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第45話 リューンの作戦

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 最悪だ。


 だがここまでなってしまった以上誤魔化すことはもうできない。


 やれやれ、もう一度覚悟を決めないとならないようだ。


 俺は目を瞑り一度大きく深呼吸をする。


 そして目を見開いた。


「では僭越ながら申し上げさせていただきます。ファルス様の作戦は恐らく絶対に不可能かと」


 俺は冷静を装い堂々と話す。


 しかしよくもまぁこんなセリフが出てくるものだ。


 自分でも驚いている。


「ふざけるな! どんな根拠があってそんなことを!」


 うん、やっぱり早とちりをするこの人がこんな発言をするのは予想通り。


「まぁまぁ、話は最後まで聞いてくださいよ」


「貴様……!」


 俺のおざなりな態度にガウェインさんは火に油を注がれたかの如く怒り狂い立ち上がる。


 しかし他の幹部の人たちが目で制したため、すこし気圧されたように体を引いて席に座る。


 どうやらこの人も他の幹部全員に睨まれては文句を言えないようだ。


 まぁここで歯止めがきかず暴れまわるような人間が幹部になれるわけないよな。


 武芸だけではなく最低限の冷静さはギリギリ持ち合わせているようだ。


「では話を再開させていただきます。先ほどファルスさんは帰り道は救出した魔族に戦わせると言っておりましたがそれは不可能です。今まで人類に怯えていた者たちがいきなり人類に立ち向かうことができるでしょうか。否、戦うどころか混乱して足手まといになるだけです」


「だから無理そうなら後から軍を差し向けると言っているではないか!」


 俺の話を遮って怒鳴って来たのはやはりこの人、ガウェインさん。


 だから人の話を聞け。


 俺はいい加減イライラしてきたが、ここで雑な態度を取ってはいけない。


 俺はこの人より身分が低い。


 ただでさえ問題を起こしているのにこれ以上はマズい。


 ここは丁寧な対応を……。


「ええ、ですからそれも不可能です。冷静に考えれば魔族を救出しようとしている精鋭部隊と救援に来る軍隊、どちらを対処するかなんて明白です。何故なら前者は先ほど申し上げた通り足手まといを連れて人類の国のど真ん中に少数で残っていて、後者は大軍で退路を確保できているうえ戦闘力は未知数なのですから」


 俺はようやく言いたいことを言い終える席に着く。


 ガウェインさんは顔を真っ赤にしながら何かを言いたげな表情をしている。


 だがどうやら話の内容についてこれてなくて困っているみたいだ。


 しかし、そこでこの会議中未だ一度も発言していないある人物が声を上げる。


「うん、俺もリューンと全く同意見だ。ファルスさん、あなたは強いし頭もそこそこキレる。だが人の立場に立って物事を考えることが非常に苦手なようだ。人類に虐げられてきた魔族の心情をね」


 そう、その人物とはヴィルフさん。


 どう考えてもこの人が魔王軍のナンバーツーに相応しい。


 圧倒的な風格だ。


「あぁ、確かにそこの近衛兵の言う通りだ。だがこれに代わる案はあるのか?」


 ルイスさんもヴィルフさんに続き俺の考えに同意してくれる。


 しかし代案か。


 もちろんある。


「ええ、当然。お話してよろしいでしょうか?」


「貴様、近衛兵の分際で……」


 またもガウェインさんが俺の話を遮ろうとしたところで幹部全員が目で制する。


 もうこの展開飽きたよ。


「それでは私の考える魔族の反撃作戦をお話しします」


 自分で言ってて思った。


 ど・う・し・て・こ・う・な・っ・た。

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