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エタニティオンライン  作者: 足立韋護
日常
23/157

職業選択のススメ

「復活してない……? そんなことイベント内容には書かれてなかっただろ」


「うん、そうなんだよ。まあただの噂なんだけどね」


 アキは様々考えてみたが、今ひとつまとまらなかった。しかし、サーバーの不具合や、バグなどが発生した最悪の場合、エタカプの緊急装置が作動して、強制ログアウトされるようになっている。そういった保険がある限り、平気だろうとアキはひとまず心を持ち直した。

 話題を変えようと、ユウがリアルでの話を持ち出してくる。


「あー、そういえばアキ。学校帰りに、久野さんからなんか誘われた?」


「ああ、誘われたなあ。断ったけど」


「……好きな子に誘われてるのに、どうしてエタオン優先しちゃうかなぁ」


「う、うっさいな。久野さんと二人だけのデートならまだしも、クラスの連中もいるなら行く意味ないだろ」


「でも正解かもね。校門で久野さんとまた会ったんだけど、急用で行けなくなったって、急いで帰ってたよ」


 なんだ、わざわざカラオケ行かなくても良かったのか。ユウの言うとおり、正解だったかもしれない。でも、急用って一体なんだろ。って、考えたって仕方ないか。


「なあ、そういえば天馬騎士団の団長って、エタニティオンラインで最強なんだよな。それがなんであんなゴロツキばっか仲間に入れてるんだ? ユウだってそのせいでいじめられてるんだろ?」


「テンマさんは優しいからさ。ロールプレイの心得があれば、誰だって迎え入れる。それがあの人のやり方だよ。いじめられるのは、僕が悪いんだ。中学の時もそうだった」


 自嘲気味に笑うユウは、影のある表情のまま俯いた。


「まあそう落ち込むなよ。高校ではそんなことないんだ」


「あの頃、アキがいなかったら本当にまずい状態だったよ。……あーダメだダメだ! 強くならなくちゃいけないね!」


「そうそう、前向きに行こう!」


 それから十数分雑談したところで、ユウが騎士団から呼びつけられたので、また後で会うことを約束し、二人は別れた。イベントが盛んに行われていることを知ったアキは、一旦オータムストアへと向かい、しばらくの間、店を手伝うことにした。暇があればアキは錬金術、あとはベルとエンジェルが後退で店番をこなしている。


 うーん、繁盛しているものの、店に来るのは、お得意さんのないチュートリアルのノーマッドばかりだな。始めて早々、薬の値上がりとは災難としか言えない。……可哀想だから少し職業についての説明を紙にでも書いてやるか。職業選択はこれからだろうし。



『職業選択に迷ってるならこの張り紙を見よう! 前衛職にするならバランスの良いファイター、防御重視で確実に敵を倒すナイト、素早さ重視で連続攻撃を決めるスカウト、防御を殺す代わりに攻撃力と素早さに特化したモンク。どれも良い職ばかり。敵をガツガツ倒したい人ならこれらで決まり!

 後衛職は、後ろから攻撃魔法を操るウィザード、味方の回復を専門とするプリースト、味方に付加効果を付けるエンチャンター、あとは経験値泥棒の不人気職、モンスターテイマーってとこか……嫌われたくないなら、絶対にならない方がいい。後衛職は地味だけど、必要不可欠な職ばかり。前衛が苦手って人は、まあまずこれらを選ぶべきか。下の張り紙へ』


『上の続き。生産職だったら一番人気のブラックスミスだろうな。高純度な金属を生成出来て、高品質なオリジナル武器防具と装飾品を作れる。あと、農業の職業であるファーマー。このゲームの五感システムは、ファーマーの人気を格段に高めた。美味で且つ回復もする、そんな夢みたいな料理を自給自足して作り出せるのはファーマーだけだ。

 そして絶滅危惧種と言われているアルケミスト。その作り出すものはすべて安価なもので低品質。金属や武具、薬や装飾品を錬金術で作り出せるが、どれも店に並ぶものばかり。安価な薬を作れること以外はすべてブラックスミスの下位互換。この職になるとしたら、変態呼ばわりされることを覚悟した方がいい。下の張り紙へ』


『上の続き。さて、本当はここで終わりだけど敢えて、チュートリアル専用職業、ノーマッドも書いておく。ノーマッドは、あの天馬騎士団の団長も現在使っている一応前衛職。ステータスも技の性能も器用貧乏ならぬ貧乏、極貧なんだ。秀でるものが一切なく、まさにチュートリアル専用と言われるだけはある。だけど、その弱いスキル群をすべて覚え、自分のレベルを最大まで上げると……』


 そこまで書いたアキは、ベルに錬金術で回復薬と復活薬を作り出すようキツく叱られた。ノーマッドについて、最後まで書けなかった中途半端な張り紙を入口付近に貼る頃には、店に客が常時いる状態になっていた。転売目的の商人には数量限定で売りさばくことにしているが、それでも在庫は順調に減っていく。

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