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第55話 予定変更

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「なあ、2人とも。やっぱり夜に盗みに入るのはやめて今からにしないか?」


 俺は2人にそう提案する。


「おいおい、いきなりどうしたんだ。人目の多い昼間に行ったら成功確率がガクッと下がるぞ」


 んなこと分かっとるわ! キースに言われるとイラっと来るから黙っててくれ。


 ちゃんと対策も考えてあるっつうの。


 まあ作戦成功率が下がるって点だけは間違っていないけどな。


 どんな良い作戦を考えようとも一番いいのは余計なことはせずに目的の貴族屋敷への盗みをすることだけに集中すること。


 だけど仕方ないじゃないか。


 俺だってプリンとかケーキが欲しいんだよ。


 これだけはもう決定事項だから譲れないもんね。


「あなたはいつもバカなことを言いますね。いったいどうしたんですか?」


 うん、ミアちゃんが反発するのは予想通り。


「まあまあ、そう慌てないでよ……。俺だって考えがあって言ってるんだ。まず夜は確かに人目に付きにくいというメリットもあるが、こちらも視界が悪く何か物音を立ててしまい失敗するリスクがあるからどちらもメリットとデメリットがある」


「確かに……。俺たちはリューンにくっついていったら成り行きで参加することになったから別に隠密行動が得意だからという理由で選ばれたわけじゃない。暗闇での行動はリスクが高いか」


 俺が必死に2人を説得する言い訳を並べてみると、キースがいつになく真剣な表情で答えてくる。


 いつものふざけたお前はどうした。


 ……いや、こいつは前の戦争の時も戦略を考えるときはかなり頭の回転がいい奴だったな。


「悔しいですが戦略に疎い私でも納得してしまいますね……。悔しいですが……」


 悔しいですがを連呼するな!


 いや、まあいい。


 もう少し言い訳を用意していたが作戦変更の真の理由を話さずに説得することができたのだしそれ以上は望まん。


「ま、これから10時間近く時間をつぶすのもきついしな!」


 ……うん、やっぱりいつものアホのキースだったわ。


 後は作戦を終えて騒ぎが大きくなったところで「ここは俺に任せて先に行け!」という死亡フラグ的セリフでキースとミアちゃんを先に帰す。


 そしてそのあと洋菓子店からこっそり大量のケーキやプリンを盗んできてそのままこっそり自分の部屋に戻れば作戦成功だ。


 途中で2人を先に帰らせることによって今回の作戦変更の意図を最後まで気が付かせずに盗んできたお菓子を独占できるというメリット。


 ふふふ……まったく俺ってば天才的な発想だ。


 プリントケーキは絶対に手に入れる。


 いや、まだ自画自賛している場合じゃないな。


 まだ作戦を考えた段階であり、始まってもいない。


 今は作戦成功にだけ集中すること。


 貴族屋敷に盗みに入ってそれがばれて殺されでもしたら元も子もないからな。


 さて。


「それじゃあ……」


「「「行こうか!!!」」」

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