第27話 残酷な現実
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絶望の夜が明けた。
あの後結局下っ端の俺たちに出来ることは何もなかった上、睡眠もろくに取れていないということで寝ることにしたのだ。
俺は起きてなんとなくあたりを見回す。
「あ……」
隣を見るとキースが眠りこけている。
そういえば眠いからってことで距離が近かったキースのテントで寝たんだった。
別に自分のテントまでそこまで距離があったわけではないのだが、昨日はそれすらも億劫なほど眠かったんだよな。
なんて言ったって真夜中にあれだけの出来事がったのだ。
それが終わって安心してしまえば緊張の糸が切れて急に疲れが押し寄せてくるのは自明の理だ。
「起きろ! キース。今は戦時なんだ。緊張感を持て」
俺はキースを起こそうと体を揺らしながら叫ぶ。
まぁ緊張感を持てなんてさっきまでぐっすり眠っていた俺が言えたものではないが。
「んん……。あぁ? ……って、リューンか。すまん、流石に疲れが出ちゃって」
ま、気持ちは凄く分かる。
今は朝の5時ぐらいだ。
普段は9時ぐらいに起きてる俺たちには少し厳しいよな。
「そういやみんなは今頃どうしてるんだろうな」
突然キースがそんなことを言い出す。
昨日の夜から姿を一度も見ていないし、少し心配だ。
「そうだな。流石にまだ戦争も始まらないだろうしドレイクさんのテントに行ってみるか」
そうして俺たち2人はキースのテントから出た。
道中俺たちは何も話さない。
やはりキースはドレイクさんたちのことが心配なのだろう。
昨日の奇襲による被害は大きいと聞く。
考えたくはないが死んでいる可能性も十分にある。
俺たちは下級兵で弱い存在なのだから。
そう考えた俺は沈黙を覚悟を決めて破る。
俺は一言。
「覚悟だけはしておけよ」
最も、俺自身が覚悟できているのかどうかは自分でも分からない。
実際にその状況に立ち会ってみないと何とも言えないというのが俺の考えだ。
俺は日本にいたころは平穏な生活をしていたのだ。
誰かの死には立ち会ったことはない。
思わず異世界に来てしまって、今までことが都合よく進んできたことと、このゲームのようなファンタジー世界観からゲーム感覚で油断してしまいがちだが、今俺がいるのは紛れもない現実。
だから俺はとりあえず戦争という悲惨な出来事の渦中にいるのだと今一度胸に深く刻みつけることしかできなかった。
キースも長い間俺の言葉に返事は返さなかったが、数秒後。
「……分かってる」
と、小さな声で返してきた。
数分後、ようやくドレイクさんのテントにたどり着く。
俺は、ざわめく心を抑えて、できる限りいい結果であるように祈りテントに入った。
しかし、そこには誰もいなかった。
しばらく俺たちは茫然としていた。
沈黙が空間を支配する。
俺も正直今頭が真っ白になるほど混乱しているし、「嘘だ」って思いが心の中に渦巻いて気が狂いそうになる。
付き合いが短いとはいえ、2週間ちょっとの間一緒に生活してたんだ。
それなりに仲良くなったし、向こうがどう思っているかは分からないが、俺は親友だって思ってる。
だからすごくショックを受けてる。
だが……キースは今どんな気持ちなのだろうか。
まだ死が確定したわけではないが、可能性はかなり高いということが分かった。
キースは俺よりもみんなと付き合いが長い。
だからキースの気持ちを考えると、軽々しい言動は慎まなければならないと思った。
だから俺はなんて言えばいいのか必死に考えた。
だけどそんな言葉は思いつかなかった。
だから俺は無言でテントを出た。
まだ死んだと決まったわけじゃない。
俺は悪い考えを頭から消し去るように努力して、ある人のもとへ向かった。
作者 「えーと、今日はーーー」
リューン「無理しなくていいから! つーかそんな必死にしょうもないネタやろうとするなら次回予告でもやった方がよくね?」
作者 「……確かに。じゃあ次回からそれで」
ということで次回からこの謎コーナーはやめて次回予告に代わります。




