第39話 プレイボール
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「よし、それじゃあミーティング開始だ。とは言っても軽い自己紹介からだけどな」
俺はまず手始めにチームメンバーとなる初対面の近衛兵の人たちをベンチに集める。
別に自己紹介をしたからと言ってチームワークが格段に良くなるわけではないが、名前すら知らない状況は流石にね……。
「まずは俺たちから。俺はリューンでこっちがキース。このかわいい女の子がミアちゃんだ」
俺はいちいち1人ずつ自己紹介してたんじゃ面倒なので3人まとめて紹介してしまう。
「俺たちは作戦立案班のA班だ。名前はウィロ。こっちのドロアとフィスは同じ班の仲間だ」
まずは長身のイケメンが紹介している。
隣にいる女の子はミアちゃんほどではないがそこそこかわいい。
イケメンはうらやましいぜ。
「俺たちも同じくB作戦立案班のB班だ。俺はドゥルフ、こっちはウィン、そっちはジンだ。よろしく」
こっちの方はTHE陰キャ組って感じの3人組だ。
よかったよかった。
イケメンがそんな何人もいたらたまらないからな。
「それじゃあ打順はさっき名前を紹介した順にな。ポジションは希望はあるか? なければ勝手に決めちゃうが」
正直最初は小学生の草野球以下のクオリティになるのは目に見えている。
守る場所なんてどこだって変わらない。
「勝手に決めてくれて構わない」
みんなも別にどうでもいいようだ。
まあこいつらはテンションが上がっちゃったヴィルフさんに無理やり連れてこられたんだから興味があまりないのも仕方ないか。
だがせっかくやるのなら楽しまなくては勿体ないというもの。
ポジションはできる限り合ってそうなところを選んでやろう。
「それじゃあ勝手に決めるぞ。経験者の俺はピッチャーでまあ相棒のキースはキャッチャー。運動神経のよさそうなウィロとミアちゃんとドロア、フィスはショート、セカンド、サード、ファースト。陰キャ3人組はライト、センター、レフトだ」
「「「誰が陰キャ3人組だ!!!」」」
息ぴったりだね。
「それじゃあヴィルフさんたちに一泡吹かせてやろうぜ!」
「おう!」
地球にいたころは野球は好きだったけど運動神経が悪すぎたせいで実践は全然ダメだった。
だが運動神経が格段に跳ね上がったこの体なら……。
俺はマウンドに向かう。
先攻はヴィルフさんのチームだ。
「それでは、試合開始!」
審判とかはいないので俺が勝手に宣言する。
審判がいないということはストライクやボールを判定する人がいないのだが、そこは正直にキャッチャーが判断するということで。
俺はボールを握る。
大きく振りかぶって……第1球!
膝元を狙うインローのストレートだ。
パァン! という大きな音共にボールがミットに収まる。
ストライクだ。
「「マジかよ……」」
そういったのはヴィルフさんと俺自身。
なぜ自分で投げておいて自分が驚いているかは言うまでもないだろう。
なんと言ったってプロ野球選手よりも断然速いであろう球速の球をこの俺が投げているのだから。
「やばい、野球楽しい。見ているのよりもやる方が断然楽しい」
俺は2球目も同じコースに投げる。
ストライク。
そして最後はアウトコースローのストレートで。
俺は3球目をリリースする。
2球続けて見逃したヴィルフさんはバットを振る。
「カキィン!」
鉄パイプがボールをとらえる。
「嘘ぉ!?」
俺は慌てて振り向く。
しかしボールは客席に入る直前にわずかに切れてファールになった。
あぶねぇ……なんでインコースに2球あんな剛速球を続けたのにあのアウトローのボールを打てるんだよ。
だけどまぁ、このボールで……。
俺は4級目をリリースする。
ボールはストライクゾーンに向かって飛んでいく。
コースの甘いボールにヴィルフさんがバットを振る。
「な……!?」
しかしボールは手元でわずかに曲がり、バットから逃げていく。
ストライク、空振りの三振だ。
「はぁ!? なんだ今の!? 魔力の流れを感じなかったからスキルは使ってないと思うんだがあんな逃げるように……。ボールに何か小細工したなぁ!」
ヴィルフさんは曲がるボールの原理が分からず小細工をしたとわめいている。
スライダー。
身体能力が上がっただけで技術自体は上がらないので変化は緩いが一応投げることができた。
俺はその後の2,3番も三振に打ち取ってこの回を3者凡退に抑えた。
「よっしゃ、次は俺たちの攻撃だ!」
俺は勢いそのままバットを握り打席に向かった。
次回予告は面倒だし必要ない気がするので今回から廃止します。




