第26話 絶望の夜に終止符を。最強vs最強
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「!? 俺はステータスを秘匿してきたはずだ。お前がなぜそれを!?」
ヴィルフさんが盛大に驚いたとき、俺は自分がやらかしたことに気が付いた。
「い、今のは……」
俺は必死に言い訳を探したが、ここまで言ってしまってはもうどうしようもない。
「はは……」
俺はとりあえず誤魔化したが、時すでに遅し。
「ま、それはあとで聞くことにしよう。とりあえずは目の前の敵を早急に排除するとしようか」
ヴィルフさんは不敵な表情を浮かべる。
「ここは俺に任せてもらおう」
一方、敵のディランの方も笑っていた。
「まさか魔王軍幹部が出てきてくれるとはな……。ちょろちょろ動くそこの雑魚に手間取ってイライラしたが、これは思いがけない大きさの鯛が釣れた。ここからは本気で行くぞ!」
そして、戦いの火蓋は斬られた。
両者同時に動き、ディランは右手の剣を振り下ろし、ヴィルフさんは上級火魔法で応戦する。
比喩ではなく、大地が揺れ、燃え上がる。
それはまさに頂上の戦いというべきものだった。
俺は視界に移るこの光景に思わず息をのむ。
しかしそれは俺だけではなく、敵である黒鋼騎竜隊員たちも同じような様子だった。
そしてそれから2人は数分打ち合った。
お互い一歩も引かないと戦いをしていたように見えたが、ある時ヴィルフさんは一言。
「なかなかいい戦いぶりだな。若造よ。だが俺はいまだ本気を出していない。今から本気を見せてやろう」
直後、ヴィルフさんから発せられるプレッシャーが跳ね上がる。
まず手始めにヴィルフさんは上級火魔法の連続攻撃を行う。
だがディランはこれをバックステップで華麗に回避。
今まではこれを繰り返すだけで終わっていたが、今回は違った。
「俺は魔法系のスキルを使う魔法使いの職業を持ってるんだけど普通の魔法使いとは一味違って……。近接戦闘を主体とした魔法使いなんだわ」
ヴィルフさんは今まで距離を戦っていたが、直後驚異的な素早さで接近する。
「は?」
ディランは一瞬で接近してきたヴィルフさんに驚きながらもしっかりと2本の剣をふるう。
その時は誰もが当たったと思った。
「「「うぉぉ!!」」」
敵の隊員からは歓喜の声が。
「嘘だろ……」
俺たちからは絶望の声が発せられた。
しかし。
「とろい、とろすぎるよ動きが。オラァ!」
ヴィルフさんは攻撃を回避していた。
「バカな! あの距離だぞ。タイミングはあっていたはずなのに。ごふぅ!」
さらにヴィルフさんは魔法ではなく拳をディランの体に叩き込む。
バキッ、という嫌な音が体からして、ディランが地に伏す。
トドメにヴィルフさんは上級火魔法を叩き込み、勝敗は決した。
「黒鋼騎竜隊隊長『覇王』のディランはこの俺、魔王軍幹部『朱雀』のヴィルフが討ち取った!!」
すると、その言葉を皮切りに黒鋼騎竜隊の隊員は散り散りになって逃げていく。
「追わなくていいのですか?」
見守っていたキースがヴィルフに問う。
「いいんだ。一般隊員なんて俺からすればいつでも討ち取れる雑魚だからな。それよりも今は自分たちのことを考えよう。この夜襲でこちらは甚大な被害を受けた。敵の殲滅に必死になっている場合じゃない」
「そうですね」
そうして俺はヴィルフさんについて行き、自分たちの陣営に戻ることにした。
そういえばあいつらはちゃんと無事生きているだろうか。
33班のみんなは。
リューン「戦争編も一段落ついたな……」
作者 「ということで1週間ほど休息を……」
リューン「とりません」
作者 「……ですよね」




