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外伝 最強魔術師の成り上がり 第1話 剣士になりたい

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 俺はある小さな村に生まれた。


 森の奥にある魔族の村。


 人口が100人にすら満たないそんな村だったが、俺は特に不自由を感じることはなかった。


 両親も村の皆も優しい人ばかりで毎日楽しかった。


 村にいた同年代の友達といつもチャンバラごっこをして遊んでいたっけ。


 そんなある日俺は父さんに言ったんだ。


「父さん、俺も狩りに連れて行ってくれよ。みんなの役に立ちたいんだ!」


「ダメだ。お前はまだまだ未熟だ。もっと訓練して俺が認めるほどの強さを手に入れたら連れて行ってやる」


「ちぇっ」


 俺は不満な顔で渋々納得したっけ。


 それから俺は毎日暇さえあれば剣を振ったっけ?


 そう、俺は剣士になりたかったんだ。


 でも……。


「ヴィルフ、お前が剣士になりたいのは分かるけどな、才能の壁ってのは悔しいけどやっぱりあるんだ。お前はMPが高いんだろ? 明らかに魔術師向きだ。早々に魔術師としての修業をつんでおかないとせっかくの才能を棒に振ることになるぞ」


 ある日父さんに言われたんだ。


 俺だって分かってたさ。


 年下の子にだって木刀を使った模擬戦じゃ当時は勝てなかったんだ。


 けど当時の俺はまだ子供も子供。


 そんな風に割り切ることができず、周りから何を言われたって剣を振った。


 でもやっぱり周りからの諦めろって声は止まなくて。


 俺は思ったんだ。


「そうだ、早朝の誰もいない時間にこっそり家を出て狩りに行こう! 村の近くの森は俺でも倒せる弱い魔物のホーンラビットしか現れない。1人で剣士として魔物を狩って俺の剣士としての実力をみんなに認めさせるんだ!」


 そして、翌日の早朝。


 俺は足音を忍ばせて家を出た。


 木刀じゃ流石に心もとないので父さん愛用の真剣を拝借してね。


 村の結界を抜ければすぐに魔物がいるかもしれない。


 俺は気を引き締めて剣を握る力をより一層強める。


 俺は結界を抜けた。


 すぐに襲い掛かってきてもいいように油断なく剣を構える。


 襲い掛かってくることはなかった。


 だが……。


「右前方に一匹発見!」


 俺は足音を立てないように、ホーンラビットのもとへじりじりとにじり寄る。


 もちろん周囲の新手への警戒も怠ってはいなかった。


 そして距離が3mまで縮まったとき、ホーンラビットに気づかれる。


 気が付いたホーンラビットは一直線に俺に突撃してくれる。


「流石に俺でも避けられるッ、オラッ!」


 俺は突撃を躱してすれ違いざまに剣を大きく上段から振り下ろす。


「ヴー!!」


「よっしゃ! 手ごたえアリ!」


 ホーンラビットは大きく鳴き声を上げて絶命した。


 首をきれいに切断……とまではいかなかったが、ホーンラビットの胴体をきれいに切断できている。


 自分で思った以上にうまくいき、興奮してしまったが、後方で「ガサッ」という草むらをかき分ける音が聞こえて、慌てて振り返る。


 そこには草からちょこんと顔を出したホーンラビットがこちらを睨みつけていた。


「探す手間が省けたぜ!」


 俺は1匹で満足はしていなかったので、まだ狩りを続けるつもりだったが、ホーンラビットが現れてくれて喜んだ。


 俺は早速足に力を込めて大地を蹴……ろうとして踏みとどまった。


「ガサッ」


 右から何か音がしたからだ。


 まさかもう1匹来たかと思って一瞬振り向くと、予想通りもう1匹のホーンラビットが姿を見せていた。


「2匹か」


 俺は少し焦りを感じる。


 1匹なら余裕だが、2匹となると討伐の難易度はグンと跳ね上がる。


 だが、ホーンラビット程度なら攻撃を食らっても怪我はすれど死にはしない。


 俺は覚悟してこの森に1人で狩りに来てるんだ。


 そう考えた俺は……。


「やってやるよ!」


 だが現実は非情だった。


「ガサガサッ」


 なんと背後からホーンラビットが2匹も現れたのだ。

ちょっと本編を書くのは気が乗らなかったので気分転換に外伝を書いてみました。

明日もこの続きかな。

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