第7話 ワイバーンvs固有スキル
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俺が考えた作戦はワイバーンの巣に戻り、さっき逃げてる途中にチラッと見えたワイバーンの卵を奪い取り、卵を盾にしながら戦う作戦だ。
こいつを盾にしながら戦えばワイバーンの方も攻撃はしづらいだろう。
ワイバーンは亜竜とはいえ竜の端くれ。
知能はそこそこあるだろう。
それならば覚えたての俺の『詐欺』スキルもある程度効くはずだ。
倒しようはある。
ワイバーンとの距離は残り4mほど。
そろそろ攻撃がくる。
避ける、絶対に!
「オァァァァァ!」
右前足が俺に接近してくる。
あの攻撃を食らえば秒殺。
左から右に流れるように攻撃してきている。
ここは左に回避だ!
俺は必死に左に跳ぶ。
不格好ながらも攻撃を回避した。
よし、ここまでくれば俺の姿はワイバーンの視界から外れている。
ワイバーンはあきらめて他の皆と交戦を始める。
あとは巣まで一直線に進めばいい。
あと巣まで10mほど。
しかし、その時俺の目的に気づいたのか、ワイバーンが引き返してくる。
こぇぇ。
けどこの距離ならワイバーンはもう俺には追い付けない。
そしてワイバーンにはやはり知能がある。
これなら……。
「よっしゃ、卵ゲット。3つもあるぜ」
ワイバーンの卵はでかい。
2つ抱えるのが限界か? しまった、もう1人連れてくればよかった。
まあ仕方ない。
一個はぶっ壊すか。
きっと卵でも経験値ががっつり貰えるだろう。
「オラッ!」
俺は卵を1つ思いっきり殴りつける。
卵は粉々に砕けた。
「グぁァァァ!!」
【レベルが47上がりました】
【固有スキルが解放されました】
【固有スキルが解放されました】
マジかよ。
レベルがめっちゃ上がった!
それに固有スキルも2つ獲得!
ステータスを早速確認したいけどそんな余裕はない。
こいつを倒すためにこの卵をみんなに渡して、この卵を盾に戦う……。
待てよ……。
その時俺に天啓が下る。
『ワイバーンはその卵を破壊されたことで怒っていて他のメンバーのことなんて忘れている。今のうちに他のメンバーを逃がして、お前がその卵を盾にしながら逃げる。そうすればお前はその卵残り2つ分の経験値が丸々手に入る』
バカな……その手があったか。
なんて素晴らしい作戦なんだ!
それしかない!
そうと決まれば……。
「みんな、いまだ! 逃げろぉぉぉ!」
俺は自分の出せる限りの大声を出す。
するとみんなも声が聞こえたのかなにやら話しだす。
だが俺を見捨てるのをためらっているみたいだ。
聞こえないが。
よし、あと一押しだ。
「俺のことは気にするな! 必ず戻る!」
みんなはなかなか戻ろうとしなかったが、最後には結局逃げていった。
よしよし、あとは俺がこいつを撒くだけ。
「固有スキル! 詐欺!」
俺は早速覚えたばかりの固有スキルをワイバーンに使う。
だが反応はない。
効いたのか?
だがとりあえず話しかけてみるか。
魔族の言葉が理解できるかは分からないが(自分では魔族の言葉を話している自覚はない)とりあえずやってみる価値はある。
「おい、勘弁してくれよ。殺気卵を割っちゃったのは手違いなんだ。壊すつもりなんてなかった。頼む、見逃してくれ!」
どうだ?
流石に手に卵持った状態じゃ無理か?
でもこの卵は絶対に手放したくない。
「グルルゥゥゥゥゥ!」
お、なんだ? どっか行ったぞ。
おいおいマジかよ。
固有スキル『詐欺』強くねぇか?
人間相手ならこう上手くはいかないだろうが。
と、とりあえずほとぼりが冷めないうちにさっさと退散だ。
ワイバーンの姿が見えなくなったら卵を壊そう。
俺はとにかく帰還のための最初にこの森に来た転移魔法陣のある所に向かって走り続ける。
後ろを振り返るともうワイバーンはいなかった。
よし、卵を割ろう。
俺は抱えていた巨大卵をぶっ壊す。
【レベルが35上がりました】
【レベルが21上がりました】
【固有スキルが解放されました】
うぉぉ、合計56。
さっきのと合わせると101。
確かギガントボアを倒してレベル14になり、ホーンラビット5匹狩って15。
ワイバーンの卵を3つ壊して116レベルか。
しかも固有スキルがまた解放された。
えぐいな。
森の中でステータスの確認は危険だが、一瞬ぐらいならいいだろう。
「ステータスオープン」
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ステータス
種族:下級吸血鬼
職業:なし
名前:リューン
年齢:160
Level:14→116 new
HP:202/202→974/974 new
MP:22/22→104/104 new
攻撃力:19→93 new
防御力:17→81 new
知力:58→278 new
素早さ:10→46 new
スキル:スキルポイント129 new『詐欺(10)★1』
加護:なし
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えげつないことになっていた。




