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☆☆☆☆
私はいつのまにか涙が頬を伝っていた。
「…すごい、面白い。面白いよ!」
「本当?佳奈、泣いてるけど…」
直紀が心配そうにのぞきこんで、涙をぬぐってくれる。
「感動したんだよ!」
そういうと直紀は「よかった、俺が何か悪い事書いちゃったかと思った」
とおどけて言った。
「じゃあ早速、封筒に入れようかな」
私は直紀がするその作業を少し照れながら、でもわくわくしてみていた。
―――今回は絶対にいけると思ったからだ。もし、もしも落ちてしまったのならその審査員の目が節穴なのだろう。そのくらい、今回の直紀の小説は面白かった。




