第43話 魔族奪還計画
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ファルスさんは席に着くとそう言った。
魔王軍のナンバーツーというだけあって最後に現れて会議を勝手に開始するようだ。
偉い人はなんでも自由にできるってね。
一体どんな人物なのだろうか。
「今日はどんなことを話すんだ? いつもいつもこの会議は大体必要性があるのかどうかわからない話をして終わっている。今日はまともな話題があるんだろうな?」
最初に口を開いたのは『白虎』のガウェイン。
いかにも脳筋そうな見た目をしているし、言葉使いも荒っぽいって程ではないが丁寧ではない。
純粋な武闘派幹部か。
「確かにそれは私も気になるところだな。いつもいつも役立たない話ばかりでは会議を行っている意味がない。
この『青龍』のルイスさんは冷静そうなイメージだ。
だが少し怖そうな雰囲気もまとっている。
インテリヤクザみたいな? 少し違うか。
とにかく頭脳派実力者ってところだな。
「うん、確かに最近は少し話題がなかった。でも今日は違う。魔王様がこんな事を言ったんだ。『先日の戦争での勝利により魔王軍の兵士の中では攻勢に出るべきだという考えが上がり始めている』とね。魔王様はみなまで言わなかったがつまりその案を練ろと言っている。今日はそのための会議だ」
『玄武』のファルスは2人に答える。
なるほど、今まで魔王軍は人類の攻撃を防ぐことで手一杯だったと聞いている。
今回の戦勝を機に攻勢に出るのか。
しかしそれは少し気が早いのではないだろうか。
今までは防衛だった。
迷宮に立てこもっているわけでなく野戦で決着をつけているのだから条件は同じだろうと思うかもしれないが、攻勢に出ている人類の方が圧倒的に不利だ。
理由は移動距離と兵糧の問題だ。
まず人類軍は魔王城付近のレナス川までの長距離行軍で非常に疲弊している。
それに加え、兵糧も持ってくることができる量は限られている。
戦いが長引けば不利になるのは人類軍の方だ。
つまり防衛側の魔王軍はただ時間を稼ぎ耐えしのぐことができれば勝利と同義なのだ。
その上兵糧が少ないということは連れてくることのできる兵士も限られているということ。
そのため人類軍は生物としての強みである繁殖力を生かせていない。
これほどのハンデを貰って勝利を得たからと言って、攻勢に出るのは正直利口だとは思えない。
たとえ今回の戦争で人類の誇る精鋭部隊黒鋼騎竜隊『覇王』のディランを討ち取ったからと言ってもだ。
それほどまでに魔王軍と人類軍の間には致命的な差がある。
そのことを魔王様や幹部他の人たちが理解していないはずがないと思うのだが……。
「何をバカな。いくら一度防衛線で勝った程度で呑気なことを言っているのだ。そんなことは現実的ではない。そんな低位兵士のアホな話を真に受けるなんて魔王様は一体どうされてしまったのだ?」
そう言ったのはルイスさんだった。
だよね、俺も本当にそう思う。
「うん、ルイスの意見は最もだ。だから攻勢に出る前にある準備をしようと思う」
だがファルスさんもいろいろと考えていたようだ。
「準備だと?」
ファルスさんはさらに続ける。
「あぁ、それは前から考えられていたことさ。『魔族の奪還』。これが今回の議題となる」




