第48話 前夜祭
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そして会議は終わった。
現在は会議終了の翌日だ。
昨日会議が終わって部屋に帰った俺とキースは特に何事もなく1日を終えた。
昨日の会議でかなりの時間色々と話し合った結果、別に細かい準備が必要な作戦という訳では無いので、善は急げということで決行は今日から見て明日に決まった。
隠密行動に長けた兵士を幹部が昨日徹夜して選び抜いたようだ。
ちなみに俺たちは巻き込まれなかった。
そしてその選抜された兵士の中で作戦を各自各々の好きなように行ってもらうというスタイルを取った。
最初は幹部が指揮を執りながら行うという方向で話が進んでいたが、ルイスさんが幹部自身も作戦に参加した方がいいと意見したことにより、自由行動をさせることに決定した。
さらに、ただ勝手にやってというのでは、誰もやらなくなってしまうので、少しゲーム性も取り入れることになった。
今回の作戦は人類の混乱が主な目的ではあるものの、ついでに金目の物を盗んで来ようということになっている。
そこで盗んできた高価な魔道具や武器、宝物などを魔王様が鑑定し、ポイント化する。
これは魔王様1人が価値を決めることになっていて、魔王様が高価だと判断したものほど高いポイントが付く。
そしてそのポイントを宝物管理班が集計し、毎日ランキングを発表する。
そして1位~3位には1つ何でも魔王様が願いをかなえることになっている。
4位~10位の報酬は1階級アッププラス宝物庫の物を1つ貰える権利が入手できる。
参加賞は食堂でデザートが1食だけ一品増える権利の様だ。
ちなみに幹部の人たちが選抜した兵士の人数は224人。
今日の朝から魔王城のいたるところに選抜兵士の一覧表が貼られている。
さっきも言ったが作戦開始は明日。
だがその前日の今日、なぜか前夜祭というものが行われることに決定した。
参加条件は今回の作戦に選抜された兵士と隊長以上の階級を持つ者だ。
なぜ今まで前夜祭どころか軽いパーティー的なのすら一度も行われなかったのに唐突にこのような大規模パーティーが開かれることになったのか、俺は最初かなり疑問に思ったものだがルイスさんによると、「明日は魔族解放の第一歩を踏み出す日……というのは建前で本当はこのように大げさに前夜祭をやることで兵士のやる気を出させる狙いだ」と言っていた。
そのために色々大変な準備をさせられた人たちはたまったものじゃないと思うが、まあ確かに理に適っていないことはない。
とまあ長くなったがそんな訳で俺はパーティーの行われるという大広間にキースとともにやって来たのだった。
「しかしまさかお前の放ったあの一瞬の疑問の声からこんな大事にまで発展するとはな」
部屋へ向かう道中、キースが何度目か分からないセリフを言ってくる。
それは俺が一番思っていることだ。
「まあそれはそうだけど結果的にいい方向に向いたんだ。あそこで目立ったおかげで今回の作戦に選抜されてこんな豪華なパーティーにも参加できるわけだし、普段食っている以上のものがゴロゴロ出てくる。ドラゴンステーキとかもあるんじゃないか?」
俺はこれから出てくる美食を頭に浮かべる。
「別に悪いとはいってないさ。ただあのメンバーが揃う中で堂々としゃべれるお前がすごいなと思っただけだ」
確かにな、前世の俺はお世辞にも人前に立つのが得意とは言えなかった。
異世界に来て力が強くなったようにそういう能力まで高くなったのかねぇ。
いや、力がつよくなったのは魔族の体になったからであってそれはやはり関係ないのか?
俺はどうでもいいことに頭を悩ませる。
するとやがて目的地にたどり着く。
「ま、今日はとにかくパーティーを楽しもうぜ」
俺はキースに笑いかけて扉を開けた。
いざ、美食を食しに。




