これで俺はどうしろと…
所有スキル:
ティッシュ
ヌルヌル
スケート
これが俺の脳裏に浮かんだ文字だった。ふざけてるにも程がある。
ヌルヌルってなんだよ、俺がヌルヌルするのかよ。どこの大道芸人だ?他のティッシュとスケートに至っては見たことも聞いた事もない。
こういった貰えるスキルだが、脳内で「スキル」と念じると頭にちゃんと出て来るが、どんな効果なのかは説明が出ない。つまり、自力でこれらの効果を見つける必要がある。
ちっ。今は考えても仕方がない。今は神殿で人がつっかえてるから適当に宿を取って考えるか。一応資金はあるし。
そう考えて俺は神殿の神官らしき人に挨拶して神殿を去った。…道中で可愛い子も見つからなかったからもう今日は厄日かも知れない。
「ふぅ」
そう言って俺は宿屋のベッドで寝転がった。
今俺のいる宿の名前は「新麦の熟成亭」という宿で、俺みたいな神殿で新しくスキルを得た奴らが一番多く利用する宿屋の一つだ。比較的良心的な価格でそれなりに警備は良いし、何より部屋全体に音が出ないような構造をしている。
どうしてかって?中には興奮して「ひゃっは~」みたいに大声をあげることだってあるからさ。
さて…俺、マジでどうしよう。
一応、見習いの一環で剣と弓は教わってる。一応弓は村にいた頃必要だったから剣より得意ではあるけどな。
「……よし」
考えても仕方ない。とりあえずまずはギルドの方に行って本登録を済ませる。その後は森に行ってこのスキルを試してみよう。
そして俺はギルドに向かって本登録を済ませてきた。まぁ、俺と同じような奴らがいっぱいいたから、周りの先輩たちからもどこか温かい目で見てくれてた。…俺にとってはその視線は辛いけどな。
ギルドの本登録は身分証にもなるから無くすことは出来ない。再発行にも金がかかるし、可能な限り出費は押さえたい所だ。
そして本登録を済ませた後、俺は森にいた。そこで俺は自分のスキルをもう一度見つめた。
所有スキル:
ティッシュ
ヌルヌル
スケート
「はぁ…」
もうため息しかない。でも、どんなのか試さないと分からないしなぁ。取りあえず、上から順にやってくか。
「ティッシュ」
そう呟くと俺の手に薄い紙?布?みたいなのが出てきた。……え?これだけ?すぐに千切れるし、特にこうと言った事は無かった。ええ……マジでこれだけ?
ううん……マジで使えねぇスキルだなぁ。
「ヌルヌル」
もう最初のは使えないという事で俺は次のスキルを試した。すると俺の手から今度はヌルヌルとした液体が出てきた。
「うお!?」
突然のことで俺は変な声をあげた。その液体は文字通りヌルヌルしていてちょっと気持ち悪かった。一応、調節すると俺の肌全体から出るようになれば手だけ出せるようだ。他にもヌルヌルの液体を出さずに手だけヌルヌルするようにも出来た。これに一体何の意味が…。
特にこうと言った事じゃないか……これも使えないスキルだなぁ。
じゃぁ最後!
「スケート」
するといきなり地面が滑り出し始めたのか、いきなり転んでしまった。
「ぎゃっ!」
っつ~!!いきなり頭の後ろから衝撃が来たからすっげぇ痛い!
え、なに。これって転ぶためのスキルなのか?いや、そもそもどうやって転んだんだ?よく見ると地面に特にこうと言った違いはない。で、試してみたら地面を滑れるスキルみたいだな。ちょっとコツとか必要そうだけど平原とか広い場所だと早く移動できそう。
って!
殆ど使えないスキル!!?一番人生が何もできないって事やん!?うわぁ……もう泣きたい。
………でも、初代国王にはこんな名言がある。
“使えないスキルは存在しない。そのスキルをどう活用するかで、その歩む道は変わるだろう”って。
実際、初代国王は最初のスキルとしてあった3つは栽培・鑑定・見抜くというスキルだった。そして国王様はそれだけでドラゴンを倒したって伝説がある。それも一人で。曰く、栽培で育てた食べ物を食べて自らを強化して、鑑定して相手の弱点を把握、見抜くで相手の動きを文字通り全て“見抜いて”いたという。他にも栽培で国を豊かにして、鑑定してニセモノを見抜いて、見抜くで相手の本質を暴いたという。
本当に初代国王様は凄い人なんだ。となると、俺のスキルも考え次第やどうにかなるはずなんだけど……
どうなんでしょうか?初代国王様……?
そう思って俺は空を見上げた。
主人公は現地産です。転生者とか、転移者とかそう言うのは無いです。




