40・いよいよ、冒険者ギルドに登録します!
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※昇格試験の在るランクを間違えていた為に修正致しました。
結局、俺達以外の女性陣は全員が魔王に弟子入り(?)する事となりはしたが、取り敢えずとは言え全員分の進路が決まり、これからの展望にもある程度の目処を立てられたので、魔王城から失礼しようとしたのだが、魔王の
「……え?そなた達、帰るのか?てっきり泊まって行くモノとばかり思っておったから、既に部屋の準備もさせておいたのだが?それに、まだ拠点も無いであろうそなた達が、何処に帰るつもりなのであるか?もう日も落ちてしまっておるから、既に宿も埋っておると思うぞ?」
との言葉によって、慌てて窓の在る場所まで移動してみると、既に辺りは真っ暗になってしまっていた為、魔王の言葉に甘える形となって、そのまま魔王城に泊まる事となったのであった。
そして、全員揃って豪華な食事(何かのイベントですか?と言う位に豪華でした)を堪能したり、これまた豪勢な風呂をご馳走になろうとした時に、何故か魔王まで俺達の居た男湯へと乱入してきたり、魔王と駄弁りながら湯船に浸かっていると、何故か隣の女湯の方向から視線を感じ、近寄ってみたらバッチリ目と目が合って、逆覗きをされていた事が判明(乾の自供により、追加で三名+一頭が後程逮捕される事となった)したりと言った具合に、慌ただしくも騒がしく夜は更けて行ったのであった。
そして、そんな一夜が明けて朝になった今現在、俺達(俺・タツ・レオ・アストさん・リンドヴルム)は、俺達の初期登録を済ませるべく、冒険者ギルドの建物へと足を向けているのであった。
比較的早い時間帯であり、まだ太陽も完全には上がりきっていない様な時刻だったが、それでもこの魔王国の住人の方々にはあまり関係が無いらしく、冒険者ギルドへと向かう途中の道には出店が並び、騒がしくも活気に満ちた掛け声で客を呼び込み、石畳で舗装されている大通りには、荷物を満載にした馬車(牽いているのは馬ではなく謎のモフモフだったけど)が行き交い、これから開くのであろう商店に荷物を運び込んだりしている様子が伺えた。
「しかし、行きはそれなりに急いでいたから、確りとは見れてなかったけど、やっぱり首都だけあって、結構しっかり造られているみたいだな……。基本的石造りみたいだけど」
「……良く見れば解るが、大きめな建物には、簡易的ではあるみたいだが、コンクリートも使われているみたいだ」
「パッと見は~、中世っぽい感じだけど~、所々に近代的な技術も使われているみたいだし~、もしかして~、僕達と似たような時代背景の処から~、過去に召喚された人達が伝えたりしたのかなぁ~?それとも~、元々在った魔法の技術の応用の結果かなぁ~?」
「だとしたら、何処ぞの偉人の名言は、案外と『真理』を突いていた、って事になるのかね?……まぁ、あんまり関係無さそうな気もするけど」
確かに、レオの言う通りに、石畳の道だとか、石造りの建物だとかが多い為に、元居た世界で言う処の中世程度の文化レベルかと一瞬思いかけたが、よくよく見てみれば、道を走る馬車の車体にはサスペンション(但し木製)が着いているし、その馬車が走る道も、石畳では在るけれども綺麗な平面を描いていたりする。
建物も補強用の建材が壁にクロスするように打ち込まれて?塗り込まれて?いるみたい(耐震構造?)だし、たまに目に入る裏路地にも、本当の中世であれば放置されていたであろう死体や排泄物……はまぁ、これまでの観察から、無いだろうなぁ、とは思っていたが、それでもゴミやら何やらも見当たらない事から考えても、かなり高いレベルで文化が発展している事を推測することが出来るだろう。
……まぁ、それぞれで発展の主な原動力となっていると思われるモノのが、科学か魔法かの違いである以上、比較のしようが無いと言われてしまえば、それでおしまいなのだけれどもね?
そんな人で賑わう通りを、アストさんのナビゲートに従い、目的地である冒険者ギルドへと進んで行く。
流石に、交易都市でもあったカーパルスでは、俺達と外見が似ている『人族』の人達も多く見られたが、ここクラニアムではそれなりに珍しいらしく、道行く人々からもすれ違い様に好奇の視線を向けられる事が多い様に感じられる。
……まぁ、最初に心配していた、この国を含めた周辺国家と険悪な仲に成りつつあるヴァイツァーナントカ王国が『人族』の国なので、そこから来る『人族』への悪感情を向けられないか、と言う心配は、一部のご老人以外からは睨まれる事も無かったので大丈夫と言えば大丈夫だったが、どちらかと言うとアストさんに対する、例の古臭い差別意識によって顔をしかめる老害共の方が多かった様にも見受けられたが。
もっとも、そうやってアストさんに対して悪感情を発露させていたご老人には、心臓が止まるかどうかのギリギリのラインで加減した、殺気による気当たりを受けてもらって、その残り短い寿命が尽きるかどうかの感覚で『オシオキ』って事にしておいて上げたけれどもね。
……『オシオキ』ってレベルじゃあ無い?
ハハッ、まさか!
十二分に『オシオキ』程度の事じゃあないか!
その気になれば、手加減なんてせずに、残り少ない余命を強制的に『0』にすることだって、やろうと思えば出来たのだから、確りと手加減してあげているでしょう?
現に、俺がやり過ぎていると感じたのであれば、即座に止めに入っていたであろうタツとレオの二人も、俺のやっていた事に気付いていながらも、ただ『仕方ないなぁ』とでも言いたげな視線と苦笑いを浮かべるだけで、特に止めるように促す訳でも、実際に止めに入る訳でも無かった事から考えると、やはり二人も腹に据えかねていたって事なのだろうね。
そんな感じで一部の人々が地獄の苦しみを味わう事となりながらも、概ね平穏無事に通りを歩き続けていると、視界の中に、他の建物よりも明らかに大きな建築物が飛び込んで来た。
その建物は、外からでは詳しくは判断しかねるが、それでも確実に3~4階建ては有ろうかと言う高さを誇り、その正面に据えられた入り口と思わしき大扉は、そこまでのサイズが必要なのか?と問い詰めたくなる程のサイズを持ち、そして、そんなサイズを誇りながらも、鎧を着込んで剣を腰から下げた人や、つえを持ってローブを着込んだ人なんかが、忙しなく行き交うその入り口の隣には、剣と杖と思われる意匠が交差している様な絵が描かれている看板が掛けられているのであった。
「アレが『冒険者ギルド』……で合ってますかね?」
目の前の建物を指差しながら、横にいるアストさんへと問い掛ける。
「ええ、そうなります。本来であれば、もう少し遅い時間帯に出発して、先に武具や防具の類いを揃えてからの方が、余計な『ちょっかい』が減ってやり易いのですが、幸いにもタカナシ殿方は自前でお持ちになられておりますので、こうして直行させて頂きました。
この位の早朝であれば、登録に少々手間取ったとしても、簡単な依頼の一つや二つは受けられる程度の余裕は有るかと思いますので」
そう説明しながら、俺に『解ってます♪』とでも言いたげな微笑みと共に、パチリとウインクを一つプレゼントしてくれるアストさん。
……ここだけの話、俺はとある理由から早めに冒険者の『ランク』を上げておきたいので、依頼の数をこなせるのは有難いだけなのだが、まだそれをタツとレオ以外には口に出していないハズなのに、何故に知っているのでせうか?アストさんや?
……マジでこの人、『技能』の類いで『読心術』でも持っているんじゃあるまいなぁ……?
そんな疑惑を内心で深めながらも、アストさんを伴って冒険者ギルドの無駄に大きな入り口を潜る……前に、予め魔王を含めた数人から言い含められていた通りに、レオの『空間収納』から武装を建物の影で取り出して、各自で装着して行く。
なんでも、録に装備品も付けずにギルドに行くと、大した実力は無いと判断されるらしく、柄の悪い連中に絡まれ易くなるのだそうな。
先程のアストさんの『武具や~』の下りもそれを考えての事なのだろうと思われるが、俺達は元より一通り持っているので、予め装備しておけば、まぁ、絡まれる事も無いだろう。……多分。
そんな訳で、野外にも関わらずにお着替えを敢行し、これから戦場に行く訳でも無いのに完全武装状態となった俺達は、改めてアストさんの誘導に従って、無駄に大きいギルドの入り口を潜るのであった。
******
入り口を潜った俺達がまず目にしたのは、入り口から見て正面に在る幾つも並べられたカウンターであった。
それぞれのカウンターには一人ずつ受付の人がおり、そこに何人かの冒険者(多分)が並んだり話し込んでいたりと、様々な様子を見せている。
その正面から視線を左右に向けてみると、入り口から向かって左側は売店になっているらしく、入り口付近からでは良く見えないが、どうやら細々とした消耗品の販売や、依頼で採ってきた素材等の買い取りも合わせて行っているみたいである。
そして、入り口から向かって右側は、この手のファンタジーモノでは定番の酒場となっているらしく、まだ朝早い時間帯だと言うのに、ジョッキ片手に赤ら顔で乾杯しているおっさんが、何人か見受けられた。
その内の何人かは、新顔かつ基本的に『魔族』しか来ないハズの首都メレゲトンに在るギルドに、俺達の様な外見上は『人族』に見える連中が来ていることに怪訝な顔をするものの、特に絡んで来る様な事はせずに、それまで向いていた方へと向き直って、改めてジョッキを煽り始めていた。
……フム?
予想では、最低でも一人か二人位は『お前らの様な奴が~』と言った感じで、テンプレ気味に絡まれるかと思っていたのだが、そんなことを心配するだけ無駄だったって事かね?
そんな感じで、やや不思議そうにしていると、苦笑いを浮かべたアストさんが状況を説明してくれた。
「タカナシ殿が何を考えていたのかは、大体解りますが、貴殿方が今着けている装備を見て、絡んでも大丈夫な相手かどうかなど一目で理解出来ない様なモノでは、冒険者としてはやっていけませんから、そうそう絡まれる事は無いと思いますよ?」
そう言われて、俺と同じ様な事を考えていたらしい二人とほぼ同時に、自身の装備へと視線を落とす。
俺は何時もの『濡烏』改め『朱烏』を穂先に鞘を着けた状態で肩に担ぎ、腰の両サイドに小太刀と厚刃の短剣を差し、身体にはリンドヴルムに壊された軽鎧?と似たような形の鎧(リンドヴルムからのドロップ品)を纏っている。
タツはパッと見た感じでは、大した装備はしていない様にも見えるが、後ろ腰には緊急用の小太刀が差し込まれているし、腿に巻かれているポーチには、投擲用のダガーが仕込まれている。そして、メインウエポンの『龍鱗』は、完全固定こそはしていないモノの既に腕へと装着自体は済ませてあり、いざとなればそのまま殴り付ける事も可能となっている。
おまけに、服の下には、俺の鎧と同じ様にリンドヴルムからのドロップ品であり、試しに俺の『朱烏』で突いてみても無傷で耐えきった鎖帷子(何かの鱗を使っている様にも見える)を仕込んであるので、下手な全身鎧よりも、地味に防御力が有ったりする。
レオは何時もの如く、腰の両サイドに『虎爪・狼牙』を差し、全身に小柄や棒杭を仕込んでいるのだが、今回はその上から、俺達のソレと同じ様に、リンドヴルムからのドロップ品である、羽織っているだけで気配が隠せる上に、魔力を通せば姿も隠せるローブ?マント?を装備している。
予め武装して行く事を進められた以上は、と少々気合いを入れて『おめかし』してきたのだが、どうやらやり過ぎて悪目立ちしている状態に近い扱いを受けているみたいである。
まぁ、絡まれなければソレでよいのだから、別に良いのだけれどもね?
アストさんの言葉に
「そんなもんですかね?」
と適当にも思える様な返事を返しながら、まずは肝心要の冒険者としての登録を果たすべく、空いているカウンターを目指して足を進める。
パッと見た感じでは、やはり女性が受付しているカウンターの方が混んでいる様にも見えるので、別段拘りが有るわけでもない俺達は、取り敢えず空いていたカウンターへと進んで行く。
「冒険者ギルド・魔王国メレゲトン本部直轄・クラニアム支部へようこそいらっしゃいました。……おや?『人族』の方がここに来られるとは珍しい。ご依頼ですか?」
そう声を掛けてきたのは、褐色の肌に角を生やした20代後半位のお兄さんだ。
間近で見てわかったが、瞳が横に伸びているから、多分下半身はヤギっぽくなっている人だろう。
「いえ、依頼ではなく登録をしに来たのですが、お願い出来ますか?」
「ご登録ですね?では、このメレゲトンに在住の方からの推薦状と、登録金として一人銀貨五枚ずつお支払願いますね。推薦状が無い場合は、登録金が十倍の小金貨五枚になる上に、犯罪歴が無いかどうかのチェックが入りますがよろしいですよね?」
「了解です。少々お待ちを」
そう返事をしてから、腰のポーチに入れておいた財布と推薦状(made in 魔王)を取り出して、タツとレオの分を含めてカウンターの上へと積み上げる。
なお、先程の銀貨やら何やらの下りは、この世界での共通の硬貨であり、最低貨である『銅貨』から始まり『銀貨』『金貨』『白金貨』と上がって行く。そして、それぞれの価値は、下位の硬貨百枚で等価として扱われるので、銅貨百枚で銀貨一枚、銀貨百枚で金貨一枚、金貨百枚で白金貨一枚の計算になる。
もっとも、それだけでは使い勝手が悪いので、中間貨幣として一回り小さい『小銀貨』『小金貨』と、逆に一回り大きな『大金貨』が存在する。それぞれ、銅貨十枚で小銀貨一枚、銀貨十枚で小金貨一枚、金貨十枚で大金貨一枚の計算となる。ちなみに、『小白金貨』が作られなかった理由としては、『白金』(プラチナの事である)の加工が面倒であったから、と、為政者側から言質を頂いている(某バ◯ル情報)。
ちなみに、銅貨一枚が大体百円位の価値なので、この登録料は結構高めだと思う。
俺が取り出して、カウンターの上に置かれた硬貨と推薦状を回収し、硬貨を入れ物に入れてから推薦状を開き推薦人を確認する受付のお兄さんだったが、そこに書かれていた名前を見て一瞬動揺を顕にするが、即座に立て直してソレまでと変わらぬ態度で対応してくる。
「……推薦状、確かに預かりました。では、こちらの用紙に『氏名』と『職業』そして、『開示しても構わない『技能』』を記入の上で、提出してください」
そう言われて渡された用紙を片手に、カウンターから離れてソレ用のモノと思わしき机に全員で向かう。
「では、すみませんがアストさん、お願いします」
「……頼む」
「お願いね~」
「承りました。では、事前の打ち合わせの通りに書いておきますね」
俺達では、字はまだ書けないので、アストさんに代筆をお願いする。
まぁ、俺達の名前とそれぞれの得意武器からの職業割り振り(俺は『槍使い』タツは『武闘家』レオは『斥候』)、後は『技能』として『野営』系のを書いておく様にお願いしたから、多分そんなには怪しまれないだろう。……多分。
ここで情報を出し渋ると、ギルドの方にも怪しまれるし、依頼の際に他の人と組む必要に駈られた際に、互いの役割やら出来ることやらの把握が出来なくなるからね。
辺りを眺めながら待っていると、代筆をお願いしていたアストさんが書き終えたらしいので、用紙を片手にまだ空いていたカウンターへと提出に行く。
「……うん、不備は無いみたいですね。一応お聞きしておきますが、今ご登録されるメンバーでパーティー申請はなされますか?」
「お願いします」
パーティーとは、冒険者同士で組んで活動する際の最小単位であり、申請しておけば他のパーティーメンバーが完遂した依頼でも評価される事が有るため、組んでおくことを推奨されている。
「では、その様に。さて、これで貴殿方は晴れてこの冒険者ギルドの一員と成られた訳ですが、このギルドにおけるルールとランクの仕組みは理解されていますか?」
「一応は。確か、ギルドメンバーは全員にランクが振られており、依頼を完遂する事で評価が上がり、一定の評価を受けたモノが次の段階へと昇格することを許可される、でしたっけ?」
「ええ、大体そんな感じです。付け加えるのであれば、その冒険者のランクは下から順にF・E・D・C・B・A・S・SS・SSSと別れており、CからBへと上がる際と、AからSへと上がる際にはそれぞれ認証の為の試験が課せられますのでご注意下さいね?まぁ、受けられる処まで行けるかは分かりかねますがね?
それと、依頼自体はそこのボードに張り出して有りますが、自身のランクよりも一つ上までしか受けられませんので、そこは注意してください。うっかり高ランクの依頼を持ってこられても、受けられないだけでなく赤っ恥をかくことになりますからね?
では、改めましてようこそ、冒険者ギルドへ。Fランクの新人冒険者さんとして、活躍を期待しておりますね?」
こうして、俺達は冒険者と無事に登録する事に成功したのであった。
……さて、何を受けようかな?(ワクワク!)
一応、次からは多少動きが出る……予定です。
予定の通りに能力解説。
レオ・空間収納……自身が触れたものを、別の空間(時間は止まっている様子)に収納し、それを自在に取り出す能力。中に入っているモノは、意識すれば頭の中にリストみたいなナニカが出てくるので、その気になれば参照が可能。収納する際には、その対象に触れている必要が有るが、出すときは自身を中心とした半径10m以内であれば、好きなように取り出す事が出来る。なお、一応は上限と言うか、容量が決まっているみたいだが、今のところは貨物用コンテナの隅っこにスーツケースを数個放り込んだ程度にしか圧迫していない模様。
※次回は亜利砂の能力解説……の予定。
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