第50話 ランキング勝負!?
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なんか変なのがやって来たぞ。
キースと入れ替わりでこんな奴がやってくるなんて今日の俺は本当に運が悪い。
つーかこいつ名前も名乗らないで……。
「お前誰?」
俺はとりあえず名前ぐらいは名乗れと心の中で文句を言いながら名前を問う。
本当は30分になったことだし無視して食事をとりに行きたいのだが、そうすればこいつが追ってくることは目に見えてる。
ここは最悪だがこいつの相手をするしかない。
「誰だと……? って……確かに名乗っていなかったな。失礼した。俺の名前はダンだ! これから貴様のライバルになるものの名前なんだ。よく覚えとけ!」
本当に暑苦しい奴だ。
面倒くさいったらありゃしない。
「そうか、よろしく」
俺はそう言って去っていく。
完璧だ。
「っておい待てや!」
ダンは華麗にこの場を離れようとした俺の前に騙されてワンテンポ遅れたが、すぐにおかしいことに気が付いて俺の行く手を阻む。
無理だったか。
やれやれ、向こうの方に美味そうな飯が見える。
腹減った。
だからとりあえず……。
「仕方ない……。話は聞いてやるからさ、とりあえず飯食おうぜ」
俺はそう言って飯の並んである場所を指さす。
そこにはすでに人だかりができていた。
「な、なにを言っている……グー。……」
反論しようとしたダンの腹が大きく鳴る。
これには笑いかけてしまった。
「た、確かに腹が減ったな。話は飯を食いながらでもいいか……」
さっきまで騒いでいたダンは途端におとなしくなって俺に従う。
俺はニヤニヤしながら列の最後尾に並んだ。
ダンも俺の後ろをついてくる。
キース2号の出来上がりだ。
煩わしいやつがまた増えてしまったな。
数分ほどまって順番が回って来た俺たちは適当に料理を取ってきてその辺のテーブルに座る。
その前に遠くで大量の料理を大口を開けながら貪り食っているキースの姿が見えた。
……いや、見なかったことにしよう。
「はぁ、それで話ってなんだよ。別に忙しくないが面倒事は勘弁してくれよ。後手短にな」
俺は飯を食いながら嫌々話を聞くことに決める。
「だから勝負だよ勝負」
やっと話を聞く気になったかと言わんばかりの喜びに満ち溢れた表情で話を始める。
勝負? そういえばそんなこと言ってたっけ。
「じゃんけん勝負でもしてほしいのか? じゃーんけん、ぐー」
「って違うわー!」
やれやれ冗談なのにうるさい奴だ。
「今回の作戦で勝負するんだ。ルールは簡単。どちらがよりランキングの上位に入れるかだ。発案者なのだからこの作戦の概要は聞いているだろう?」
確かに聞いている。
それも詳しく。
だがしかし……。
「面倒くさい却下」
「なんで!?」
そもそも俺はもう出世したいなどとは微塵も考えていない。
1位~3位入賞で貰える「何でも言うことを聞いてもらえる権利」というのは魅力的だがそんなのは幹部に独占される。
現実的に取得できる可能性が少しでもあるのは4位以下という訳だ。
いったい誰がこんな作戦に参加するのやら。
「なんでって……。面倒だからって以外に理由なんて……」
「面白そうじゃねぇか。じゃあ俺とリューン、それとミアちゃんでチームを組む。だからそっちもあと2人集めろ。チームでの合計ポイントがどっちが上かで競おうぜ!」
ないだろと俺が続けようとしたところでキースが割り込んでくる。
こいつは本当に人に迷惑をかけずには生きていくことができないのだろうか。
俺は今日何度目か分からないため息をついた。




