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なにこの物騒な回は


どおおおおおおおおおん!!!


そんな爆発音が向こうから聞こえてきた。


っていうか何だ!?今の…。普通の火魔法とかじゃあんな爆発は起きないから…。

ちょっと行ってみるかな。








はい、やってきました。現場です。

どうもどこかの小隊の馬車があって、そこに何か爆発するものがあったんだと思う。それに火がついてど~んっと。こりゃ酷いな…周りに人の死体もあれば魔物の死体もある。いや、それだけじゃない。

周りはさっきの爆発の影響で恐らく冒険者は来ない。危険を冒してまで来る奴は限りなく少ない。今の爆発でやってくるのは魔物くらいだ。でも、馬車が横転している奥に……誰かいる。なんとなく、艶やかなナニカが奥で動いた。あれは魔物じゃない。


という訳ですぐに近づいて声をかけた。


「大丈夫ですか?」


「!?」


どうも誰か来ることが分からなかったみたいだ。しばらくしているとかすれた声でこういった。


「た……す……け、て」


ああ、確かに聞こえたぜ!


「分かった。ちょっと馬車をどかすよ」


馬車を持ち上げるくらいは何とか筋肉はあったつもりだけど……!


「ぬううううう!!」


くはぁ、重い!……じゃぁどうすればいいんだ?恐らく相手は動ける状態にない。でも馬車を動かさなくちゃならない…。


あ、ヌルヌルで抜けれるか?これ……。


「すみません。この今空いてる穴から出れますか?」


「いいえ……つ……かか……て」


やっぱり突っかかるか…じゃぁ、これならどうだ!ヌルヌル!

すると、突っかかるであろうところがヌルヌルになった。


「これで通ってみて下さい!」


暫く中の人は考えたみたいだけど、何とか頭の中で納得したのか、ちゅるんと、今までの苦労は何だったのかってくらい簡単に出てきた。


すると、中から出てきたのは俺と同い年くらいの少女だった。

ボロボロの布をしているから……あ、首輪もある。となると、これは…!


「奴隷…」


「っ!」


まじかああああ!奴隷!

確か貴族とかいっぱい奴隷もってるもんな!よっしゃぁ!奴隷をいっぱい持ってれば周りに俺は甲斐性があるぞって言えるぜ!

なんたって、いっぱい奴隷を持ってる貴族様って大体甲斐性とかいいからな!俺もそれ目指すのもいいかもしれない!


………


なんて思ったけど、止めた。なんか…なんだか分からないけど、何かが違う気がする。なんだろう……でも、なんか違う気がする。

っと、今はこの子の事に集中しよう。


「……だい…じょうぶ?じゃ、ないよね…」


「……」


視線を地面に向けた奴隷の彼女。


確か……奴隷の主人が死んでしまった後、奴隷が生きていた場合、次の所有権は……次に発見した人…だった気がする。ちょっと確認してみるか。


「あの、さ。奴隷の主人が死んだあとって…」


「……次に見つけた人の物」


……おう。想像通りの答えをどうも。となると…?俺が主人か!


「そ、そうか…」


よし!取りあえず、この子は俺のだ!っと、その前にこの場所から離れないとな。


「とりあえず、今はココを離れよう。魔物が来る可能性も否定できないから…。何か持っていくものとかある?」


「……いいえ」


「そう、か。……ならこの商人の金でも貰っていくか」


そうすればこの子の服とかも色々買えるだろうしね。


そうして俺とこの奴隷の子と一緒にお金を譲り受けて(漁って)、装備も一部頂戴した。それにしても、どうしてこの馬車がこんな派手な爆発とか起こしたんだ?まぁ、今はいいか。








と、はい。離れて元の場所に戻ってきました。未だに森の中です。とりあえず、この奴隷の子の所有権は俺に移った。試しに俺が奴隷の首輪を使った命令をしてみたら確かに発動したからな。と言っても右手をあげろとかそんな簡単な命令だけど。

後は…この子をちょっと綺麗にさせるか。……汚れを落とすタイプのティッシュでいいよな?っていうか出来るよな?


「とりあえず、はい。これで髪とか拭いて。俺も今月で15でさ、スキルの実験中だったんだ」


そういう事で、俺は汚れを落とすティッシュを彼女に渡した。そして彼女はそれを自分の長い髪に当てて、拭き始めた。すると、まぁ汚れが取れるわ取れるわ…凄い量の汚れが出てきた。一応、古いのを消してもう一枚汚れを落とすティッシュを渡して肌を拭いてもらった。その間に、彼女の髪を見てみる。

よく見ると、本当に汚れを落としただけみたいだ。ぼさぼさの長い髪はそのままで、色は金髪で、長さはそれこそ足首辺りまで伸びている。……そういえばギルドの受付嬢とか髪の毛凄い艶やかだったよなぁ。アレ出来るかな。そう考えて俺は彼女が肌を拭き切るのを待った。


「……出来たわ」


「お、おう」


そして俺は彼女を改めて見た。

足首まで長い金髪がフワフワ舞っていて、碧眼。肌も凄く白くて、これだけで美少女じゃんって一言で言えるほどだった。髪は未だにぼさぼさのままだけど……よし、これで実験!


「じゃぁ、今度はこのティッシュで髪を拭いてみて」


そう言って俺はとにかく艶やかになるように願いを込めたティッシュを渡した。それで彼女は自分の髪を拭き始めた。




本来の髪はぼさぼさでも、それ以外は美少女とも言える容姿だ。顔もパーツ1つ1つが芸術品みたいだし、蒼い目は宝石みたいだし、肌に至っては山の頂上にあるあの白い奴みたいな白さだし、どこの布よりもきめ細かそう。


そう。もう完全な美少女なのだ。そこに髪の艶やかさを入れたらどうなるか。

結果……。


「っ!」


―――女神になる。


その金髪のぼさぼさ感はもうない。ただあるのは、黄金に輝く、全ての光を集めたかのような眩い金髪だ。うおおおおお!マジで見えねぇ!輝かすぎてみえねぇ!しかも来てるのが奴隷服で……妙な背徳感すら湧いて来る。

もう、俺は恋に落ちた。彼女以外、何もいらない……。


「……………」

「……………」


お互いに沈黙して、数分。


「……あの?」


「……………」


更に数秒。


「あの~……出来ましたけど…?」


「は!…あ……ああ、そう。感触とか、どうだった?」


やばい……マジで見惚れてた。彼女から視線が外せない。


「ええっと……特に問題は無かった…です」


「へ?あ…ああ、そう。ならよかった」


危ない…また見惚れてた。もう本当に彼女は女神じゃないか?女神の生まれ変わりじゃないか?っていうか魅了使ってる?もうなんなの?自分で自分が分からなくなってくる…。


「ううん……だとしても……」


この服はアウトだな…。ちょっとこれは外じゃなくて服とか買ってからやった方が良かったかも。ちょっと後悔。


「あ、そうだ!持っているスキルって、分かる?」


「はい。





自爆、裁縫、料理の三つです」





………あの、最初に聞こえたのはなんの冗談かな…?


「ごめん……今、自爆って言った?」


「はい」


冗談じゃなかったああああ!!なんだよ自爆って!!


「あ、でも思っているような物ではないですよ。確かに自爆とありますけど、対象の周りが爆発する…みたいな感じですので、爆発の中心地は無事です」


どういう意味!?自爆しながら自分は無傷って事!?どんな凶器スキルだよ!?女神って言ったけど訂正したい。この人、美人な死神だわ…。

って、あ!


「あ!裁縫って今言ったよね?なら自分で服とか作れるんじゃない?」


「はい」


「だったらその奴隷服以外の服を作って自分で着てくれるかな。その……今の格好だと、凄いマズいっていうか、なんていうか…」


「…?」


彼女は心底、どうしたんだこの人?みたいな顔で首を傾げた。おいおい、自分が美人だという事に気づいてるのか?ちょっと確認させて来よう。


「……とりあえず、近くに川があるから、そこで、自分がどんな格好でどんな見た目なのかを確認してきて」


「はぁ…分かりました。失礼します、ご主人様」


そう言って彼女は自分の姿を確認しに行った。それにしてもご主人様…か。彼女に言われると更なる背徳感しかない。なんだこれ。癖になりそう。

一応、念のため俺は彼女の後を追った。15になる前から狩りをやっていたから気配の消し方は一通り出来てる。


そして川について、彼女は確かに、自分の姿を見た。そして……



「えええええええええええ!!?」



どうやら自分自身でも驚くほどの見た目だったようだ。


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