第19話 決戦前夜 後編
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「みんなも当然分かってると思うけど敵軍で恐ろしいのは1人でも戦況を変えられる人類の誇る化け物精鋭部隊。ぶっちゃけ一般兵士の役割は足止めとかその程度の役割だ。人類の一般兵はタイマンなら魔王軍兵士は誰でも勝てる。つまりレナス川の対岸に渡るためにはどれだけ精鋭部隊どもにエンカウントしないかだ。そこで俺は1つ作戦を考えた」
キースはここからが本題だとか言っておきながらまだよく分からない話を続ける。
さっさと結論を言ってくれ。
「ということで俺が色々と考えた結果今回はひたすら防御に徹する作戦で行こうと思う。敵が攻撃してもやり返さず防御。何をされてもひたすら防御だ」
ひたすら防御だと? 敵が攻撃したらやり返して倒すのは戦争においては普通の事。
それをひたすら防御に徹するっていうのはどこにメリットがあるのかが全く分からない。
キースは何を考えているんだ? 悔しいがあいつの考えが全く分からない。
さっきもキースの考察の方が俺より上を行っていたし、悔しいがどうやら頭脳はキースの方が上のようだな。
「お、いい反応だ。『みんな防御だけなんて何の意味があるんだ?』って思っただろ? ただ意味があるんだよ。この作戦は敵兵士に身を隠す作戦なんだ。群がってくる兵士の攻撃を防御しながらこっそりと敵兵士に紛れて対岸へ渡る」
俺はキースにそこまで言われてようやく理解した。
つまりは強力な精鋭部隊から身を守るために人という迷彩服を着るということだ。
だがそれは……。
「みんな。この話を聞き、少し希望が見えてきて安心しただろ? けどな、この作戦はそんな簡単なものじゃないぜ」
そう、キースは分かっている。
この作戦はそう甘くはないことを。
「人に紛れるということは、敵兵士が沢山いるところに無謀に突撃するってことだ。それに倒さないから敵兵士は減らない。一般兵とはいえ何十人、いやもしかしたら何百人に囲まれることになれば負ける可能性の方が高くなる。だからこその連携だ。俺たちがお互いをカバーしあい、敵の攻撃を効率的に防ぐ必要がある。さて、課題はこれでわかったよな。それじゃあここからが本当の作戦会議だ。さ、始めようぜ」
なんじゃそりゃ。
お前の前置きは一体どれだけ長いんだ。
作戦を伝える前置きを長々と喋り今度は連携の話し合いの前置きだったのかよ。
ま、確かになんの説明もされず、本番いきなり理由もわからず支持されるよりは全員が作戦の概要を理解して戦争に臨んだ方が数倍マシか。
そこからは色々な意見が全員から出た。
参加しないつもりだった俺までもいつの間にか話し合いに参戦してしまっていた。
クソ、キースにはかなわないぜ。
「ふぅ、作戦はだいたいまとまったな。最初はそんなに時間はかからないと思ってたのにいつの間にか昼をまたいで日が落ちるまでかよ。最終的には酒こそ飲まなかったものの宴会状態だったしな」
呆れたような声でドレイクさんは言う。
けど俺全力でツッコミたい。
一番はしゃいでたあんたが言うな!
「それじゃ、今日はお開きだな。みんな、しっかり寝ろよ」
「「「おう!」」」
最終的にはキースの一声でみんなが一斉にテントから出ていき、自室へと帰っていくのだった。
そしてそれは俺も例外ではなく、みんなと同じく自室へと戻る。
そういえば作戦会議中、こっそりと覗きのスキルで前に見たドレイクさんとキース以外のステータスを見ておいた。
あんまり無断で人のステータスを覗くのは悪いかなとも一瞬思ったが、明日は戦争だ。
味方のスキル(一応自分の持っているスキルは皆作戦会議で一通り教えあった)や能力パラメータを知っておくのは重要なことだし、悪いなんて甘っちょろいことは言っていられない。
俺は再び気合を入れ直し、また自室へと歩いていくのだった。
全話のサブタイトルを修正しました。2019/5/5




