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クラス丸ごと異世界召喚~無人島から始まる異世界冒険譚~  作者: 久遠
第二章・魔王国編

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33・おや?アストさんの様子が……

ブックマークしてくださった方々に感謝ですm(__)m

アストさんが同行してくれる事に、ホッと安心しながら振り返ると、視線の先では今の今までただただ邪魔してくれていたベレト(アバズレ)が、まるで信じられないモノを見るかの様な視線を、俺とアストさんへと送っている処であった。


「……あ、貴方は、わたくしの説明をお聞きになっていたのですか!?ソレは、『忌むべき肌』を持つ『忌み子』で、人を腐れ果てさせ殺している怪物なんですのよ!?

わたくしを選ばないならばともかくとしても、ソレをわざわざ選ぶ理由が分かりませんわ!!!」


……そんなモノ、決まっているだろうに……。


「……こうして、わざわざ答えてあげるのも煩わしいけど、これだけは教えてやるよ。


アストさんを選ぶ理由?そんなもの、直接俺達を助けに来てくれて、今まで行動を共にしていたからに決まっているだろう?


もちろん、個人的な好意が根底に有ることは否定しないが、ある種の最大要因としては、やはりこれに尽きるだろうよ。

……それに、お前はアストさんを『怪物』だと言っていたが、俺から見ればアストさんはまだまだ『人』だよ。俺達とは違ってね。

『過去に上官を腐れ果てさせた』事が有る?高々一人や二人殺した程度で、何を一々騒いでいるのかね?こちとら、修行の過程だけで数十人、ソレ以外も含めれば、軽く三桁は壊して(・・・)いるんでね、そんな程度の相手を忌避する必要性が何処に有るって言うのかね?

それに、今会ったばかりのお前さんの方が、直接俺達を救出しに来てくれたアストさんよりも信用出来る、信頼出来るなんて事になるハズが無いだろうがよ?常識的に考えて」


そう言い切ってやると、眼前のベレトからは殺気が、真横にいるアストさんからは、何故か感激した様な雰囲気が発せられ、双方共に俺へと殺到してくるが、その程度の感情の動き程度でどうこうなるはずもなく、逆にこちらからも殺気を返して、戦意が有る事を示しておく。


すると、どうあがいても俺を取り込む事は不可能だ、と悟ったのか、俺やアストさんへと向けられていた殺意や侮蔑の視線が解除され、俺達(・・)に関しては諦めた様な空気が流れ出す。


「……ええ、良いでしょう。貴方は諦めるとしましょうか。

では、他のお二方とお嬢様方!あの様なひねくれた方々は放って置いて、わたくし達だけで(・・・)首都を目指す事と致しましょうか!!

当然、道中はわたくし達で精一杯『おもてなし』させていただきますわ!!」


そう言いながら、今度は取り込みの対象を俺から他の面子に絞ったらしく、そちらへと身体ごと向き直り、わざとらしく元々露出の多めだった服装の胸元を引き下げたり、取り巻きの連中にも、着ている服を肌けさせた上で流し目や微笑み等で、女性陣を誘惑する様な素振りをさせている。


「……これは少し、不味いかも知れませんね……」


俺の真横に居たとは言え、それなりに距離があったハズのアストさんの声が、耳元から聞こえてきた事に驚くが、ソレ以上に気になる事を囁いておられたので、距離感がヤバいとは思いながらも、なんとなく小声になりながら聞き返す。


「不味い、って何がですか?」


「ええ、あのベレト様は『サキュバス』で、取り巻きの方々は『インキュバス』です。それぞれ、異性に対する誘惑に長けた『魔族(イヴル)』で、耐性の無いモノであれば、どれだけ身持ちの硬い既婚者でも、誘惑には耐えられないと言われています。

……一応、私も『サキュバス』なのですが、この体質のお陰か、それとも産まれのせいなのか、幸いにも誘惑される方はいらっしゃいませんでしたが……」


……これは、アレか?


奴等が誘惑されて、向こうに乗り換える可能性が有る、って事を危惧しているって事で良いのかね?

……それと、アストさん。

貴女が何時も、露出多目の服装で出歩いていたのって、そう言う『種族(?)』的な理由だったんですね……。


……でも、俺は十二分に魅力的だと思いますよ?


「…………え?」


……おっと、どうやら、実際に口から出てしまっていたみたいです。


でも、アストさんが魅力的な女性だって事は、揺るぎ無い事実なのだし、仕方がないよね?


そう思っていると、また勝手に口から出ていたのか、それとも俺の頭のなかを覗く手段でも有るのかは知らないが、とにかく俺が思っていた事が伝わってしまったらしく、顔を赤らめながらも、とても嬉しそうにしているアストさん。


そんな俺達のやり取りを見ていたからか、それとも単純にベレトの取り巻きに魅了されたのかは定かではないが、俺達の方へと殺気を放ちながら、近付いて来る約二名。と、タツとレオを含んだ、残りの面子全員。


視線やら足取りやらからは、魅了されているのかいないのかの判断は付けられないが、俺としては特には、誰も心配はしてはいなかったりする。


……理由?そんなモノは決まっている。


タツとレオに関しては、精神的なモノであれ、物理的なモノであれ、改造手術(脳ミソを直接弄くられるレベル)並みの事をされなければ、それらを受け付けない様に、過去に行われた修行(と称した拷問を越えたナニカ)によって耐性が出来ているから、同じ様に受けていた俺が大丈夫であった以上は大丈夫だろうし、女性陣も、その手の精神攻撃は、あのダンジョンでしこたま喰らっていたから多分もう効かないだろう。

流石に、あの取り巻き連中の魅了が、あのダンジョンの魔物共以上のモノであれば効きはするのだろうし、彼女らが自らの意志でこちらを離れ、あっちに付くって言うのであれば話は変わって来るが、そうなったらそうなったで別段構わんしね。


元より、離れるつもりだった(無人島でのアレ)って事もあり、自分から行くのであれば、別に追い掛けるつもりは無い。あくまでも、そいつ個人の判断ゆえに、俺としては介入するつもりが無いからだ。

……まぁ、万が一にも居ないだろうが、こちら側の誰かに気を掛けて貰いたいが為に、向こう側に行く『フリ』をします!なんて間抜けがもし居たら、そいつの事は完璧に脳裏から消し去って、最初から居なかった扱いにするつもりだけどもね。

そんな面倒な事をしてくれるバカに構ってやる程、俺はお人好しではないし、暇をもて余している訳でも無い。


そんな俺の頭の中身を熟知している、幼なじみであるタツとレオの二人は、そちらに付くつもりが無いと分かった上で、まとわりついて来るベレトをバッサリと切り捨てながら、俺とアストさんの居る方へと歩いてくる。


「ご苦労さん。お前らなら、こっち来るって事は確信してたけど、別に向こうに行っても良かったんだぞ?」


からかい半分に、そんな思ってもいない事を言ってやると、タツとレオの二人も、ふざけ半分に答えてくる。


「……俺達も、別に向こうに行っても良かったんだが……」


「それでも~、向こうに行くよりも~、タカと一緒に居た方が~、色々と面白くなりそうだからね~」


「ハッ!言ってろ!」


そう返しながらも、昔からの友人である二人が、こちらの方を選んでくれている事実に少々嬉しく思ってしまい、照れ隠しに拳を突き出すと、二人ともにニヤニヤしながら同じ様に拳を突き出してぶつけてくる。


「……貴方達って本当に仲良いですわね」


「……ん、距離感近すぎ」


「ま、まさか、『ソッチ』の気は無い……ですよね?」


……何やら、俺達の名誉を著しく傷付ける様な会話が聞こえて来るが、そんな不名誉な事実は無いからね?

ただ単に、同じ地獄を潜り抜けた過去から来る連帯感かつ信頼感、ってだけだからね?ホントダヨ?


そんなことを言いつつ、言い寄ってきた取り巻き連中を言葉の刃でバッサリ切り捨てたり(亜利砂(アリサ)さん)、華麗な足さばきで回避しまくったり(音澄さん)、前を行く二人が拓いた道をコッソリ通ったり(桜木さん)しながら、こちらへと到達する三人。


……そっかぁ……他の面子は、向こうに行ったかぁ……。

リンドヴルムの奴は、何となくで行きそうだったけど、乾か先生のどっちかは残るかとおもっていたんだけどなぁ……。


何て事を考えていると、突然鈍い音と共に、男の叫び声が聞こえてくる。


何かと思ってそちらに視線を送るとそこには、阿谷さんに殴り飛ばされた男(ベレトの取り巻きの一人)が宙を舞っていたり、暗く淀んだ瞳の久地縄さんが、同じく取り巻き連中の一人を地面に組伏せて肩関節を極めていたり、何処か『凄み』や『凄惨さ』を感じさせる笑顔のままで、こちらも同じく取り巻きの一人の頭を片手で鷲掴みにし、特に力を込めている様には見えないのにも関わらず、そこそこ離れているココでも聞き取れる程の音量で、その頭蓋骨を『メキメキ』と言わせている乾の姿と、彼女達三人が蹂躙している者以外を物理的に畳んで積み上げているリンドヴルムの姿が有ったのである。


「オラァ!!……どうした!その程度か!?

この程度でしか無いってんなら、オレの相手をする処か、オレに触れるのすら百年は早えぇぞゴルァ!!!」


「……貴様程度が拙に触れても良いと本当におもっていたのならば相当にお目出度い頭の出来だったのでしょうね?拙に触れて良いのは将来を共にするお方だけですし本来ならば拙が触れるべき殿方はその方だけなのですからこうして触れてあげているだけ有り難く思いながら死んで土に帰りなさいさぁ!さぁ!!さぁ!!!」


「フフフフフ!何だか、貴方達を見ていると、何処ぞの幼なじみを思い出しちゃうんだよねぇ……。丸っきり相手の都合を考えない処とか、相手の女の子が自分に好意を抱いて然るべきだと思い込んでいる処とか、自分の容姿が絶対に相手の好みだと信じている処とか、本当に、このまま『握り潰し』たくなる位にソックリなんだよねぇ……。本当に……!」


『……はて?人間とは、この程度で壊れてしまう程に脆かったかのぅ?主殿達は、この程度は余裕で耐えておったと思うのだがのぅ……?

……あ!……いかんいかん、この関節は、こっちには曲がらなかったのぅ、失敗失敗♪』


……随分と物騒な事を言いながら、実際に物騒な事をやってくれているみたいなのだが、流石に死人まで出られると後が面倒な事になりそうなので、いい加減止めておくかね?


「……おーい、お嬢さん方、その辺にしておかないと、そろそろ本当に死んじまうぞ~?」


「「「『別に良くない(かのぅ)?』」」」


おぉう、辛辣なコメントですこと……。


……と言うか、近付いて良く見てみると、四人(三人と一匹?)共に、瞳の中の光(ハイライト)さんがお出掛けしているみたいで、『超』が付く程ヤバい雰囲気を辺りにぶち撒いておられる。


……理性(ハイライト)さーん!お早めの帰還をお願いしまーす!!


……そして、アストさんや。

先程の俺の宣言(?)から、何気に距離感が近くなられていた様子でしたけど、こっち側に移動してからは、物理的に距離感が近くなられているみたいなのですが、如何なさいましたか?

具体的に申し上げますと、何故にくっついておられるのでせうか?そんなにもぺったりと。


確かに、そのお胸様の柔らかな感触の広がる背中は桃源郷と化しておられますが、だからと言ってそんな大胆な事を、目の前に狂戦士(バーサーカー)が居る現状では控えて頂けると有難いのですけど?


現に、その行動に触発されたのかは不明だが、理性(ハイライト)を何処かに置き忘れた狂戦士(バーサーカー)の方々が俺達の方へと近付いて来ている。思わずその目に視線が向くが、正面から見てしまってはSAN値が持たなそうなので、やっぱり思い直して視線をずらしたのだが、この時になってようやく、そう言えば先生を見ていない様な気が?と思い至る。


その為に、迫り来る脅威へと向けかけていた視線を反らし、周囲へと移して辺りを伺う。


すると、案外とアッサリ先生の姿を確認する事が出来たのだが、それと同時に驚くべき光景が目に飛び込んで来た。



それは、常時携帯するにはサイズ的に向かないから、と戦闘時以外はレオのスキルに放り込んであったハズの大弓(リンドヴルムからのドロップ品の一つ。鏃無しの木矢で巨岩をぶち抜く威力有り)を構え、バッチリと引き絞った状態でへたり込んでいるベレトの頭部へと狙いを定めている姿があったのである。



それだけでも卒倒モノなのに、他に騒がしくする面子は既に畳まれた後故の静寂のお陰で、二人のやり取りもバッチリ聞こえてしまい、それのお陰で本当に意識が遠退き掛けて、背後にいたアストさんに柔らかく(物理的に)受け止められてしまう。


「……あ、貴女は!わたくしにこんなことをして只で済むと思っているのですか!?わたくしは、魔王陛下にもお目通り願える程の高位魔族なのですよ!!?」


「フフフ、多分だけど、それは心配しなくても大丈夫かな?と、言うよりも、貴女は私達の事をどうこう言うよりも、万が一この場で生き残って『しまった』場合の事を心配するべきなんじゃ無いかな?」


「な!?それはどう言う……ま、まさか……」


「そう、その『まさか』かな?小鳥遊君は優しいから、もしかしたら黙っていてくれるかも知れないけど、私を始めとした彼の仲間だとか、すっごーく悔しいけど、彼と何だか良い感じになっちゃってるアストちゃんだとかは、確実に報告するんじゃないかな?

貴女が畏れ敬う『魔王陛下』に。

……でも、報告の上で抗議するのは、当然だよね?何せ、私達ってこの国に『国賓』として招かれている、って扱いになっているみたいなのに、その招いた本人である国のトップのすぐ下辺りに居る人が敵意を持って接してきたのだから、その上かつ、今後接する機会が約束されている人に文句を言わせてもらうのって、そんなにもおかしい事なのかな?」


「……あ、あぁ……」


「まぁ、それはあくまでも、『この後』に起きることであって、ココで死ぬ貴女には、毛ほども関係の無い事なのかも知れないけど、仕方がないかな?

……だって、私達から小鳥遊君を奪って行こうとしただけでなく、私達にも薄汚い自分の取り巻きを押し付けようとしたんだから、死んで購う事位はしてくれるよね?当然(・・)?」


その発言の後には、ただ一度の弓鳴りだけが辺りに響き、それ以外には何かに矢が当たる音と、何かが地面に倒れる音、それと何かの液体が撒かれた様に一部が濡れて、辺りにその液体の匂いが立ち込めただけであった。


気を取り直してその光景を目の当たりにした俺は、意識が戻ったにも関わらずに、まだその桃源郷に俺を拘束しようとするアストさんの細腕から逃れると、その惨劇を産み出した先生の元へと移動する。


「……んで?こうした意図を聞いても良いですかね?」


「ん?ただ単に、こうすれば、この場で殺しちゃうよりも、『高位魔族』とかのプライドだとか外聞だとかで、素直に死ぬよりも後が面白い事になりそうだったからかな?」


……そう、別段ベレトは、先生によって撃ち抜かれて死んでしまった……訳ではない。


ただ単に、先生の殺気に晒された上で、へたり込んでいた足の間に矢を撃ち込まれ、その衝撃で色々と駄々漏れにした状態で失神したってだけである。


……まぁ、このくらいは当然よな、と思いつつも、これまでの言動では、ベレトの側に付くのはかなり難しくなったと言わざるを得ないのだが、そこの処は皆どうするつもりなのだろうか?


「……これだけ、ベレト達をギタギタにしちゃったってことは、皆アストさん側に付くってことで良いんだよな?」


そう問い掛けると、皆一様に


『何を今更』


と言わんばかりの視線を向けてくる。


……まぁ、それならば大丈夫かね?とも思いつつ俺は、背中は解放してくれたみたいだが、その代わりに今度は左腕をその天獄(天国の様な地獄)へと捕らえて離してくれないアストさんを促して、今までは似たような状況でも、殺気を飛ばしてこなかったハズの面子からも向けられる様になったらしい殺気由来の寒気を無視しながら、魔王国の観光の為の第一歩として、換金屋へと向かうために馬車へと乗り込むのであった。

……もちろん、女性陣をエスコートして、先に乗り込んで貰ってからになるけれど。

面白いかも?と思って頂けたのでしたら、ブックマークや評価、感想等を頂けると有難いですm(__)m

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新作始めてみました 『血塗れの殺し合いはもうお腹いっぱいだったので、テンプレ展開を期待して追放される為にわざと非戦闘系スキルばかり選んだら、何故か戦闘系スキルの連中を差し置いて『救世主』扱いされる様になりました』 珍しく戦闘少なめなコメディよりの作品になってます ……なってるハズです 良かったら読んでみて下さいm(_ _)m
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