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クラス丸ごと異世界召喚~無人島から始まる異世界冒険譚~  作者: 久遠
第二章・魔王国編

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35・おっと女性陣の様子が……?

一応、予告の通りに『修羅場』回となっております


ブックマークしてくださった方々に感謝ですm(__)m

アストさんから突然すぎる程に突然に飛び出した爆弾発言によって、暫しの間沈黙に支配される室内。


そんな中で俺は、自分が今どんな顔をしているのかすらはっきりとは分からない程に混乱しながらも、どうにか先程の発言の意図を読み取ろうと、半ば無理やり脳ミソを回転させる。


先程彼女は『結婚の許可』をくれ、と言っていたが、それには相手が必要不可欠だし、その相手の意思も重要になってくるハズだ。


その点、何故か俺の名前が挙げられていたが、そもそもそんな話は今聴いたばかりで同意も糞もない状態だし、その後に出てきた『婚約している』との話も、俺的には全く心当たりの無いお話である。


……確かに、アストさんからはあのベレトの一件から、おそらく男女の間で異性へと向けるのであろう類いの好意を向けられていたと言うことは、あれだけの事をされている以上、自覚はしている。


だが、だからと言って、ここまで踏むべき段階を全てすっ飛ばした様なトンデモ行動に出られる程に執着されているとも、陳腐な言い方になるが『愛されている』とも思えない。


……ならば、何か隠された意図が有る事を前提に考えて、行動をするべきか?


そう思って俺が口を開こうとしたタイミングで、俺と同じ様にアストさんの爆弾発言にて思考停止していたと思われる魔王様が再起動を果たし、その端正な顔の額に深々と皺を刻みつつ、片手で米噛みを揉みながらアストさんへと声を掛ける。


「……アシュタルトよ。そなたは先程と余に『結婚の許可』を求めた、と言う事で相違は無いか?」


「……?はい。その通りにございます」


何を今更、と言わんばかりの表情で言葉を返すアストさん。


そんなアストさんの様子と、表面上は今だに先程のインパクトから抜け出せていない様子の俺を視界に納め、深々との溜め息をつく魔王様。


「……アシュタルトよ。余は、そなたの事を長く見てきた。様々な誹謗・中傷の絶えなんだそなたが、そうして触れ合えるだけの好意を抱ける異性を見付けられた事には、素直に『おめでとう』と言葉を送らせてもらおう。

……だが、だからと言って、そこまで段階を急がぬでも良かったのではないのか?現に、そなたが腕を抱いておるタカナシ殿?は、まだ驚きより復帰しておらぬぞ?もしかして、そなたは何も説明や説得の類いもせずに、こうして突然『結婚』等と言い出したのでは有るまいな?」


……大正解です、魔王様……。


その意を伝えるために、身体の方も無理やりに覚醒させ、全力で首肯して見せると、やっぱりか……、と言わんばかりの空気を出しながら、両手で頭を抱える魔王様。


そんな魔王様に対して、貴方の部下なのだから、確りとコントロールお願いします!と視線で訴えかけていたのだが、そんな俺達の無言のやり取りを眺めていたアストさんが、さもその様子を不思議そうにしながら口を開く。



「……しかし陛下。今回婚約を申し込んで来たのはタカナシ殿でありますし、私も結婚の意思ありとして返事を返してありますので、別段タカナシ殿の意思を無視しての行動、と言う事では無いハズですが?」



……なん……だと……?


思わず、視線で『そうなのか?』と問うて来る魔王様に対して、俺も同じく視線にて『身に覚えが有りませぬ!』と返した処で、何故に録に話した事も無いような人(『魔族(イヴル)』?)と、何が楽しくて視線だけで会話を成立させてるんだ?俺は?と言った感じの思考に行き着いてしまい、少々ブルーな気持ちになってしまう。

……少し気になったので、チラリと視線を向けてみると、どうやら魔王様の方も、俺と同じ様な思考に行き着いたみたいで、少々顔色を暗くしていた様子であったのだけれども。


何故か魔王様と通じあってしまった事に、少なくない絶望感(イケメンと通じたって……ねぇ?)を感じていると、そう言えば他の女性陣がやけに静かなままである事に気が付く。


普段であれば、こんな爆弾発言が放り込まれれば、ほとんど即座に最終戦争(ハルマゲドン)クラスの血で血を洗う様な血みどろの闘争が始まるハズなのだが、それが発生していない処か、その発言を受けての『殺気』や『瘴気』が発せられてすらいないのである。


流石に、何かあったのか?と振り返ろうとしたのだが、その時、今だにアストさんが組み付いている左腕とは反対側の右腕を誰かが掴み、その後の体温の感じや右腕から感じられる感触等から考えると、どうやら誰かに抱き抱えられた状態となっているみたいである。


何事か!?と思ってそちらへと視線を向けると、やや俯きがちな感じで顔を伏せた乾が、俺の腕へと抱き付いて来ていたのだ。



……はい?どう言う事?



アストさんの爆弾発言によって引き起こされ、時間経過によって徐々に治まりつつあった混乱が、乾の突発的な行動によって再燃し、再び固まってしまった俺を見て、『好機』と見たのか、それとも行動を起こした乾に負けじとしたのかは定かではないが、ここ最近アストさんが俺にくっついていると色々と飛ばしてくる女性陣の方々が、まるで『乾に続け!』とでも言わんばかりの様子で、俺の周辺に集まってくる。


何事か、とパニックが極まりすぎて、逆に冷静になってきた頭で考えていたのだが、そんな俺の思考を完全に吹き飛ばし、粉々に粉砕してくれる様な爆弾が、女性陣の手によって投下される事となる。




「「「「『私(拙)(オレ)(妾)も、小鳥遊君(主殿)とは婚約しているから、アストさん(ちゃん)が結婚するのなら、私達も彼と結婚させてもらう!!』」」」」




この、事実の捏造を超えたナニカの炸裂により、元よりアストさんの発言から復帰しきれていなかった魔王様が呆然とする表情を、何処か他人事の様に眺めながら俺は、次々に炸裂される爆弾発言の威力によって現実を受け入れきれなくなり、精神の安定や保全、その他諸々の理由によって、その場でパタリと倒れ込み、周囲の女性陣の悲鳴を子守唄に意識を喪失させるのであった。





******





「……落ち着かれたかね?」


「……ええ、何とか」


俺が気絶してから数分程経ち、ようやっと意識を取り戻した上で軽い錯乱からも復活した現在、俺は、魔王様と二人だけで向かい合って話をし始めていた。


「……一応、他の方々には、そなたから詳しく話を聞きたい、との名目で席を外して頂いておるが、もし希望されるのであれば他の方々にも同席して頂くが、如何なされる?」


「あ~……いえ、呼ばない方が良いでしょう。迅速かつ的確な情報交換には、かえって人数が少ない方が良い事も有りますし、他の面子を呼び込むと、またあの混沌(カオス)が発生しかねませんので、このまま進めるのが宜しいかと」


「……ふむ、それは然り。なれば、このまま進めると致しましょう。

では改めて、この魔王国の国王を務めております、バアル=ゼブス・ベルゼビュートと申します。以後お見知り置きを」


「飛鷹流古式槍術継承、小鳥遊 博正。一応、あの集団の纏め役の様なモノを務めさせて頂いておりました。この度は、我々の救出のために手を尽くして頂いて、一同感謝しております」


改めて自己紹介をしあって、軽く頭を下げ合う俺達。


……ふむ、『魔王』と聞いていたから、どんな人(『魔族(イヴル)』)かと思っていたけど、案外と波長の合いそうな感じ、かな?


「……元より、この世界の住人の都合を、そなた達に無理やり押し付けた結果の出来事であった故に、こちらが謝罪こそすれども、そなたらが恩を受けたと思われる必要は有りますまい。

さて、では話を進める為にも単刀直入にお聞きしたい。タカナシ殿、アシュタルトが言っていた事は、どの程度真実なのかな?それと、アシュタルトをどう想っているのかも、加えて教えてもらえると、有難いのだが?」


「そうですね……。婚約云々や結婚がどうのと言った話は、自分はあそこで初めて聞きましたし、どうしてそうなってのかは自分が聞きたい位です。あと、アストさんの事は好ましくは思ったおりますが、特別な感情を抱いている、それこそ『愛している』と言うわけでは多分無いと思います。と、言うよりも、今自分が誰か異性に対して愛情を抱いている訳ではないので、あの場で結婚云々を言い出した女性陣の誰かとそう言う関係になるつもりは有りませんよ?」


……うむ。男として、この発言はどうかと思わんでも無いが、俺の今の心境をストレートに表現すると大体こんな感じだ。


確かに、アストさんの事に対しては、『好嫌愛憎』で言えば、確実に『好』や『愛』に分類されるであろう感情を抱いてはいる。それは、他の女性陣や、かつて敵として殺し合いを演じたリンドヴルムに対しても、似たような感情を抱いているのは否定出来ない。

それに、種族が違う以上は、リンドヴルムを『そう言う目』で見るのは不可能ではあるが、それ以外の女性陣に対しては、見ていてそう言う衝動に駈られない、と言うと、ぶっちゃけた話嘘になる。これでも、健全な若い男子故に、その手の衝動と言うか、欲望は確りと存在しているから、仕方ないよね。


「……ふむ。しかし、そうなりますと、アシュタルトの言っていた『タカナシ殿から申し込まれた』との部分とは、些か食い違いが起きておる様子ですが、この点に何か心当たりは有りますかな?」


……と、言われてもなぁ……。


そんな直接的な原因とでも言えるモノに心当たりが有るのなら、あの殺伐とした空気をどうにかするためにとうの昔に手を打っているが、それが無かったからこうして苦労している訳で……ん?


いや、待てよ?


もしかしたら、『アレ』か?


……いやいやいや、流石に『アレ』じゃあ無いだろう?

確かに、もはやそれしか心当たり何て有りはしないけど、だからと言って『アレ』が原因なんて事は……いや、十分あり得るか……。


良く良く考えてみなくても、アストさんの行動がおかしくなったのは、あの件の『アレ』の直後だし、その後の言動やその他諸々から考えてみると、もしかしなくても『アレ』しか無い、かなぁ……?


……まぁ、取り敢えず言うだけ言ってみるか?


「……もしかしたら、になるんですが……」


そう切り出した俺は、カーパルスで起きたベレト関連の出来事と、その後のアストさんに同行を求めた下りを一切の虚飾無く語り、それを切っ掛けにアストさんの俺への接し方が変わったみたいだ、と言う事も含めて、その時に有ったことを全て話してみた。


「ーーーって事があって、今みたいな感じになったみたいなんですが、何か関係がありそうですか?」


そうやって全てを話した上で、故意的に軽い感じで聞いてみたのだが、それに対する魔王様の反応は、まるで『マジかぁ……』と言わんばかりに頭を抱えて天井を仰ぎ見る、と言ったモノであった。


「……ちなみに、そのカーパルスでの行動は、タカナシ殿にとってはどのような意図の元に行われたのか、お聞きしても宜しいかな?」


「……『意図』、ですか?……どの様なも何も、ほとんどそのままですよ?アストさんが気にしておられたみたいでしたので、『貴女の手は怖くないですよ』と言う事と、『親愛』だとかの感情を抱いている事を伝える為の、アストさんの手をとっての口付けでしたし、その時のセリフも、『同行するのであれば、アストさんの方が良いです』と伝えたかっただけですしね。

……もしかして、それらに何か不味い点でも有りましたか?」


「……そうだ、な。確かに、これは『不味い点』かも知れんな……。

タカナシ殿、そなたにその様な意図が無かったのであろう事は重々情緒しておるし、そもそもこちらの世界の習慣等を把握している訳が無いそなたに、こんなとこを言うのは筋違いなのであろう事も、十二分に理解しておる。……だが、敢えて余は言わせて貰うが、そなたとバッチリとアシュタルトに『婚約してくれ』と謂っておる様なモノぞ?しかも、その後のアシュタルトの反応を合わせると、彼女が結婚云々を言い出したのも当然と言えるであろう……」


……どう言う事でせうか?


「タカナシ殿達の世界では違ったのだろうとは思うが、こちらの世界、特にこの辺りの国々では、異性の手に口付けをする事は、相手に『交際』を申し込む、と言う意味になるのだよ。そして、その口付けの際に添える言葉によって、その『交際』の意味合いも、ただの『付き合って欲しい』から『結婚してください』まで様々な意味を持つのだよ」


「……ちなみに、自分のセリフでは、どの様な意味合いになりますか?」


「そうだな……軽く見積もっても、『結婚を前提としたお付き合い』の要請か、もしくは『お前は俺のモノだ』的な意味合いに取られても、仕方がない様な言葉選びとなっているな」


……マジかぁ……。


知らなかったとは言え、何て事をやらかしてんだよ俺は……と、自己嫌悪もマシマシに床へと崩れ落ちて、リアルにorzとやっていると、向かいの席に座っていた魔王様が俺の元へと歩み寄り、肩を叩きながら励ます様に声を掛けてくる。


「……まぁ、知らなんだ事を気にするよりも、これからの事を考えた方が良いだろう。幸いにも、アシュタルトの返し方を聞く限りでは、タカナシ殿に対しては好意しか持っていない様子だし、タカナシ殿が失神された時も、余が見たことも無い程に取り乱しておったから、好かれておるのは間違い有るまいて。もっとも、互いの勘違いは解かねばならぬだろうがな」


「……魔王様……!」


やべぇ、俺、この人になら抱かれても良いかも知れない……。


そんな思いと共に漏れ出た呟きに対し、首を振りながら俺へと声を掛けてくる魔王様。


「タカナシ殿、その『魔王様』と言うのは、出来れば止めては頂けないだろうか?

そもそも、余等はそなたらをこちらの世界へと無理やりに呼び出した、言わば罪人よ。それに、そなた達は余の臣民では無い以上、余に対して敬意や臣意を示さなくても問題は無いし、示す必要性も無い。

……故に、余の事を『様』等と着けては呼ばないで欲しいのだ。……駄目だろうか?」


「……分かりました、では、極力努力させていただきますね」


「……うむ、まぁ、良かろう。徐々にで良いので、可能な限り頑張って貰えると有難い。

さて、では互いの親交も深まってきた処で一つ……」


そう、一度言葉を切ると俺へと向けていた笑みの意味合いをガラリと変えて、まるで『ガシッ!!』っと音が出そうな程の勢いで、俺の肩に手を回す魔王様。

そして、その状態のままに俺の耳元まで口を近付けてから、声色までそれまでの威厳に満ちたソレからは考えられない様な種類のモノへと変化させてから、俺へと囁く様に問い掛けてくる。




「……で?結局、誰が本命なのだ?あの六名……と言うのには、若干怪しいのが一つ居るが、そこは考えずにおくとしても、皆中々に素晴らしい容姿をしておるではないか!そんな女性方にああして好意を寄せられておると言うのに、まだ誰とも寝ておらぬと言うのは有り得ぬだろう!?で?誰だ?あの女性方のリーダー格の少女か?それとも、一人だけやや歳かさに見えなくもない美女か?それとも、口では拒んでおきながら、既にアシュタルトに手を出しておるとか言うオチか!?それとも、大穴であの竜とか言うのでは無いだろうな!!?」




「……おいこら魔王、いい加減にその口閉じやがれ!!」


「『黙れ』とは失敬な!?そんなことを言っても良いのかなぁ……?今回、あの女性方がそなたと婚約云々と言い出した原因も彼女達からは聞き出して有るし、過去にそなたと何が有ったのかまで、すべての余は把握しておるのだがなぁ……!?」


「なにソレ!?本当は聞いちゃいけないんだろうけど、逆にスッゴく気になるんだけど、その情報!?」


「フハハハハ!!では教えてしんぜよう!まずはーーー」







……こうして、魔王との話し合いによって、これまで疑問に思っていた事への答えは見付かったが、その代わりに魔王『様』への尊敬の念の類いは消失するのであった。


……まぁ、ばか騒ぎ出来る同性の友人が増えた、とも取れるから、別に良い……のかなぁ?

予告の通り、(主人公の頭の中が)『修羅場』回でした。


あと、タグに着けてある『非ハーレム』についてなのですが、読んでくださっている方々の中には


『コレってハーレムじゃね?』


とお思いの方もいらっしゃると思いますが、作者的には『ハーレム』の定義は


『特定の男性、又は女性的が、複数の異性と気持ちが通じあっている、又は性的な関係を持っている状態』


であると思っておりますので、別段関係を持っているわけでも、気持ちが通じあっている訳でも無い現状は、作者的には『ハーレム』では無い、と思って書いております。異論は認める。


面白いかも?と思っていただけたのでしたら、ブックマークや評価、感想等頂けると大変有難いですm(__)m

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新作始めてみました 『血塗れの殺し合いはもうお腹いっぱいだったので、テンプレ展開を期待して追放される為にわざと非戦闘系スキルばかり選んだら、何故か戦闘系スキルの連中を差し置いて『救世主』扱いされる様になりました』 珍しく戦闘少なめなコメディよりの作品になってます ……なってるハズです 良かったら読んでみて下さいm(_ _)m
― 新着の感想 ―
[一言] 小鳥遊、何でもそつなくこなす万能型かと思っていたら、軍事外交Onlyの外交下手(コミュ力=武力Only)Σ(´□`;) タツとレオがフラグを建てないだけまともに見えるw タツ、オレ娘とくっつ…
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