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クラス丸ごと異世界召喚~無人島から始まる異世界冒険譚~  作者: 久遠
第二章・魔王国編

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46・何がマズイのかアストさんに聞いてみます

新年明けましておめでとうございます。

今年も、沢山の方々に読んでいただける様に、精一杯努力させていただきますので、お付き合いの方よろしくお願いいたしますm(__)m


ブックマークや評価してくださった方々に感謝ですm(__)m

俺が森でぶち殺し、もののついでに売却してみようかしらん?と思い立って持ち込んだ『小鬼(ゴブリン)』の死体がどうやらヤバいブツだったらしく、まるで嵐の様な慌ただしさと、ある種の殺気にも似たピリピリとした雰囲気に冒険者ギルド全体が支配され、まるで天災でも発生したかのような大騒ぎで人がバタバタと忙しなく往き来し始める。


そんなてんやわんやな状態と化したギルドの内部を、この騒動が始まった時から居たにも関わらず、何がそんなに大慌てになる程マズイのかを、今一理解出来ておらずにポカーンとしながら眺めている俺達。


……まぁ、でも、そうなってもある意味当然なのかも知れない。


何せ、俺達にはまだこの世界の『常識』が足りていない。


そして、この事態は、この世界の『常識』に照らし合わせて鑑みると、非常に厄介かつ面倒な事であるらしい、と言う事は、各人の反応を見ていれば何となくは理解出来る。


だが、その基幹となる『常識』が俺達の中には存在しない為に、どの位不味い状態なのかが理解出来ない為に、第一発見者であるハズの俺が、こうして蚊帳の外状態で放置されている訳なのである。

……まぁ、事態が呑み込めて以内為に、目立たない様にこうして隅っこでジッとしている、とも言えるのだけど。


「……さて、この場はどうするのが正解だと思う?誰かに説明でも求めてみるか?」


「……一時撤退の上でアシュタルトと合流。その後

事情を説明してから質問して情報収集、しかあるまい」


「だけど~、それだとアストさんとすれ違いになりかねないから~、取り敢えず約束の場所でもあるここで待機して~、合流してから話を聞いてみるって感じでどうかなぁ~?」


「……だが、何時までもこの状況でここには居られんぞ?既に、何人かは俺達に気が付いているみたいだ」


「なら、もうすぐ約束していた時間になるから、そこで合流出来ればアストさんに、出来なければ魔王に聞きに行く、って事で良いか?もしくは、取り敢えず宿まで戻って、アストさんが戻ってくるのを待っても良いけど?」


「「じゃあそれで(~)」」


取り敢えずは約束の時間までアストさんを待つ、と言う事で、一応意見の纏まりを見せた俺達は、各人でその時間になるまでの余暇を潰す行動を取り始める。


と言っても、どのみち約束した場所はここ(ギルド)なので、また戻ってくる事が確定しているのにわざわざ外に出るのも面倒だし、戻って来た際にまだ席に空きが残っているのか分からない為に、取っている席に座ったままか、その周辺で出来る事に限定されるのだけれどもね。


そんな訳で各自それぞれ、自分の全身に仕込んでいる刃物や暗器を一旦外して、位置を整え直したり暗器そのものの手入れをしたり(テーブルの上に山が出来る程仕込んでいた)、小腹を満たす為に持ち込んだ自作の携帯食料や、ギルド併設の酒場に注文した料理を口にしていたり(もう少しでメニュー全制覇するらしい)、タツに見てもらった結果、『カラドリウス』とか言う種族だと言う事が判明した為、『カーラ』と命名したあの鳥を更にモフり、何処が弱点(気持ち良いポイント)なのかを念入りに探ってみたり(頭部全体、特に後頭部の辺りが心地好いみたい)していると、約束よりも少し早い位にアストさんがギルドの入り口に現れて、内部の喧騒に驚きの表情を浮かべる。


そんなアストさんと行動を共にしてもらっていたリンドヴルムは、作戦の為とは言えども、俺とは別行動になってしまっていた事に不満を抱き、アストさんに抱えられながら不満満載と言った感じの雰囲気を周囲に撒き散らしていたのだが、俺達が座っている席(より正確に言えば『俺』)を視認すると同時にアストさんの胸元から突如として飛び出し、慌てるアストさんを尻目に一直線に俺の元へと、文字の通りに飛んで来た。


そして、ここでは喋る事を俺に禁止されている為に口には出していなかったが、それでも


『主殿~!!』


だとか


『会いたかったのじゃ~!!』


だとかを叫びそうな雰囲気は伝わって来たので、仕方なくそのまま受け止めてやろうとしたのだが、俺との距離が詰まった事によって、それまで見えていなかったと思われる、俺の膝の上で蕩けているカーラの姿を目の当たりにしたリンドヴルムが、体勢はそのままで空中停止しながら目の光を消し去る、と言った離れ業を敢行する。


対するカーラも、リンドヴルムの接近によって意識を覚醒させたらしく、目の光を消した状態のままでホバリングしているリンドヴルムを俺の膝上から見上げるが、その目には隠しきれない程の『優越感』が滲んでおり、その視線の先に居たリンドヴルムの額には、まるでマンガの様に青筋が浮かび上がる。


……これは、下手をしなくても喧嘩になる、か……。


そう確信した俺は、ここでの騒動は出来るだけ勘弁願いたかった事もあり、急いで空中のリンドヴルムを捕獲すると、カーラと同じく膝の上に乗せ、右手でリンドヴルムの、左手でカーラのそれぞれ弱い処を擽り倒し、両者共に蕩けさせて強制的に喧嘩をする様な雰囲気では無くさせてしまう。

尚、リンドヴルムは喉元を擽られると速攻で蕩ける。中でも、俗に言う『逆鱗』の辺りが特に心地好いみたいである。

……敏感なのだろうか?


そんな下らない事を考えながら、それでもカーラとリンドヴルムへの追撃の手を休めずにいると、リンドヴルムが飛び出した事とその方向から、俺達が居るであろう方向を推測したのであろうアストさんが、こちらへとやや急ぎ気味に足を進めて来た。


「……タカナシ殿、何やら随分と騒がしくなっておりますが、何か問題でも発生したのでしょうか?」


「あーっと……実は、その件に関して、少々お聞きしたい事が有りまして……」


アストさんの質問に半ば質問で返す様な返答になってしまったが、そんな煮え切らない俺の態度から、何事かが発生している事を確信したのであろうアストさんは、先に俺から話す様にと促してくる。


それに甘えた俺は、現在起こっている騒ぎの原因が、俺が森で発見しぶち殺した『小鬼(ゴブリン)』が原因であるらしい事、その時にその場に居た数を聞かれて『六体だった』と答えたら、解体窓口のおっちゃんが顔を真っ青にしていた事、そして、俺達には今一ピンと来ない話なのだが、最悪の場合はこのクラニアムが無くなる可能性が高いとの事らしく、こうしてギルドの内部が騒がしくなっているのだ、と説明して行った。


「ーーーって感じすね、今ここが騒がしい理由としては。ただ、今一よく分からないのですが、あのゴミ共が『六体』固まっていると、何がそんなに不味いんでしょうか?それに、このクラニアムが無くなる可能性まで有るみたいですけど、何がどうなったらそうなるんですか?皆さん、一体何を恐れているのでしょうか?」


そう締め括って改めてアストさんへと視線を向けたのだか、そこには、あの解体窓口のおっちゃんと同じ様に顔を真っ青に染めたまま、どうにか身体を襲う震えに抗っている様にしか見えないアストさんが立っていた。


その様子に、慌てて椅子へと座らせ、体調不良を心配する俺達だったが、それは無用な心配と仕草で断り、俺達への説明を優先してくるアストさん。


……そして、呼び出された異世界人であるために、常識から考え方まで全て異なる俺達へと言い聞かせるかの様に、まず最初にアストさんが口にしたのは、



「……タカナシ殿、良く聞いてください。貴方が遭遇した『小鬼(ゴブリン)』は、貴殿方の世界ではどの様な格付けをされていたのかは知りませんが、この世界に於いては、『最悪』の事態に近しい『災厄』として位置付けられているのです。

それこそ、ひたすらに備えて漸く、ただ耐えて過ぎ去るのを待つ事の出来る様な『天災』と同じ様な、そんな位置に、です」



との事だった。



……え?マジで?





******





それからアストさんによる、この世界に於いての『小鬼(ゴブリン)』の危険性についての講義を聞いて判明した事を纏めると……



・この世界には、魔物に対しての『格付け』の様なモノが存在していて、それぞれが


常時存在し、自己繁殖しているのか、はたまた何も内処から発生しているのかは定かでは無いが、倒してもいつの間にか又現れる『通常種』


時折発生し、その特性や能力等を駆使して付近の生命体を脅かし、幾度も人類の生息圏を書き換えて来た、災害にも等しい『災厄種』


何時から存在しているのかは不明だが、その力は他のソレとは隔絶した強大さを誇り、その気になれば一体だけで現人類を絶滅させうる程の力を持っている、と言われている『古代種』


と位置付けられており、その中で『小鬼(ゴブリン)』は『災厄種』として認定されている事。


・『災厄種』の中でも比較的発生がし易く、その為生態等も比較的広く知られている。なので、奴らが他種族の(はら)を使って爆発的に増える事や、最初に発生する(と言われている)『ボス』の『進化』の段階によって、率いる群れの規模が飛躍的に変化する事は、悪い意味で良く知られているのだとか。


・通常の個体であれば、一体一体の戦力としては『災厄種』の中でも比較的弱く、冒険者のランクで言えば『銅級(Eランク)』上位の実力があれば一対一ならばまず負けない、程度の力しか無いのだが、ボスが進化するに伴って群れの中にも進化する個体が現れ、その数を大きく増やす上に、常に複数体で行動し連携して襲い掛かってくる為、安全に対処しようと思うと最低でも『銀級(Bランク)』は欲しい処らしい。

また、ボスの統率出来る範囲ギリギリまで群れが大きくなった段階で、群れ全体を率いてボスが出撃し近隣を襲い始める、と言った習性が有るらしく、その数によって展開される蹂躙力と、その性質上『超』が付く程の広範囲に被害をもたらす可能性が高い事から、群れが持つ『戦闘力』以上に恐れられているらしい。


・現段階での群れの規模と、その群れを率いるボスの段階によって小隊行動する際の数が異なる事も分かっており、それぞれ規模が小さい順に


将軍(ジェネラル)』クラス……小隊行動数は『3』、群れの規模としては平均で数百程度。若干早めに発見された時は、大体このクラスなのだそうな。まだこの段階で発見出来たのならば、多少の犠牲を覚悟した上でなら大きな被害を出さずに討伐することも不可能では無い。


総帥(ヒューラー)』クラス……小隊行動数は『4』、群れの規模としては平均で千から二千程度。基本的に、『小鬼(ゴブリン)』の暴走(スタンピート)と言うと、このクラスになるらしい。このランクまで規模が大きくなると、総大将のボス以外にも指揮官としての上位種が出始める。

発生場所周辺の街等からの討伐軍が編成・派遣されるが、それでも討伐にはかなりの犠牲と時間が掛かる事になる。


(キング)』クラス……小隊行動数は『5』、群れの規模としては平均で約数千に及ぶ。このレベルになると、群れの中の上位種に、『将軍(ジェネラル)』クラスの個体が現れ始める為、戦力的には『街』単位のソレでは到底足りず、『国家』単位での討伐軍が必要となる。

が、知らせを受け、最短で軍を編成し、精鋭クラスの戦力を初期投入しつつも、ある程度の数を使い潰す、位の思いきった作戦を展開し、考えうる最大限の効率で討伐が出来たとしても、街一つ程度が無くなった程度済めば比較的マシな結果だった、と言える程の被害が出る。


大公(タイクーン)』クラス……小隊行動数は『6』、群れの規模としては万に近くなる程の規模になるらしい。過去に数度しか確認されていないケースらしいのだが、それらが発生した場合は必ず国が傾く程の被害が出ているので、どれだけ前例が少なくとも人々の記憶に残っているのだとか。

戦力としては、群れの中の上位種として『総帥(ヒューラー)』クラスも確認された例も有るらしく、規模的にも国の保有戦力と真っ正面から喧嘩したとしても、確実に『半壊』以上の被害を与えた上で討伐されるか、過去のケースでは逆に軍を壊滅させて、その勢いのままに国土全域を蹂躙したケースも有るのだとか。


君主(ロード)』クラス……過去に一度だけ発生したとの記録が残されている。小隊行動数は『7』、群れの規模としては単位が万に切り替わり、ボスの配下も軒並み上位種レベル一歩手前位の戦闘力を持つらしく、指揮官としても『(キング)』クラスのモノがゴロゴロ存在し、並みの国家戦力では対抗する事すら叶わない程の凶悪な戦力と制圧力を誇ったとか。

当時、発生した場所に一番近かった国は、僅か一周足らずで滅び去り、その事に脅威を感じた周辺国が合同で数万単位での討伐軍を差し向けたらしいのだが、アッサリと殲滅されて周辺国諸ともに戦場付近は更地になってとの記録が残っている。

(※なお、その唯一記録の残っている『君主(ロード)』クラスのその後なのだが、暴れまわるだけ暴れた後に、パタリと被害が出なくなり、何者かに討伐されたのでは無いだろうか?と、記録では閉じられているが、その記録の筆者のモノと思わしき書き走りには

『あいつが最後に痕跡を残した付近には『古代種』が住み着いている、との噂が有った。何か関係が有るのだろうか……?』

と、書かれていたとかいないとか)


となっており、俺が森で『六体』と遭遇した事で、今回発生したモノが『大公(タイクーン)』クラスまで育ってしまっている事が確定している。


・一度暴走(スタンピート)を起こした『小鬼(ゴブリン)』の群れを討伐するには、周辺に展開される通常個体を削り、上位種も倒しきった上でボスを倒す必要があるが、これは暴走スタンピート初期に群れのボスを倒したとしても、それに次ぐ位の上位種達が、自らに率いれるだけの通常個体を率いて各地に分散するため、ボスを後回しにするよりも周辺への被害が大きくなる為なのと、単純にボスが一番強い為、周囲の戦力を削ってからでないと、まともに戦う事すら出来ないからである。



……と、言った感じである。


ソレを聞いていた時は内心で


『意外にヤバい奴その三登場!?』


とか、半ばふざけた事を考えていたが、現状としては真面目なお話が続いていたので、表には出さない様に極限まで気を使って話に耳を傾ける姿勢を保って見せる。


「ーーーと言う訳で、皆さんがここまで慌ただしくなっている訳です。分かって頂けましたか?」


「ええ、理解出来ました」


「……となると、かなり不味そうだな……」


「ここの戦力の質がどの程度かは分からないけど~、それでも話を聞く限りだと~、結構ギリギリになりそうな感じなのかなぁ~?」


「……そうですね。我が魔王国の軍は精強無比として周辺国にも知られておりますが、それでも今回は『大公(タイクーン)』ランクですので、正直に言えば勝てるかどうかは分かりかねます。

ですが、普段の暴走(スタンピート)であれば、被害が広がってから漸く動き出す事になるのを、タカナシ殿のお陰で動かれる前に攻撃する事が出来るのは、比較的幸運だったと言っても良いでしょうね」


ふ~ん?そんなモノかねぇ……?


なんて感想を、三人揃って思い浮かべ、どうせ国の軍が出るのなら、俺達には関係無いかなぁ……なんて事を考えていたのだが、そこにアストさんがある意味での爆弾を投下する。




「それに、これ程の規模の暴走(スタンピート)ともなれば、確実にギルドの方へも『緊急依頼』の発注が掛けられるハズですし、ほぼ確実に、第一発見者であり、ランク上昇の最短記録保持者であるタカナシ殿には指名で依頼が来るハズですよ?

『緊急依頼』ともなれば、報酬の一つとして『冒険者ランクの上昇』が確定で付いてきますし、その中でも特別な役割、それこそ、『小鬼(ゴブリン)』の生息域への案内等をこなせば、二段階で昇級も有り得なくは無いでしょう。

……確か、タカナシ殿は早めにランクを上げる事を目標にされていたと思いますが、ある意味では良い機会だったのでは無いでしょうか?」




そう言った後に、まぁ、もっとも生き残れれば、の話にはなりますが、どのみちタカナシ殿方の実力であれば、まず大丈夫でしょう?とも、何処かからかう様な空気を纏ったお言葉を頂いてしまう。


……すみません、ソレって、参加確定なんでしょうか?


なんて胸中で呟いていると、何処かから


「タカさーん!?タカさんはまだいらっしゃいますかー!!?」


と声が揚がる。


そちらを振り向いて見てみると、必死の形相で辺りを見回す、すっかり顔馴染みになってしまった受付のお兄さんであった。


……これは、逃げられないんだろうなぁ……。


そう半ばやけくそで俺が覚悟を決めたタイミングと、受付のお兄さんの視線が俺を捉えたのは、ほぼ同時だった、とだけ言っておく事にする。

面白い、かも?と思っていただけたのでしたら、ブックマークや評価、感想等いただけると大変ありがたいですm(__)m

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新作始めてみました 『血塗れの殺し合いはもうお腹いっぱいだったので、テンプレ展開を期待して追放される為にわざと非戦闘系スキルばかり選んだら、何故か戦闘系スキルの連中を差し置いて『救世主』扱いされる様になりました』 珍しく戦闘少なめなコメディよりの作品になってます ……なってるハズです 良かったら読んでみて下さいm(_ _)m
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