第3話 33班
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「そういやさ、俺は名乗ったけどお前の名前聞いてなかったな」
キースは部屋への道すがらそんなことを聞いてくる。
そういえば俺もあの時は混乱してて名乗り返すのを忘れてた。
「あぁ、忘れてた。すまん、俺の名前はリューン、分かってると思うが下級の吸血鬼だ」
「リューンね。……お、部屋についたぞ。魔王軍では12個の隊に分かれて地下迷宮の防衛の任についていて、さらに1つの隊の中でも48の班に分かれている。1つの班の人数は基本的に6人。それプラスすべての隊には隊長と副隊長がいるが。まあそれはいいとして6人で1つの部屋を使うことになる。狭いが勘弁してくれ」
「あぁ、それぐらい大丈夫だ」
48班×6人で1つの隊当たりの人数は288人、さらに副隊長と隊長が1人ずつ。
つまり1つの隊で290人。
それが×12で3480か。
この広すぎる地下迷宮の防衛がそれだけというのはだいぶ不安だが。
まあ俺の知らない秘密がこの魔王城にはまだまだありそうだしいちいち考えるのやめるか。
「お前ら、遅くなったな。ただいまー」
「お、キース、お帰り~。いったい仕事もない日にどこをほっつき歩いていたの?」
キースが部屋の扉を開けると中にいた人たちが一斉に振り向き、それぞれ言葉をかける。
この人たちが俺の仲間になるのか。
みんなすごくいい人そうだ。
「悪い悪い。ちょっと別の班にいる友達と会おうと思ってさ。外の警備の仕事があったようだから外に出たんだ。あとそれだけじゃないんだ。今日はたまたま新しい仲間を見つけたから連れてきたんだ。ほら、リューンなんか一言言ってくれ」
「お、おう。俺は下級吸血鬼のリューンだ。よろしく」
とりあえず無難な自己紹介で済ませる。
もう少し面白い自己紹介とかにしようかと思ったが、そんな必要は別にないだろう。
「おぉ、新しい仲間か! 俺はこの班のリーダーをやっている小鬼のドレイクだ。よろしくな」
小鬼か。
その割には体格も良くて中々強そうだ。
流石班長と言ったところか。
「私は下級吸血鬼のミア。よろしくお願いしますね」
か、かわいい。
ピンク色の髪は俺が一番好きな髪の色! 体も小柄なのに胸は強調しすぎない程度に大きく、スタイル抜群。
吸血鬼っていうのが小悪魔っぽくてまた素晴らしい。
ぜひ仲良くなりたいものだ。
「俺は下級狐人のロイ。よろしく!」
男はどうでもいい。
引っ込んでろ。
「あたしはローレン。下級牛人さ。これからよろしく頼むよ」
ババァかよ。
熟女趣味はない。
「と、一通り自己紹介が終わったところで新しい仲間の加入を祝って宴だぁーと行きたいところだが残念ながら最近狩りをサボってたせいで食うものがない。てことで狩りに行くぞ」
「確かに最近だらだらしてばかりで狩りに行ってませんでしたもんね」
「そういうことだ。リューンには悪いが早速付き合ってくれ。お前の実力も知りたい」
うそーん。
いきなりそんなこと言われても俺まさかのレベル1チートなしだぞ。
みんながレベルいくつかは知らないが俺よりは確実に強い。
間違いなく足を引っ張ることになるぞ。
まあでも仕方ないか、この状況じゃ断れないしな。
「分かった。けど俺は弱いぞ」
こう言っておけばきっとみんなも俺の実力を知っても驚かないだろう。
「またまた、謙遜するやつは意外と強いってのが常識さ。期待してるよ、新人」
ババァぁぁぁ!
なんでハードル上げるんだよ。
「ちょ、勘弁してくださいよ。マジで弱いんですから」
「ハハハ」
ババァは笑いながら背中をバシバシ叩いてくる。
いてぇよ。
はぁ、俺はこれからどうなってしまうんだ。




