第33話 エリート街道
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今回で話的には一段落。
それと10000pv達成しました。
「え……? 腹心ってどういうことですか?」
俺はあまりに現実味のない話をされて大きく驚いてしまう。
それはキースも同じようで、無言で難しい表情をしている。
「ま、それは今から説明するところだ。とりあえず聞いてくれ」
ヴィルフさんにそう言われ、俺たちは一旦冷静になる。
そして、ヴィルフさんは話を切り出し始めた。
「お前たちは近衛兵に任命されただろう? だが近衛兵とは何をするか知っているか?」
そういえば高い階級へ行くことばかりでよく考えたことはなかったな。
でも普通に考えると……。
「魔王様の護衛……?」
俺は質問に答える。
「ま、基本的にはそうなんだが、近衛兵には実に多種多様な仕事がある。近衛兵は言ってみれば『何でも部隊』だな」
えー、初耳なんですけど。
「編成当初は護衛だったんだ。だが徐々に人数が増えてくると、魔王様が邪魔だからそんなにいらないと言われて近衛兵の中から諜報部隊や作戦立案班といった重要な役割を持つ少人数の舞台や班が編成されるようになっていった。こんな背景もあり、今では隊長クラスの者が才能を持っていそうな近衛兵を家臣にすることも珍しくないのさ」
「なるほど」
キースがうなづく。
確かに近衛兵が数1000人もいるって聞いたときは意味不明だと思ったが、そんな事情が……。
だがさっきの話からすると、ヴィルフさんは俺たちが黒鋼騎竜隊隊長を少しの時間でも止められたことを評価してくれたってことだよな。
早くもっと高い階級に成り上がっていきたい俺としては幹部の腹心なんてのは願ってもない話。
「そういう話なら……」
「ぜひお願いします!」
俺とキースの意見は一致した。
「よし、魔王様の許可は取ってある。早速今日からお前は俺の腹心だ。とは言っても仕事は今は特にないがな」
その後、ヴィルフさんに仕事内容について詳しく聞いたところ、平時の仕事は特になくて週1で行われる幹部会議に同行することだけのようだ。
戦争時はヴィルフさんのそばにつき、仕事の補助をするようだ。
ときおり平時もヴィルフさんの呼び出しがかかるそうなので、戦闘メイドとはいかないが近衛兵の中から適当に見繕ってつけてくれるようだ。
つまりそのメイドを経由して俺たちに呼び出しをかけると。
それを聞いて俺は改めて思った。
幹部の腹心という役職……美味しすぎる。
仕事は週1、戦時は幹部のそばにいることができる、つまり安全が保障されている。
その上メイド付きですと……!
これは命を懸けてディランと戦ってよかったと思える報酬だ。
異世界に来て数日、ついに俺は夢の生活を手に入れたんだ。
キースも下級兵としての厳しい日々とおさらばできると思い喜んでいる様子だ。
ま、死と隣り合わせの日常じゃあ気も休まらないわな。
「「ヴィルフさん、本当にありがとうございます!!」」
俺はヴィルフさんに長い時間深く深く頭を下げ、心の奥底から感謝した。
作者 「ついに下級兵士としての生活が終わり、リューンたちは素晴らしい地位を手に入れた」
リューン「今までとは待遇が打って変わってよくなり俺たちはこの最高の生活を味わい尽くす」
作者 「しかしそんな時にある人物が俺たちの前に姿を現す。その人物とは一体……?」
リューン「次回『最高の生活と最高の再開』」




