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お茶を一気飲みした私は、それでも冷静になれないでいた。


「とりあえず、向こうのご両親にも連絡しないわけにはいかないし、婚約破棄の仕方が仕方やから弁護士にも相談するつもりやし、あたしの周りこれから騒がしくなるから今すぐ返事はできひん。雄一に迷惑かかる」


「それこそ今更やろ。純が相談する弁護士ってうちの顧問弁護士やろ?つまり純の親父さんか啓一やん?」


そうなのだ。私の父と、兄の啓一は雄一の会社の顧問弁護士をしている。しかも父は私のことを溺愛しているし、雄一と同級生の啓兄は自他共に認めるシスコンだ。つまり、あの最低な元婚約者から慰謝料ふんだくってやる!と私が相談すれば力を貸してくれないわけがない。むしろもう既に手ぐすね引いて待っていそうな‥。


あれ?傷心のはずやのに、もう最低な元婚約者とか!私切り替え早いな!ははは。


そうか。もう私の中で答え出てるやん。


「いい顔になった。純はそうでなきゃな。うん。せやな。その顔でいてくれれば今は返事してくれなくてもいいわ。」


雄一は言う。来たばかりの時は顔色も悪いし、情けない顔してたんだと。


「うん。やるべきこと見えてきたし、さっきまで落ち込んでたけど立ち直れそうやわ。ありがと。」


いつもこうやって助けてくれるんだ、雄一は。

なんで忘れられるって思ったんやろ。ずっとずっと心の中には雄一がおったんやな。


「諸々終わるのに半年くらいかかるかな。」

「言ったやろ。俺は12の時から18年待ってるねん。半年待つくらいなんでもないわ。」


数字にするとすごいですね‥すごいドヤ顔で言うけどさ。今までそんなそぶり全く見せてなかったよね!?


でも。これ以上待たせていいの?昨日の今日やけど、そんなんより今は自分に正直でいよう。

理由は後からいくつでもつける。だから今は。


私と雄一とを隔てるテーブルから身を乗り出す。そして両手のひらで雄一のほっぺを包んだ。


雄一の私を見る目が優しい。好きが溢れ出す。


「好きでいてくれてありがとう。」




そして私たちはキスをした。








婚約破棄されて傷心のはずやけど、こうなることは運命やったんやできっと。

純ちゃんは、実はフラれると勘違いする前に、雄一君の会社で父兄とは違う、役に立てることを考えて、会計士の資格を取得しています。大学生で。健気〜!


という裏設定でしたっ


次回、最低元婚約者、秀明目線です。


覚えてますか?婚約破棄した方です

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