下から与えられた役目によって、ではなく、『私』と言う個人の衝動と感情によって、愛しい貴方と共に在りたいと想っておりますので、貴方が『嫌だ』と言っても無理矢理にでも同行させて頂きますので悪しからず。それに、コレでもそこそこ闘えますので、足手まといにはなりませんよ?」


『主殿が赴かれるのに、妾が行かぬ理由が無かろう?妾とて、余程極端な相手が出ぬ限りは後れを取る事は有るまいて』


「某も同行致します!『氾濫』を抑えるのでしたら、一人でも多くの手が必要になりましょう。なれば、半人前ながらも、某にも出来る事は有るハズです!それに、主様に救い出されるまでの短い間ではありましたが、これでも『小鬼(ゴブリン)』相手に互角の闘いが出来る程度には闘えます!

……まぁ、上位種が出てきたら、一瞬でやられてしまいましたが……」


「もちろん、ボクも参加するよ!元々ボクの地元なんだから、それを守りたい、って思うのは当然だよね!それに、一応はまがりなりにも領主の一族なんだから、こう言う時に働かないと、普段レオルティアの皆から税金貰っている意味が無くなっちゃうからね!」


「私もぉ、参加させて貰いますねぇ?『迷宮』みたいにぃ、基本的に狭くて暗い所はぁ、私達ナーガの独壇場ですからぁ、それなりに役には立つと思いますよぉ?」


「なら、私達の参加も問題無いよね?そう言う数をどうにかしなくちゃいけないタイプの依頼って、私みたいに範囲攻撃の得意な魔法使いが一緒にいた方が捗るんじゃない?

……それに、私はもう我慢しないって決めたからね!『迷宮』を攻略してから帰ってくるまで、小鳥遊(たかなし)君分が補給出来ないなんて死んじゃうんだから、同行するしかないよね?」


「まぁ、今回は緊急性の高い依頼、って事みたいだから、私達のランク上げにも効率が良いんじゃないかな?だったら、先生としても多少危険でも本命に参加しておきたいかな?」


「拙も、小鳥遊(たかなし)殿と共に在る、と決めております故、当然同行させて頂きますよ?

……別段、拙以外の方と関係を発展させない様に見張りたい、と言う訳ではありませんからね?ホントデスヨ?」


「んじゃ、オレも同行って事で!中が狭いと、オレも使い物になんないかも知んないけど、それでも重機代わりには使えると思うし、いざとなったら殴れば多分どうにかなるって!」


「……ん、私も参加。私の『技能』はそう言う事向き」


「……な、なら、私も参加します!こ、この中で『回復役(ヒーラー)』が出来るのは、わ、私しか居ませんし、魔法もある程度使えるので、あ、足手まといにはならないと思います!」


「あら?でしたら、(わたくし)も参加致しますわ。『魔王国』に逃げ帰るのは性に合わないですし、他の皆さんが赴かれるのに、(わたくし)だけ不参加と言うのも面白くありませんもの。

一応(わたくし)、これでも皆さんを『仲間』と認識していましてよ?」


そう、参加の意を表明してきた皆だったが、よくよく見てみればアストさんと『獣人族(ベスタ)』組の三人以外の女性陣は、あの『試練の迷宮』を体験しているからか多少なりとも顔色が悪くなっていたり、僅かではあれども手が震えていたりするのが見受けられるし、リンドヴルムにしても、何処か不安そうに羽や尻尾を動かしている。


……まぁ、それも当然と言う奴だろう。


何せ、あの『試練の迷宮』でのアレコレは、元々下地の有った俺達ですら新たなトラウマの『一つ』として刻まれているのに、まだサバイバル生活に慣れ始めた所であった彼女らの心に、何の爪痕も残さないハズが無いのだ。

現に、女性陣は就寝時には灯りが着いていないと寝付けないし、時折真夜中に飛び起きて、同室の者に宥められてその部屋が『試練の迷宮』の中ではない、既に脱出している、と認識し、ようやく落ち着く、と言ったある種の『夜泣き』がしばらく続いていた様子である。

……彼女らの話では、もう治まった、との事だが、俺達の耳には時たま、真夜中に挙がる押し殺された悲鳴が届くので、恐らくはまだ続いているのだろう。


そして、リンドヴルムに至っては、嘗てその『迷宮』の奥底に幽閉され、ひたすらに空を渇望するのみの時間を、下手をすれば百年単位で続けさせられた経験が、強靭な龍の精神によって『トラウマ』とまでは行っていないみたいではあるが、それでも彼女に不安を抱かせるのには十分な『重み』を持っている事は、想像に難くは無いだろう。


だが、それでも彼女らは、思い返し、想像するだけで恐怖が湧いてくるにも関わらず、俺へと同行する事を決意し、直接的に今回の危機を叩く事を決心したのだ。



……それは、俺達三人やアストさん、リンドヴルムの様に、ある程度の死線を潜り、死への恐怖心を危機察知レーダーとして『利用』している者からすれば、自らの恐怖心が『止めておけ』と忠告している事を敢えて行う蛮行として写ると同時に、俺達が出来なくなった、敢えて恐怖心の忠告を『無視する』と言う選択を行える、ある種の『眩しさ』としても写るのであった。



そんな女性陣からの申し出を断れるハズも無く、俺達は全員で揃って『迷宮』攻略へと挑む事となったのであった。





******





全員で攻略に挑む、と決定してから約二日程掛けて念入りに準備を行った。

どの位まで深さが有るのかもまだ分かっていない為、レオの『空間収納』にかき集められるだけ集めた食料も満載し、用意出来るだけ用意した水も収納して貰ってから、『万が一』レオと分断された時の事を想定し、各員に三日分の水と携帯食料を分配し、荷物として持たせておいた。


回復薬(ポーション)』の類いも、俺が丸一日掛けて増産した分の殆どは、レオの『技能』で収納して貰っているが、そちらも『万が一』に備えて『強回復薬(ポーション)』三本と、今回思いきって増産する事にした『命の水(エリクサー)』を一本ずつ携帯しておいて貰っている。

……なお、それをしてしまった事によって、サーラさん達にもある程度俺達の情報を話す必要に駈られる事になったが、本人達は『他言しない』と言っていたし、何時ぞやの『誓約』でも似たような事を誓って貰っているから、そうそう情報が漏れる事も無いだろうし、現物も流される事は無いだろう。

アレって、『獣人族(ベスタ)』にとっては割合と絶対的な誓約みたいだから、信じても良いだろう。


そんな感じで準備を進め、現段階ではこれで万全と言っても良いだろう、と思える程度には準備を整えられた俺達は、約束していた三日目の早朝にレオルティアを出立し、予め譲り受けていた地図を頼りに移動する事約一時間。


地図に記されていた場所と思わしきポイントにて、簡単な防御柵と門番?と思わしき人影が見えた為にそれまでの速度を緩め、早歩き程度のスピードで近付いて行く。


……馬車で半日近くは掛かる、とかフォリアさんには聞いていたので、そこそこ早目にレオルティアを出立したけど、こんなに早く着くのであればもう少し遅くに出ても良かったかな?


なんて内心で考えながら、先程目撃した人影へと近付いて行くと、ある程度の距離まで接近した段階で


「そこで止まれ!ここは、現在立ち入りが禁止されている!」


と、静止の声を掛けられる。


俺達がその声に従って足を止めると、俺達へと静止の声を掛けてきた人影こと『オーク』の男性(DQタイプ)が、得物である斧を構えたままゆっくりと近付いて来る。


「……この先は、冒険者ギルドと『獣人国』とが連名で立ち入りを禁止している危険地域となる。そんな場所へと、何用で踏み入ろうとしている?」


「俺達は、冒険者ギルドを経由して、『獣人国』の王である『獣王』陛下から事態の解決を依頼された冒険者だ。証拠として、依頼を受注した際の発注書も有る。確認してくれ」


そう説明してから相棒を地面へと突き立てて武装解除を行い、両手を上げて敵意がない事を示してから物入れへと手を突き入れ、中から発注書を取り出して地面へと置き、そのまま元の場所まで下がっておく。


そして、俺が下がってから置かれていた発注書を広い上げたオークの男性は、それを拡げてからざっと斜め読みをし、内容を確認してから元の通りに畳むと、そのまま俺達の方へと歩み寄って来る。


「……大変失礼致しました。アレをどうにか出来るだけの方が来てくださるのを、今か今かと待っておりました。

……どうか、よろしくお願いいたします」


そう言いながら頭を下げてくるオークのオルクスさん(流れで聞いてみた)の頭を上げさせてから、早速『迷宮』へと潜る事を知らせると、もう潜るのですか!?と驚かれたが、それでも一刻も早く対処して欲しい、との思いが強かったのか、特には止められる事も無く、『御武運を』との一言と共に、『迷宮』が在る場所を教えて貰えた。


そして、『迷宮』へと辿り着くと同時に、あのリブレントで俺がモフり倒し、何故かなつかれてしまったウェアウルフの男性と再会し、開幕飛び付きを食らってしまった為に、俺も投げ飛ばしからの全力モフりを決行した為に、『迷宮』へと潜るのに暫しの時間が掛かってしまったりだとか、既にある程度間引きをしてくれていた冒険者パーティーの人達からの厚意で、低層のみではあったが地図を譲って頂けたりとの一幕を経て、俺達は現在、これから攻略する事になる『迷宮』の入り口に立っていた。


そして、


「よし!行くぞ!皆、何が起こるかは予測が出来ないから、くれぐれも気を付けるんだぞ!」


と号令を掛け、皆が


『こんな入り口で、何が起こる訳も無いだろう?』


と笑い声を挙げ、それまでの緊張を解しているのを確認してから内部へと一歩を踏み出したその時だった。


突然



ガコンッ!!



と俺の足元で、まるで何かの『仕掛け』が発動した(・・・・)様な音が発生したのは。


何事か!?との思いと共に足下へと視線を向けると、丁度俺が足を置いていたブロックの部分一つ分が地面へと沈み込んでおり、その様子はまるで何かのスイッチであるかの様にも見受けられた。


……これって……開始早々にやらかした、か……?


そんな事を内心で冷や汗を流しながら、それでも何が起こっても即座に対応出来る様に心掛けて、罠の発動に備えていると、




パカッ!




とでも効果音が付きそうな程に、呆気なく俺の足元の床が左右に開き、俺の足場を呆気なく奪って行く。


……えぇぇぇぇぇ?開幕落とし穴……?


なんて俺の感想は、俺の身体と共に重力に捕まり、何の抵抗も出来ないままに、底も見えない程の奈落へと落ちて行くのであった。

攻略開始早々に主人公脱落!果たしてどうなる!?


面白い、かも?と思っていただけたのでしたら、ブックマークや評価、感想等にて応援して頂けると大変有難いですm(__)m

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新作始めてみました 『血塗れの殺し合いはもうお腹いっぱいだったので、テンプレ展開を期待して追放される為にわざと非戦闘系スキルばかり選んだら、何故か戦闘系スキルの連中を差し置いて『救世主』扱いされる様になりました』 珍しく戦闘少なめなコメディよりの作品になってます ……なってるハズです 良かったら読んでみて下さいm(_ _)m
― 新着の感想 ―
[一言] タカ「迷宮がレオの収納に収まるなら簡単かもしれん」 レオ「やって~みるものだね~収まった~よ~」 タツ「で、アレはどうする?」 魔物ピラミッドw 食物連鎖風だなぁw 礎部の魔物は潰れていそう…
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