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事の始まり
「ごめん…君とは一緒になれないんだ。」
意識が遠退く前、最後に聞いた言葉だった。
どうして?私をどうして捨てたの?
そんな事を考えていた…檻の中で。
「捨てられたんだよオメーは!」
檻の外から聞こえた下卑た男の声。
「どういうことですか⁉捨てられたって!」
「だーかーら!王子は他国の姫君と結婚するからお前が邪魔だったの!『好きに捨てろ』だとよ!お前は始末されるんだ。これからな!」
男は頼んでもいない事まで話す。
「さぁ、じゃぁ相手してもおらおうかよぉ。」
男が檻の鍵を開けて迫る。
「嫌です。何をするんですか⁉」
抵抗するが腕力では勝てない。
「過去の男なんざ忘れさせてやる。」
組み伏されそうになる。
「嫌です、止めて下さい。止めて下さい!」
抵抗しようとした途端、視界が真っ黒になり、
ドン
爆音が聞こえた。




