140・対『シュロスベルグ』攻略戦 6
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※前話にて出て来た『系統外魔法』と言う単語ですが、これは基本六属性(火、水、土、風、光、闇)のどれにも属さない、扱うには特殊な適性と才能が必要な魔法の総称と考えて頂ければ分かりやすいかと思います。(一応、空間魔法もそれに当たります)
「……おやおやおやぁ?こっちは大して揺れもしなかった貴方でしたがぁ、彼女達の事になってしまってはそうも言ってはいられなかったと言う訳ですかなぁ?」
唐突に現れた乾達を目の前にして、ケンドリックの得意そうな表情やセリフ、仕草と言ったモノが脳裏を素通りして行く。
ーーー……ギリッ……ギリギリッ……!ーーー
「タカ殿!大変です!!
今しがた、魔王陛下からイヌイ達が拐われたと連絡が入りました!拐った相手は不明ですが、イヌイ達は何故か自発的に誘拐犯に従う様な行動を見せていたとか……!?
……成る程、犯人と人質の現在位置は、もう割れていたと言う事ですか……」
残っていた他の部隊への攻撃に回していたアストさんが、通信用の魔道具を持ったまま、血相を変えて慌てながら走り込んで来て、俺達と相対しているケンドリックと乾達を認識してから苦い声を出す様子を、他人事の様に眺めながら、どうにかして抑えられないかと努力を続けてみる。
ーーー……ギリギリッ!ギリギリッ、パキッ……!ーーー
「……なぁ、一つ聞いても良いか?彼女らに何をしたんだ?」
自分で考え、自分で発している声を聞いているハズなのに、何故か聞いたことも無い様な他人が話している様に感じている俺を尻目に、先程飲み下した薬瓶の中身がどうやら『命の水』の類いであったらしく、落とされていたハズの腕も回復させていたケンドリックが、近くにいたゴーレムゾンビにも似たような液体を振り掛けて損傷を回復させると、上機嫌そうに隣に立っていた乾の腰に回復した腕を回して抱き寄せながら口を開く。
ーーー……ギリギリギリッ!……パキッ、ミシッ……!!ーーー
「あぁ、彼女らの状態についてですか?それは、貴方なら既に見当が付いているのだろうとは思うのでぇ、もう言ってしまいますがぁ、これは私が使用した召喚魔方陣に付いていた『セーフティ機構』ですよぉ。
何せ、潜在的に力を抱えている存在をこちら側に無理矢理呼び出す事になるのですからぁ、下手をしなくても反乱やら反撃の類いがなされる可能性を考慮するのは当然のことでしょう?
もっともぉ、魔方陣自体が組まれたのが大分昔だった為かぁ、もしくは彼女らの精神力が頭抜けて強かった事も有るのかぁ、どうやら制御の掛かりが浅いみたいですのでぇ、本能的に忌避するらしい殺戮の類いだとかぁ、身体を開かせようとしても激しく抵抗されるのでぇ、今のところはこうして有効な相手に対する人質としてしか使い途が無いのが残念ですねぇ。
おまけに、今回の召喚の本命であったらしい貴方達を支配する事も出来ませんでしたからぁ、やはり欠陥品だったと言う事なのでしょうかねぇ?」
余裕の現れたなのか、それとももう既に俺達に勝つ事が確定したとでも思っているのかは知らないが、余裕綽々と言った様子で上機嫌そうに口を回していたケンドリックが、よく見てみると微かに嫌悪感によって表情を歪めている乾をより一層強く抱き寄せ、その頬を舌で大きくベロリと舐め上げる。
ーーーミシミシミシッ、ビキビキッ、バキッ!!ーーー
その光景だけでも、既に奥歯が噛み砕ける程に歯を喰い縛り、俺の奥底から今にも飛び出そうとしているモノをどうにか抑え込もうと若干俯き気味になりながら必死に努力していたのだが、次なるケンドリックからの一言によってソレを縛り付けていた最期の鎖が引き千切られる事となる。
「まぁ、もっともぉ?現在は『誰かを殺せ』と言う命令は聞かせられないですがぁ、『誰かを痛め付けろ』と言う類いの命令であれば十分に聞かせられますのでぇ?貴方達をぼろ雑巾にする為の手助けならば、十二分に彼女らにはして貰えるのですよぉ。
そしてぇ、そうして彼女らの手によって貴方達を追い詰め倒した暁にはぁ、最愛の人を自らの手で死に追いやったと言うショックによってその強靭な心もへし折れぇ、私達に従順な『肉人形』になってくれる事間違いなしでしょうねぇ!
そうなってくれればぁ、これから薄汚い魔族共の国へと反転攻勢を仕掛ける事もぉ、獣臭い獣人共の国を叩き潰す事も簡単に出来る様になる戦力として運用も出来ますしぃ、彼女らの美貌であれば、陛下がお望みの様に慰み者にするのも良いでしょうねぇ。アレも彼女を気に入っている様子ですのでぇ、私の実験に付き合って貰い、アレとの交配実験に使ってみるのも面白いでしょうねぇ!!」
ーーービキビキビキッ!バキッ、ブチン!!!ーーー
「……もう、良いよ。その口、もう開くな」
「……おやおやぁ?おやおやおやぁ?貴方はまだ解っていないのですかぁ?こうして人質まで手元に置いていて、尚且つ戦力は遥かに貴方達を上回っているこの状況で、どちらの方が優位に、立っている……のか…………!?」
それまで俯いて歯を喰い縛っているだけだった俺が急に纏っていた空気を変えた事で戸惑ったのか、若干反応が遅れたケンドリックだったが、その手には人質として乾を保持し、自身は魔法による防御壁を展開している上に、既にゴーレムゾンビは修復し終わっている為に気を持ち直したらしく、再び強気な口調にて脅し付けを再開しようとした様子だが、この場に訪れていた二つの変化によってその口が止まり、表情は驚愕に染められる。
その二つの変化の内の一つは、俺の姿。
それまではごく普通の『人族』と同じ外見をしていたハズの俺が、突然に二足歩行状態の龍の様な形をしていて、所々で黒い鱗が実体化し始めている様にも見える金色のオーラを纏いだした事。
そして、恐らくは俺が完全に無表情になっているのとは裏腹に、オーラの方の龍の顔は憤怒の色に染まっていたのだろうと思われる。
そして、変化の内のもう一つが訪れていたのは、ケンドリックの身体に対して。
それまで、タツとレオによって不意を突かれた以外では防御壁を抜けられた事は無かったし、そもそも威力によって真っ正面から力業で破られた事の無かったケンドリック自慢の防御壁。
しかし、それが何時の間にか真っ正面から突破され、展開している本人であるケンドリックの目には、一点だけが綺麗に穴を開けられている事が見てとれただろう。
そして、その穴を開けたのであろう攻撃が、それまで杖を保持していた右腕をそうとは気付く間もない程に自然に吹き飛ばし、その穂先にて背後に広がる『シュロスベルグ』の城壁へと縫い付けているのが振り替えれば見えただろうが、当のケンドリックは突然の腕の喪失を気にするよりも、より注目を高めないと不味い存在がいる事に気付いたらしく、そちらに視線を送ろうともしないでこちらを凝視している。
そうやって威圧されているらしいケンドリックから視線をずらし、つい先程まで掲げていた左腕を下ろしてから正面に居る乾や先生、久地縄さんや阿谷さんへと視線を向ける。
彼女らの瞳には、操られている者特有の霧が掛かった様な虚ろな色が濃く浮かんでいたが、その奥底には確かに『驚愕』の色が浮かぶのと同時に、微かな『恐怖』の色が浮かんでいるのが見てとれた。
…………あぁ、やっぱり、こうなってしまったか…………。
こうなるのが解っていたから、こうなってしまうのが嫌だったから、だから置いてきたと言うのに、結局こうなるのか…………。
そんな俺の内心での呟きを理解してか、タツとレオの二人やある程度の『事情』を理解しているアストさんが、まるで痛ましいモノでも見るかの様な視線を送ってくる。
……そう、今回の戦争にて、乾達女性陣を連れて来なかった理由としては、確かに【まだ白い手を汚す必要なんて無い】と言う俺個人の考えや、【こんな世界の裏側なんて知らない方が良い】と言う今後への影響等も配慮した、と言う心遣いも当然在ったのだが、その内の一つとしては、いざと言う時には使う事になるであろうこの『龍の因子』を使用した際の姿を、彼女らには見せたくなかったから、と言うモノも在ったからだ。
……ぶっちゃけた話をすれば、何故ここまでソレを忌避しているのかは、俺本人にも良く解っていない。
ただ、俺の中では『女性陣に人殺しをさせる』事と、『女性陣が戦場にてトラウマを得る』事、『女性陣が裏側の世界に関わらせる』事と並ぶ程に、この姿を、人ではない『異形』の姿を、人を殺める際の返り血にまみれる姿を見られる事が、どうしても我慢出来ない、と感じられたのだ。
だが、しかし、こうして目の前で可能性の一つ程度には頭の隅に置いていた事が展開され、その上で女性陣の心を折る為に彼女らが好意を向けてくれている(……らしい)俺を攻撃させる、等と言う言葉を聞いてしまった為に、無意識的に使わない様にしていた『龍の因子』が怒りのあまりに勝手に発動してしまった、と言うのが実情だが、そこはどうでも良いだろう。
こうして見る限りでは、ケンドリックの野郎が言う通りに女性陣に自意識が残る形での支配を受けてしまっているらしく、それだけが残念でならないが、今はそんな事を言っていられる場面ではないだろう。
そこまで思考を回してから結論を出した俺は、今度こそは自身の内側にて暴れ回る獣を抑える事はせず、むしろ解放する様な心持ちでありながらも、他の面子に伝えなければならない事が在るために、そちらへは振り返る事もしないまま、今にも飛び出しそうになりながらもどうにか言葉を紡いで行く。
「……悪いが、ここは俺に殺らせてはくれんか?皆は乾達をなるべく傷付けず、可能な限り無傷に近い状態で確保してくれ」
「……昔からいざ知らず、今では少々厳しいが……?」
「ある程度の負傷までは許容してくれないと~、僕らはまだしもアシュタルトさんは少し厳しいんじゃないかなぁ~?最悪~、どっちか死ぬ事になりかねないけど~、どっちを優先するつもりなのかなぁ~?」
「……私は、既に覚悟は出来ています。それに、そもそも私達が喚び出させなければこうはならなかったのですから、その場合は私が死んででも無傷で止めてみせましょう!」
「……いえ、そう言う状況になったのでしたら、最悪殺してでも確保より身の安全を優先して貰って結構です。元より『洗脳の類いで敵に回ったら殺す』とは言って有りましたので、そこは覚悟出来ているでしょう。
……もし仮に出来ていなかったとしても、俺達が支配されていない以上は自己鍛練の不足としか言えないので、仮に殺したとしても文句は言わせませんよ。むしろ、こんな事になってしまっている以上は貴女の方が大事ですからね。無茶は厳禁ですよ?」
そんな俺の言葉を聞いたからか、背後に居たアストさんの方からは嬉しそうな雰囲気が、女性陣の瞳の奥には『嫉妬』や『怒り』と言った感情が見え隠れする上に、一部からは何故自分には言ってくれないのか?とでも言いたげな視線を向けられる様になったが、そんな事は言わないと分からない様なモノか?と女性陣に対して視線にて応え、それと同時に軽く『怒り』や『失望』や『不信感』と言った感情を視線に込めてやると、代わりに『絶望感』を滲ませ始めたが自業自得故にフォローはしてやらない事にする。
伝えるべき情報は既に伝え終えたので、空手になっていた左手にて背後のタツやレオ、アストさんへと『攻撃開始』のハンドシグナルを出すと、俺は俺でそれまで抑え付けていた『殺意』を解放しながら、歩いてケンドリックの方へと近付いて行く。
すると、流石にそのまま近付かれるのは不味いと判断出来たのか、咄嗟に杖を一振りして既に修復の済んでいたゴーレムゾンビに対して指示を出し、俺と自身との直線上に割り込む形で迎撃させようと配置する。
そうやって割り込まされたゴーレムゾンビだったが、現在ゴーレムゾンビに於ける自意識の根幹を成している大神は、先程の戦闘での損傷を根に持っているのか、それとも以前の無人島での一件を蒸し返したいのかは定かではないが、それでもその視線に強い殺意や敵意の類いをみなぎらせながら、通常では目で追うのがやっとと言った速度にて長剣を振りかぶって迫ってくる。
そして、その刃圏に入り込んで尚迎撃の動きも回避の為の予備動作も取りはしない俺を見て、どうやら先程までの動きは一時的なモノで、今は大層な何かを纏っているがさっきよりは反応出来ていない、とでも判断したのか、その元々は端正だった口元を醜悪に歪め、眼前の獲物を両断しようと振り上げた長剣を俺の脳天目掛けて振り下ろして来る。
そして、その刃が大した手応えも返す事無く大上段からの振り下ろしに成功した事により、俺を真っ二つにする事に成功した、とでも思っているのか、何やら余裕そうな雰囲気のままに視線を上げてくる。
だが、そこに在ったのは以前として二本の足で地面に立ち、一筋のは負傷すら負ってはいないままの俺と、その左手に軽い感じで握られている刃の部分だけとなったゴーレムゾンビが振り下ろしていた長剣の変わり果てた姿であった。
その光景に愕然とした様子のゴーレムゾンビだったが、俺が手に持ったままの刃をそのまま無造作に握り潰すと我に帰ったらしく、再び右手に長剣を生み出すと同時に左手にも杖を造り出し、長剣による斬撃、魔法による遠隔攻撃、杖その物による打撃と三種類の攻撃を同時に繰り出して来る。
それらの威力は、まともに食らえば人の身体なんてどれか一つでもかすれば砕け散るであろうだけのモノが込められているのだろうが、俺としてはわざわざ受けてやる必要も特に無かったのでそのまま脇をすり抜けつつ『羽落とし』による四肢に対する同時攻撃を敢行し、両手両足を根元から切り落としてしまう。
そして、ゴーレムゾンビの背後へと抜けながら、俺が放った『羽落とし』によって切断された四肢が胴体から離れるよりも先に、まだ斬られた本人すらもそうとは認識してはいないであろうタイミングで、『飛鷹流』の技の一つであり、禁じ手の一つでもある『翼揺』にて背中側から人体急所の最たる部分である頭部と心臓を破壊するべく、ほぼ同時に着弾する突きを二発連続で放つ。
更に、ダメ押し兼乾から聞かされていた諸々に対する報復として、俺の左目に今はハッキリと、それまでは何となく見えていたゴーレムゾンビの中に埋め込まれている『核』、恐らくは『死霊術』による死者の蘇生を行っているのであろう術式の『核』目掛けて相棒を突き出し、そちらについても破壊しておく。
そこまでやって漸くゴーレムゾンビが俺に攻撃が回避されていた事に気付いたらしく、慌てた様子で背後に居る俺の方へと振り返る。
すると、そうして振り返った衝撃により、まだ辛うじて切り離されていなかった四肢が分離し、身体が脳と心臓と『核』を破壊されていた事を知覚した事により機能が完全に破壊され、どうしてこうなった?とでも言いたげな表情を壊れた兜のバイザーから覗かせながら、大きく数度痙攣してからゴーレムゾンビは完全に動かなくなる。
それを目にしたからか、もしくは俺の動きが欠片も見えていなかったからかは知らないが、その表情を強張らせながら後退るケンドリック。
そして、未だに右腕にて抱えていた乾に目をやると、さも『名案を思い付いた!』とでも言いたげに表情を明るくさせながら、腕の中に居た乾を自分の前面へと押し出し、俺に対する盾として自身はその背後に隠れようとする。
その際に、乾に対して俺に攻撃する様に命令していたらしく、ぎこちなく掲げられた杖から魔法が放たれ、俺目掛けて飛来してくる。
その後ろのケンドリックはケンドリックで、自前にて強力な魔法を発動させようとしているらしく、俺の左目には周囲から魔力が集められているのが見てとれた。
その規模からして、恐らくは盾にしている乾を巻き込む形で俺へと放つつもりなのだろう。
現に、乾を退かせる様子が無いにも関わらず、後数秒もすれば呪文の詠唱も終了して魔法が放たれる事となるだろう。
位置的に、ケンドリックを攻撃するにしても、放たれようとしている魔法の『核』を潰すにしても、乾を迂回して行くのでは間に合わないだろうし、ケンドリックの方でもソレを見越して何かしらを仕掛けている、と見るべきだろう。
…………ならば、取るべき手は只一つ、か……。
そう決めた俺は一歩踏み込み、乾から放たれていた魔法を『龍の因子』が発動してから背中に出現していた翼にて弾くと、ケンドリックを直接攻撃するのでも、ケンドリックが放とうとしていた魔法を潰すのでも無い第三の選択肢を選択し、迷う事無くその場で実行する。
「……そ、そんな事はぁ、貴方には出来ないハズではなかったのですかぁ……?」
その結果として、そんな呟きを残してケンドリックは息絶えたのだが、それと同時にそれまで辛うじて立っていた乾もその身体に風穴を開けた状態で地面へと崩れ落ちる。
……そう、俺が取った選択肢とは、その場で乾ごとケンドリックを攻撃する、であった。
二人を諸共に貫通させていた相棒を引き抜き、血切りの為に一振りしながらケンドリックへと短剣を投擲してみるが、追加で頭部へと直撃させても反応が無い事を鑑みると、キッチリ死んでくれている様子であった為に、安心して乾の元へと歩み寄る。
「……悪い。約束、破っちまったな……」
「…………それ、は、私達、もなんだか、ら……小鳥遊君、は……気に、しない、で……?」
乾を抱き起こしながら声を掛けると、狙い通りに術者であったケンドリックが死んだ事で支配が解けたらしく、まともに応えを返して来る乾。
しかし、どうにか急所は外していたとは言えど、身体に風穴を開けられている事に代わりは無く、その顔には色濃い死相が現れていた。
「…………小鳥遊、君。私、最後、に言いたい事、が有るんだけど、聞いて……くれる、かな……?」
どうにか振り絞る様に唇を震わせる乾に対して俺は、無言のままに首を横に振る。
ソレを見た乾が、より死相を濃くしながら絶望の色を顔に浮かべるが、そんな乾に対して俺は呆れを含んだ視線を向けながら、ポーチからとある薬瓶を取り出して見せる。
「……『命の水』がこうして手元に在るのに、最後になんてなる訳が無いだろうがよ?」
そう声を掛けながら、半ば無理矢理その口の中に薬液を垂らし込み、ほぼ強制的に飲み下させ、身体の修復が始まった事を確認すると、どうにか周囲の敵を片付けたアストさんに、乾と同じく支配が解けてへたり込んでいた女性陣を本陣へとつれて行く様にお願いしてから、拡声用魔道具を手にとって最大音量にて号令を下すのであった。
『同盟軍に告ぐ、全軍進撃せよ!既に敵主力は討ち取った!後は、あの『シュロスベルグ』を蹂躙するのみである!全軍、前進!!』
こうして、俺の号令に従って、負傷から回復して動ける様になっていた兵士達が『シュロスベルグ』へと殺到した事により、それまでの抵抗も虚しく『シュロスベルグ』は陥落し、それまでの無敗神話に初めて泥を付けられる事となったのであった。
これにて『シュロスベルグ』攻略戦は終了となります。
予定では、戦後処理的な話を入れてから、何話か日常回を挟んで終話へと至る、と言う形になるかと。
最後までお付き合い頂ければ幸いですm(_ _)m
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