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クラス丸ごと異世界召喚~無人島から始まる異世界冒険譚~  作者: 久遠
第二章・魔王国編

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41・早速何か受けてみます

ブックマークや評価してくださった方々に感謝ですm(__)m


「では、こちらが貴殿方の『ギルドタグ』に為ります」


そう言われながら俺達三人に渡されたのは、何やら複数の言葉と思わしき文字が彫り込まれた金属製のタグと、真ん中にデカデカと一文字焼き入れられた木製のタグの計二枚のタグであった。


「これらは見て解る通りに、片方は貴殿方の申請された内容を刻印したモノとなっており、それを依頼の際に提示していただく事で、依頼の受注が出来ますし、身分証等の提示を求められた場合等でも、冒険者ギルドの一員である事を示す事が出来ます。そして、もう片方のタグですが、それに付けられている『F』の焼き印で解る通りに、そちらは今現在の貴殿方のギルドランクを示しています。まだFランクでしかない為に木製ですが、ランクが上がって行く度に更新されます。具体的に言えば

木製(F)』→『銅製(E)』→『鉄製(D)』→『青銅製(C)』→『銀製(B)』→『金製(A)』→『ミスリル製(S)』→『アダマンタイト製(SS)』→『オリハルコン製(SSS)

となっております。また、それと同時に、各ランクの別名として、それぞれのタグの金属で呼ばれる事も有りますので、まずはある種の蔑称となってしまっている『木製(ウッド)』から脱出するために、『駆け出し』からの卒業と目される、金属製へと変わるEランクを目指される事をお薦め致します。

是非とも、最高位のオリハルコンを目指して頑張ってる下さいね」


そんなセリフをお兄さんの笑顔と共にいただいた俺達は


(((……『ミスリル』とか『オリハルコン』とか有るんだ……)))


とか考えながらも、教えてくれたお兄さんに軽く礼を言ってから、受けられる依頼を探すべく、先程説明の中にも出てきていた『ボード』へと足を向ける。


その『ボード』には、様々な依頼の内容が書かれた依頼書が貼り付けられているだけでなく、どうやら受けられらランク毎に貼り出してもあるらしく、一定の間隔で仕切りが設けられているだけでなく、一目で何処がどのランクなのかが解るようにと、分けられているボード毎に、ランクに対応した金属片が上部に貼り付けてある様子である。


なので俺達は、他のボードに目もくれずに、上部に木のプレートと銅の金属片が貼り付けられているボードの元へと移動する。


そこには、他と比べるとソコソコ多めの依頼書が貼り出されており、それらを眺めながら、自らの実力で達成出来そうなモノを、もしくは、『自分ならば出来る』と思い込んで(・・・・・)、その身の丈を越えるモノを、それぞれがそれぞれの思惑に沿って依頼を舐める様に探している、俺達(17)よりも少し下に見える外見の若者が何人か見受けられた。


そんな彼ら・彼女らを横目にしながら、文字も読めなければどんな内容ならば適正なのかすらよくわかっていない俺達は、横のアストさんへとアドバイス……もとい選定をお願いする。


「そうですね……タカナシ殿方の実力であれば、本来はもっと高ランクの依頼の方が適当なのですが、ランクに合った範囲で、となりますと……この『グレイハウンドの討伐』か、もしくは『キラーグリズリーの討伐』等は如何でしょうか?」


そう言いながら、上部に木のプレートが掛けられているボードから、狼の様な絵が描かれている依頼書を、銅の金属片が付けられているボードから、熊の様な絵が描かれている依頼書を剥がして持ってきてくれるアストさん。


「原則的に、一度に受けられる依頼は一つなのですが、この二つは対象が同じ森で確認されている様ですので、恐らくは同時に受理される事となるかと思われます。それに、これはあくまでも『討伐』の依頼なので、それぞれの『討伐証明箇所』を回収してくるだけで済みますから、割りと対象の損壊等を気にしなくても良いので、比較的気楽に受けられるかと。まぁ、あまりグチャグチャにし過ぎては、他の素材の類いを回収出来なくなるので、出来るだけ綺麗に倒す事を心掛ける方が良いでしょう。

ちなみに、今回対象となっている『グレイハウンド』は尻尾が、『キラーグリズリー』は右前足が討伐証明箇所となっております。お間違いの無い様に」


「いやいや、食えるかも知れない獲物を、わざわざグチャグチャになんてしませんて。勿体無い……」


そう返しながら、アストさんが差し出して来た依頼書を受け取ろうとしたのだが、その依頼書は俺の手に渡る事なく、横から現れた手によって奪い取られる。




「ハッ!新入りがイキがってんじゃねぇぞ、おい!?

テメェらみたいな雑魚共が、そんな依頼なんざ達成出来る訳ねぇだろうが!ちったぁ考えりゃ解るこったろうがよ、おぉん?テメェらにゃ、こっちの『薬草採取』の依頼の方がお似合いだってんだよ!」




そんなことを喚きながら、アストさんから依頼書を奪い取ったのは、先程見掛けた、依頼書のボードに張り付いていた若者の内の一人であった。


その若者は、何やらこちらを……正確には俺の隣の辺りをチラチラと見ながら、如何に自分とそのパーティーが素晴らしいのか、これまでどんな実績を上げており、それによって昇格はもう間も無くであると思われる事だとかを自慢しまくると同時に、如何に俺達のパーティーがバランスが悪いのか、装備も見掛けだけで実用性がイマイチだし、何より強そうには見えない以上、俺達が上にのし上がるのは不可能であろう事、そして、自分達ならば限りなく上へと上がれる事は間違いが無いから、俺達なんて(・・・)さっさと切り捨てて自分達の所に乗り換えれば、成功は約束されたも同然だ!とか喚いているのを右から左に聞き流し、アストさんから奪い取られた依頼書の代わりに手元に来た『薬草採取』の依頼書を眺めてみる。


そこには、恐らくは依頼の対象となっている薬草なのであろう五又の草(何かの葉っぱにも見える)の絵が添付して描かれている。

まだ文字の読めない俺達では、この依頼書からはそれ以上の情報を得ることが出来ないので、素直にアストさんに通訳をお願いする。


「ええ、もちろん良いですよ?そんなに遠慮なんてなさらなくても、私が同行しているのはその為なのですから、ね?

さて、依頼の内容ですが、タカナシ殿の言う通りに、この依頼書に書いてある草が対象となっている、正式名『ブエルの手』、通称『薬草』となっております。この薬草の一株を『一本』と数えた上で十本で一束とし、それらを十束分集めてきて欲しいとの依頼ですね。報酬は安めですが、その分危険な森の奥まで入り込まなくても良いので、比較的難易度は低めです。

もっとも、依頼の分よりも多く集めてくれば、その分報酬も上乗せされますし、薬草自体が上質なモノであれば、取っておいて自分で使うなり、後で薬師ギルドに持ち込んで加工してもらうなりの使い途が有りますので、彼らの様なモノがバカにして良い様な低列な依頼では有り得ない、中々に重要な依頼ですね。あと、地味にこの手の採取依頼って、ギルドからの評価が高めに付きますので、意外とバカに出来ませんからね?」


……フム?

そうなると、これ(薬草採取)って、結構美味しい依頼、って事になるのかしらん?


「なら、さ?もうこれを受けるって事で良いよな?」


「……俺は構わん」


「僕も~、それで構わないよ~?それに~、確かタカは『調薬』の『技能』を持っていたよね~?」


「ああ、まぁな。それがどうかしたか?」


「多目に採ってきて~、練習がてらで試してみたら~?僕も~、何か面白そうなモノが有れば~、序でに採ってきて試してみるからさ~」


成る程、そう言われてみれば、確かにそっちの面でも手間が省けるから丁度良い、か?

それに、この手のファンタジーモノだと、大概は最初の依頼は『薬草採取』と決まっているから、それに沿う形にもなるし、まぁ、良いか。


「んじゃ、記念すべき初依頼はこれにしようかね?」


「……了解」


「じゃあ~、早速手続きしちゃおうか~?」


俺達へと『親切』にも、美味しい依頼を紹介してくれた彼の演説を、最後まで聞き流せないのは残念極まるが、それでも俺達にもそこまで時間的猶予が多くある訳でもないので、ここは欠伸を堪えつつも諸手を挙げ、さりとて彼に移動を気付かれ無い様に注意しながらカウンターへと移動し、先程と同じく空いていたお兄さんにお願いして手続きしてもらう事にしたのだが、そこで思わぬハプニングに見舞われる事となってしまった。


なんと、依頼を受けるための手続きで必要だった為、作りたてのギルドタグを提出したのだが、そこで予想外の事態が発生してしまう。

俺達に同行するために、アストさんもタグを提出したのだが、なんとそのタグを使用しなかった期間が長すぎて、再度冒険者として活動する為に手続きをしなければならなくなったしまったのだ。


幸いにも、手続き自体はそれほど面倒なモノでは無いらしいのだが、とにかく時間が掛かるらしい上に、俺達が依頼で行こうとしていた森は、そこまで分かりにくい処に在るわけでもないらしいので、残念ながら今日は別行動を取る事と相成ってしまったのであった。




******




痛恨のミスにより、タカナシ殿方に同行する事が、今回は叶わなくなってしまった私は、冒険者ギルドから一度出て、こうして見送りをさせてもらっています。


一応、依頼書に記されていた森に関しての簡単な植生と注意点を説明した上で、どう行けば良いのかが分かるように、書かせて頂いた簡単な地図もお持ちいただいたのですが、それでもやはり万難を排除すると言う意味合いでは、私本人がお側でサポートさせていただいた方が安心できたのでしょう。


……いや、それは言い訳になりますね……。


私は、魔王陛下の側近の一人としてでは無く、また、魔王陛下の『影』としてでもなく、私個人として、あのお方の側に居たいと、一人の女として、あのお方の隣に居たいと望んでいるのでしょう。


万難を排除する、とは言っても、お一人で『首薙ぎ兎(ヴォーパルラビット)』を討伐出来るだけの戦力をお持ちになられているのですから、あの方々をどうこう出来るだけの勢力が、そもそも存在するのでしょうか?と言った結論が出てしまう事になるでしょう。


……ですが、だとしても、今までで唯一、私の正体を、忌み子だと知られた上で、私を受け入れて、『美しい』と言って下さったあのお方と共に、その隣に在りたいと想う事の、何が悪いのでしょうか?


そんな想いを胸に秘めつつ、タカナシ殿方の後ろ姿が小さくなるまで見詰め続ける。

時折振り返っては、私に対して手を振って下さりましたが、それでも数分もしないうちに、その姿を目視する事も叶わなくなってしまい、名残惜しいながらも、済ませるべき事を済ませるべく、ギルドの入り口を再度潜る事になりました。


少し前に出て行ったモノが戻ってきたと言うことで、多少の注目を集める事となりましたが、別段他に用事が在るわけでも無く、またそれと同時に興味が有るわけでも無いので、真っ直ぐにカウンターへと向かおうとしたのですが、その進路を阻むように一つの影が私の前へと躍り出て来たのでした。



「よぉ、わざわざあの雑魚共を見送ってから、一人で戻ってきたってことは、俺の女になりに来た、ってことだろ?なら、他のメンバーに紹介してやるから、さっさとこっち来いよ!」



そんな世迷い事を喚いているのは、あの時私の手からタカナシ殿へ渡そうとしていた依頼書を、横から掠め取った、何処の誰とも知れない若造でした。


そんな彼は、どうやら私が彼について行く事を欠片も疑ってはいない様子で、さっさと併設された酒場の席へと足を運び始めていましたが、別段私が付いて行ってあげないとならない理由は無かったので、そのまま付いて行かずにカウンターへと足を進め始めました。


しかしその矢先に、私が自分の後に付いてこない事を悟ったらしいあの若造が引き返して来て、無作法にも私の腕を無理やり掴んでつれて行こうとしてきました。


「……おい、こら、このアマァ……、人が優しくしてやりゃ良い気に成りやがって!テメェはオレラの肉奴隷になってりゃ良いん」






「……何時まで触れているつもりだ?この下朗」






私の腕を掴んだまま、出来もしない(・・・・・・)妄想を垂れ流しにしていた若造に耐えかねて、思わず私本人も背筋が冷たくなった様に感じられる程に、怒りが込められた声が発せられました。

それだけでなく、私の腕を掴まれている事にどうしようもない位の生理的嫌悪感が沸き上がってしまい、思わず掴まれたまま(・・・・・・)の腕であの若造の頭をわしづかみにすると、そのまま即死しない程度の力で床へと叩き付け、後頭部を床へとめり込ませてしまいました。


その光景に周囲は一瞬愕然とした様子でしたが、すぐ様周りのモノ達が騒ぎ立てると、そこに床に頭をめり込ませ、白目を向いて失禁しながら失神しているこの若造の仲間と思わしき連中が、席を蹴り立てて私に敵意を剥き出しにしたままで近付いて来ようとしていました。


それに対応するべく立ち上がろうとしたのですが、その時に、ギルド内で提出する際に出しやすい様にと、首から掛けていたギルドタグが、タカナシ殿を誘惑すべく開き気味だった胸元からこぼれ落ちて、周囲の目へと晒される事となりました。



そう、私の所持する『ミスリル製』のギルドタグが。



それを目にした瞬間に、それまで私に近付こうとしていた連中や、周囲で囃し立てていた連中が、纏めて黙り込む事となりました。


そんな中私は、周りをゆっくりと見回した上で、首もとからぶら下がる形となっていたギルドタグをわかり易い様に掲げてながら、こちらもゆっくり確りと発音して、この場に居る誰もが聞き取れる様に質問します。


「……それで?私は、何処の誰の女になれば良いのか?ん?

ちなみに、私には既に身も心も捧げるべきお方がおられるし、そのお方は私では手も足も出ない程の『強者』故に、手出しして無事に返してもらえるとは思わない方が良い程のお方だが、この事をご報告しても構わないのだろうな?」


そう問い質してみれば、皆一斉に視線をずらした後に、一様に顔を青くしている様子でした。


そして、あの若造の仲間達は、面白い程に顔色を悪くした上で、口々に私に謝り、その上であの若造が勝手にやらかした事だから、自分達は関係が無い、むしろ自分達は止めたのだ!などの言い訳をしてから、床でだらしなく気絶したままの若造を放り出したままで、一目散にギルドから逃げ出して行ったのでした。


そんな情けない様を目の当たりにさせられた私は、ヤレヤレと溜め息を一つ突いてから、最初の用事を済ませる為に、ギルドのカウンターへと足を進めるのでした。





******





案外と心配性なアストさんに見送られてギルドを発った俺達は、昨日クラニアムに入る際に迷惑を掛けた衛兵さん達に、頭にしがみついたままのリンドヴルムごと軽く頭を下げて挨拶をしながら、取ったばかりのギルドタグを提示して見せ、依頼によっての行動であると示すことで、無事に正面門から外に出る事に成功する。

そして、そこからアストさんに貰った地図を頼りに移動を開始し、依頼書に書いてあった(らしい)森を目指す。


『……ふぅ、ようやっと話しても構わぬ状況になったようじゃのぅ……』


そう溢すのは、今の今まで好きに行動することも、俺に話しかける事も禁止されていて、些か不機嫌を通り越しそうになっていたリンドヴルムであった。


『……しかし、主殿よ?先程の小生意気なムシケラ共に、好き勝手やらせたままで良かったのかのぅ?あの手の輩は、先程のような事柄は、必ずと言っても良いほどに、自らの『武勇伝』として吹聴する故に、主殿の名声に傷が付くことになりかねぬのじゃが、何故にあの場で叩き伏せなんだかのぅ?主殿に掛かればあの程度、片手でもオツリが来るであろう?』


そう、半ば呆れた様な口調で俺に質問してくるリンドヴルムに、人間社会って言うのには、色々と面倒なことが有るんだよ、とか返しながら、地図に従って移動する事約十分程で、俺達は今回の依頼の目的地であると思われる森へと到着するのであった。


……さて、気合い入れて採取するとしますかね!

つ……次こそは、次こそは必ず動きが有る……ハズ……


予定の通りに能力解説


亜利砂・連撃……自身の攻撃をストックし、任意のタイミングで相手にぶつけられる能力。その気になれば、微妙にずらしたタイミングで複数の相手に全方位攻撃を仕掛ける事すら可能だが、本人的な認識では『その場の攻撃をストックし、任意のタイミングで相手にぶつける能力』であると思っているので、使いこなせる様になるのかは、今後の亜利砂次第である。

能力だけでみれば、主人公達にも届きうるだけのポテンシャルを秘めている。


※次回は音澄の能力解説……の予定


面白い、かも?と思っていただけたのでしたら、ブックマークや評価、感想等頂けると大変ありがたいですm(__)m

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新作始めてみました 『血塗れの殺し合いはもうお腹いっぱいだったので、テンプレ展開を期待して追放される為にわざと非戦闘系スキルばかり選んだら、何故か戦闘系スキルの連中を差し置いて『救世主』扱いされる様になりました』 珍しく戦闘少なめなコメディよりの作品になってます ……なってるハズです 良かったら読んでみて下さいm(_ _)m
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