表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
<R15>15歳未満の方は移動してください。

怪談話

肝試し

作者: 花染

「肝試しをやろう!」


始まりは、簡単なことだった。


耳が可笑しくなりそうなぐらい蝉の鳴き声が煩く、体を焼きつくような、夏の暑い日差し。


うちわで、扇ぎながらかき氷を食べるナツにウミは、言った言葉“き肝試しをやろう!だった。ナツは、あきれた顔で


「却下」

「えー行こうよ!夜も蒸し暑いしさースーっと涼しくなるって言ったら肝試しでしょ?

ここの近くに古い病院あって、幽霊が、出るって噂なんだよ」


噂が好きなウミは、ニコニコした顔で言った。幽霊なんて、オカルトなんて、興味がないなナツにとっては、どうでも良い話し。今は、どうやってこの贅肉を取ることに頭が一杯だ。


「いーやーだー」

「へーナツが好きなリョウ君も行くのに?」


ピタっと止まり、ウミを見る。好きな人が行く?これは、可愛い所を見せるチャンスでは?


「ごめん!やっぱり行く!」


この選択が、間違っていることだなんて、まだ知らないナツとウミは、古びた病院に午後8時に待ち合わせすることにした。


ナツは、待ち合わせの10分前に着き古びた病院を見る。


「幽霊ねぇー…」


ナツは、鼻で笑い皆を待つ。そうしていると、ウミとリョウ、ユウジ、が集まり時間的に少し早いお化け屋敷は、始まった。


きーっと閉ざされた扉を開け懐中電灯を当てる。


「…お邪魔しまーす」


っとウミの声が響く。返事はしないのは当たり前。


「お邪魔しますって違うと思うぞ」

「えへへへ」


中は、使っていたであろう待合室のボロボロのソファーが並んである。


「なんか、ドキドキするね!」

「俺は、ゾクゾクする」

「勝手にしとけ」


っと少し歩く。すると、ッバンと突然扉が閉まる。


「うお!?」

「何!?」

「扉がしまっただけ、さっさと行こ?」

「う、うん」


ナースステーションに、診察室、入院する人の部屋。


一つ一つ四人は、見て回る。


「なぁー、さっきから誰かにつけられいるような、感じがするだけど、気のせいか?」


っとユウジは言った。3人は、お互いの顔をみて、首をかしげる。


「ほら、あの角」

「角?」


っとリョウは、向かった。が、そこにあったのは、車イス。リョウは、鼻で笑い。


「何もいないぜ。ユウジはビビりすぎなんだよ」

「もー、ユウジくん、驚かせないでよ!」


っとウミが、ユウジをみる。しかし、ユウジの顔色はみるみる悪くなっていき、リョウを指を指す。


「あああああああああああ!!!!リョウ後ろ!後ろおおお!!」

「???」


っと後ろを向くが、何もいない。


「消えた…」

「???意味が解らねーし、さっさと行くぞ」


っとリョウは、歩きだす。ナツは、首をかしげてユウジをみる。ユウジは、何かぶつぶつ言っているが、それを無視してユウジの背中を押す。


「な!!何するんだよ!」

「何びびってるの?情けない」

「お前、見えなかったのか!?」

「は?」


見えなかった?リョウの後ろには、何もいなかったはず、いや何もいなかった。ナツは、腕をくみ。


「私を怖がらすならオカルトは、間違いだね」

「あいつは笑っていた。笑っていたんだ」

「はぁーだからもー…まーいいや、置いていくよ」


っとナツは、立ち去ろうとした。ふと、何か後ろに気配を感じて振り向くが、何もいない。誰かに見られている気がする。


「………」

「どうした?」

「なんでもない」


っと再び歩きだし、1つの部屋に入った途端、ひんやりとした冷たい空気を感じた。


「なんかここ、寒くない?」

「そうか?」

「此所で、記念写真!」


っとウミがデジカメを取り出す。セルフタイマーで、四人ならんで、撮りウミは、写真を見る。


「な、何これ!?」

「は?」


っとユウジも写真を見る。


その写真には、まるで血の様に真っ赤の煙のような物が写っていて、その煙は、人の顔になっている。


「これって心霊写真?」

「けけけけ消そうよ!」

「そうだな」


っと消去ボタンを押すが、“エラーになりました”っと表示になる。

何度も、何度も押すが結果は同じ。


「ねぇ、そこに誰かいるの?」

「は?」


ナツは、カーテンの後ろにライトを当てる。確かに人影が見える。

返事はない。ナツは、バサッとカーテンを開けるが、誰もいない。


「あれ?」

「なぁ、此処から出よう」

「う、うん」


っと出ようとすると、カツッカツッカツっとヒールの叩く音が聞こえる。


嫌な予感がしたリョウは、足を止める。


カツッカツッカツ


こっちに近づいてくる。


「隠れよう」

「え?う、うん」


っと四人は、ベットの後ろに隠れた。


カツッカツッカツ


カツッカツッカツ


心臓が張り付けそうなぐらい高鳴る。


カツッカツッカツ


カツッカツッカツ


だんだんと音は、大きくなるのが解る。誰か来る。

ウミは、ガタガタと体を震わせ息も荒くなる。それを気づいたナツは、手を握る。


カツッカツッカツ


カツッカツッカツ


音は、小さくなりホッとした顔をする四人。


ギッーイ


ベットに誰か乗る音。


「ミツケタ」


四人がゆっくりと振り向くと、血だらけの生きているとは、思えないナース服の女性が、ニッコリと笑っていた。


「きゃあああああああああ!!!!」

「うわあああああああああ!!!!」


っと四人は、走っていった。向かった先は、出入り口。ガタガタと開け様とするが開かない。


「開かないっ!」

「何でよ!?」

「知るかよ」


他の出口はない。此処しかない。


もう、逃げられない。



















「ニュースです。●●●県△△△市にある、◆◆◆と言う病院に四人の男女の遺体が発見されました。◆◆◆病院は、有名なホラースポットであり、肝試しをする人も多いと言われる所ですが…━━━━」





タスケテ






評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ